牛乳・乳製品は、カルシウムを豊富に含み、しかも吸収率が高いことで知られる食品です。それだけに、乳アレルギーで除去していると、「カルシウムは足りているかな」と気になる方も多いと思います。
実際、国立病院機構相模原病院が食物アレルギー児138名を対象に行った調査では、乳製品除去群は非除去群に比べてカルシウム摂取量が有意に低かったと報告されています。決して珍しいことではなく、除去食に取り組む多くのご家庭に共通する課題だということですね。
ここでは、乳アレルギーの子が気を付けたい症状と、その背景にある栄養素、代わりに摂りたい食材について整理していきます。
「足がつる」はカルシウム不足のサインかも
栄養不足は、健康診断でも見つかりにくく、意外と気づかれにくいものです。特に、乳製品を除去していると気をつけたいのが「カルシウム」です。
カルシウムは骨や歯をつくるだけでなく、筋肉や神経の働きにも関わっているとされています。不足すると、次のようなサインが出ることがあると言われています。
| サイン | 補足 |
|---|---|
| 足がつりやすくなる(こむら返り) | 筋肉の収縮に関わるカルシウムが不足すると起こりやすいとされています |
| まぶたや手足が小刻みに震える | 神経の興奮を抑える働きが弱まることで起こるとされています |
| 歯や骨がもろくなる | 骨の成長が妨げられ、将来の骨の健康にも影響する可能性があるとされています |
「カルシウムが不足するとイライラする」という話をよく耳にしますが、これは実は俗説とされています。体は血液中のカルシウム濃度を一定に保つ仕組みを持っていて、食事からの摂取が少なくても骨からカルシウムが補充されるため、短期的な摂取不足がすぐにイライラへつながるわけではない、というのが実情のようです。
「最近、寝ているときに足がつることが増えたな」と感じたら、カルシウムを振り返ってみるきっかけになるかもしれません。ただし、これらのサインが見られたからといって、必ずしも栄養不足とは限りません。気になる場合は、自己判断せず、かかりつけ医や管理栄養士に相談してみてください。
牛乳にはカルシウム以外の栄養素も含まれています
牛乳・乳製品には、カルシウム以外にも次のような栄養素が含まれています。
| 栄養素 | 主な働き |
|---|---|
| カルシウム | 骨や歯をつくり、筋肉や神経の働きにも関わるとされています |
| たんぱく質 | 体をつくる基本的な栄養素 |
| ビタミンD | カルシウムの吸収を助ける働きがあるとされています |
| ビタミンB2 | 皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあるとされています |
このうち、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが不足していると、せっかく他の食品でカルシウムを摂っても、うまく吸収できない可能性があります。カルシウムとビタミンDは、セットで意識するのがポイントです。
代わりに摂りたい食材
牛乳・乳製品を代替するには、小魚や大豆製品、野菜などを組み合わせて摂るとよいとされています。
| 栄養素 | 代わりに摂りたい食材 |
|---|---|
| カルシウム | 小魚(しらす、ししゃも)、大豆製品(豆腐、厚揚げ)、小松菜、ひじき |
| たんぱく質 | 肉、魚、大豆製品 |
| ビタミンD | 鮭、さんま、きのこ類(きくらげ、干ししいたけ) |
| ビタミンB2 | レバー、うなぎ、納豆 |
牛乳・乳製品は1食品でカルシウムをまとめて摂れる分、代替する場合は複数の食材を組み合わせる意識が大切になります。
簡単に取り入れられるレシピ例
| レシピ | 摂れる栄養素 | 作り方のポイント |
|---|---|---|
| 小松菜と厚揚げの煮浸し | カルシウム・たんぱく質 | 小松菜と厚揚げをだしで煮て、優しい味付けに |
| しらすと豆腐の豆腐そぼろ | カルシウム・たんぱく質 | 豆腐を崩してしらすと一緒に炒め、ご飯にのせる |
| 鮭ときのこのホイル焼き | ビタミンD | 鮭ときくらげや舞茸を一緒に包んで焼くだけ |
アレルギー用ミルクという選択肢も
乳児期のお子さんの場合、医師の指示のもとで「アレルギー用ミルク」を使うという選択肢もあります。アレルギー用ミルクは、一般の粉ミルクと同じようにカルシウムや鉄が補給できるよう作られていて、離乳食や幼児食に活用することもできるとされています。どのミルクを使うかは、抗原性や味に違いがあるため、必ず医師に相談して選んでください。
サプリメントは補助として
食事だけでカルシウムを十分に摂るのが難しいと感じるときは、カルシウムを強化した栄養補助食品を取り入れるという選択肢もあります。
例えば、ユニカ食品「ユニカル カルシウム顆粒」のように、カルシウムの吸収性を高める独自技術で作られた商品もあります。1包あたりカルシウム200mgが摂れ、レモン味など乳製品が苦手でも取り入れやすい味の展開があるのも特徴です。
ただし、サプリメントはあくまで食事の補助であり、置き換えるものではありません。原材料に乳由来の成分(乳糖、カゼイン、ホエイ等)が使われていないか、必ずパッケージの表示を確認してください。使用を検討する場合は、事前に医師や管理栄養士に相談してから取り入れることをおすすめします。
まとめ
乳アレルギーで除去していると、カルシウムが不足しやすいとされています。「足がつりやすい」「まぶたが震える」といったサインが、カルシウム不足のヒントになることもあります。小魚や大豆製品、野菜などを組み合わせて摂ることで、十分に補うことができます。カルシウムの吸収を助けるビタミンDもあわせて意識すると、より効果的です。気になる場合は、自己判断せず、かかりつけ医や管理栄養士に相談しながら進めてください。
なお本記事は一般的な情報提供を目的としており、症状の診断や治療方針については、必ず医師にご相談ください。
この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、自身の経験と厚生労働省・専門機関等の公開情報をもとにまとめています。治療方針については、必ず主治医の指示を優先してください。詳しくは免責事項をご覧ください。
参考にした情報源
- 池田有希子ほか(国立病院機構相模原病院)「食物アレルギー除去食中の保護者に対する食生活のQOL調査および食物アレルギー児の栄養評価」日本小児アレルギー学会誌
- 公益財団法人ニッポンハム食の未来財団「牛乳|除去食と代替食」
- 独立行政法人環境再生保全機構「原因食物別 除去のポイント 牛乳」
- 西新宿整形外科クリニック「カルシウム不足すると起きる症状とは?」
- ユニカルストア「ユニカルとは」
- 一般社団法人日本乳業協会「カルシウムが不足するとイライラするって本当ですか?」
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