「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「コンクリートに触れたら、手がかゆくなった」「仕事でセメントを扱っていると、手が荒れる」。この手荒れは、コンクリートアレルギーなの?と、気になりますよね。
コンクリートそのものが原因というより、コンクリートの材料のセメントで、皮膚がかぶれていることが多いようです。かぶれの正式な名前は、接触皮膚炎といいます。
セメントによる接触皮膚炎には、アレルギーによるものと、セメントの刺激によるものの2つがあります。この2つは、分けて考えることが大切です。
結論:セメントで、アレルギー性の接触皮膚炎になることはあります。ただし、手が荒れた原因が、アレルギーとは限りません。セメントの強い刺激でも起こります。
(どちらが原因かは、皮膚科で調べます。「コンクリートアレルギーだ」と、自分だけで決めないようにしましょう)
コンクリートとセメントは同じ?コンクリートアレルギーの正体
コンクリートに触っただけで、かぶれたの?と思いますよね。
コンクリートは、おもにセメント・水・砂・砂利を混ぜて作ります。そのため、「コンクリートに触れて荒れた」と感じても、作業中に触れたセメントやモルタル(セメントと砂と水を混ぜたもの)が原因になっていることがあります。
「コンクリートそのものにアレルギーがある」というより、セメントのアレルギーや、セメントの刺激で、皮膚炎が起こると考えるほうが近いでしょう。
セメントのかぶれは2種類|アレルギー性と刺激性の違い
セメントで手が荒れたとき、アレルギーなのか、ただの刺激なのかが気になりますよね。セメントのかぶれには、アレルギーによるものと、刺激によるものの両方があります。
セメントでアレルギーになる?原因は六価クロム
あります。セメントに含まれる六価クロム(クロムという金属の仲間)が、アレルギー性接触皮膚炎の原因になることがあります。
アレルギー性の接触皮膚炎は、その物質に体が反応するようになった人(これを「感作」といいます)にだけ起こります。誰にでも起こるわけではありません。
- 産業医科大学の戸倉新樹先生のスライド(労働者健康安全機構)に、セメントでは、慢性(長く続く)の皮膚炎は六価クロムのアレルギーが原因になる、と書かれています。
- 同じ資料に、セメントの原料の石灰石や粘土には三価クロムが含まれていて、熱を加えるなどの過程で六価クロムが出てくる、という説明があります。
セメントの刺激でかぶれる?強いアルカリによる化学やけど
セメントは、水と混ざると、強いアルカリ性になります。このアルカリで皮膚が傷つくことを、化学熱傷(化学物質によるやけど)といいます。アレルギーとは関係なく、誰にでも起こります。
はじめは軽く見えても、あとから重くなることもあります。
- 日本電気健康保険組合が出した、産業医(皮膚科専門医)の資料に、「セメントに含まれる酸化カルシウム(生石灰)は、水を加えると水酸化カルシウムに変化し、強アルカリ性を示し、化学熱傷を来たす」「初期は軽症に見えても、後に重症化し深達性の皮膚障害を呈する場合もある」と書かれています。
- 戸倉先生のスライドにも、セメントでは、急性(短い間に起こるもの)は化学熱傷が原因になる、と書かれています。
アレルギー性と刺激性の違い(比較表)
| アレルギー性接触皮膚炎 | 刺激性接触皮膚炎 | |
|---|---|---|
| セメントでの原因 | 六価クロムへのアレルギー | 強いアルカリ(水酸化カルシウム)、こすれなど |
| アレルギー反応 | ある | ない |
| 誰に起こる? | その物質に感作された人だけ | 誰にでも起こる |
| 起こり方 | 繰り返し触れて、長く続くことが多い | 触れてまもなく起こることがある |
- セメントでは、慢性(長く続く)の皮膚炎は六価クロムのアレルギー、急性(短い間に起こるもの)は化学熱傷、と戸倉先生のスライドに書かれています。
- 実際には、2つが重なっていることもあります。「セメントに触れて赤くなった=セメントアレルギー」とは、決められません。
セメントによる接触皮膚炎の症状|手に出やすい
どんな症状が出たら、セメントのかぶれを疑えばいいの?と迷いますよね。職業で起こる接触皮膚炎は、手に出ることが多いとされています。
- 赤み、かゆみ、ブツブツ(丘疹)、水ぶくれ(水疱)、ただれ(びらん)、腫れ、乾燥、ひび割れ(亀裂)、痛みなどです。
- この一覧は、労働者健康福祉機構の研究報告書に、職業性の接触皮膚炎の症状として挙げられているものです(理・美容師の調査結果)。セメント専用の一覧ではありません。
- 職業性の接触皮膚炎の多くは、手に出ると、同じ報告書に書かれています。
「仕事でセメントを扱ったあとに悪くなる」「休みの日は楽になる」。そんな変化があれば、皮膚科で医師に伝えましょう。診断では、問診(いつ・何に触れて・どこに出たかを聞くこと)と、皮膚の観察から、原因を推定します。
コンクリートアレルギーの検査|パッチテストで原因を調べる
皮膚科では、何を調べるの?と気になりますよね。アレルギー性が疑われるときは、パッチテストという検査があります。
パッチテストは、原因かもしれない物質を、背中や腕の皮膚に48時間貼って、反応が出るかを見る検査です。セメントでは、クロムに対する反応を調べます。
- 労働者健康福祉機構の研究報告書に、「被検物質を皮膚病変のない正常な背部や上腕などに48時間貼布して陽性反応の有無をみる検査」と書かれています。
- 戸倉先生のスライドにも、セメントのアレルギー性接触皮膚炎では、クロムに対するパッチテストが陽性になる、と書かれています。
- 検査だけで決めるわけではありません。問診と皮膚の観察から原因を推定し、パッチテストで原因の物質を確かめる、という流れです。
セメントによる手荒れの予防|保護具と洗い流し
仕事でセメントを触るなら、どうすればいいの?と思いますよね。まずは、できるだけ皮膚につけないことです。
セメントを皮膚につけない|手袋などの保護具
触れる物質に合った保護具(手袋、長袖の作業着など)を選んで、正しく使うことが大切です。
平成20年の研究報告書では、手袋などの保護具が、いちばん確実な方法と考えられています。ただ、実際には、つけていない人が多いことも指摘されています。
- 労働者健康福祉機構の研究報告書に、手袋などの防具の使用や、原因物質を含まない代わりの品の使用が、回避策として挙げられています。
- 同じ報告書に、グローブ(手袋)は現段階で最も確実な手段と考えられるが、着用率は低い、と書かれています。
- 日本電気健康保険組合の産業医の資料に、「皮膚障害の予防には、暴露物質に応じた適切な保護具の選択と適切な使用が重要である」と書かれています。
セメントがついたら|すぐ洗い流して皮膚科へ
皮膚に付いたら、そのままにせず、すぐに水で洗い流します。軽く見えても、あとから重くなることがあるので、症状が出たら早めに皮膚科に行きましょう。
手袋をしても、湿疹やかゆみが何度も出るときは、セメント以外が原因のこともあります。金属・ゴム・合成樹脂などでも、アレルギー性の接触皮膚炎は起こります。
- 日本電気健康保険組合の資料に、有害性が疑われる物質に触れたときは、すぐに脱衣して十分な量の水で洗い流し、速やかに受診するよう書かれています。
- 同じ資料に、アレルギー性接触皮膚炎の原因として頻度が高いものに、ニッケル、コバルト、クロムなどの金属、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの合成樹脂、ゴムなどがある、と書かれています。
コンクリートアレルギーのまとめ
セメントで手が荒れたら、アレルギーか、セメントの刺激か、皮膚科で調べましょう。自分だけで「コンクリートアレルギー」と決めないことが大切です。
- コンクリートより、材料のセメントが原因のことが多い
- セメントのアレルギーは、六価クロムが原因になることがある
- 強いアルカリの刺激でも、かぶれや化学やけどが起こる
- 調べるときは、問診と皮膚の観察、必要ならパッチテスト
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| コンクリートアレルギーはある? | コンクリートそのものより、セメントが原因のことが多い |
| セメントでアレルギーになる? | 六価クロムなどで、アレルギー性接触皮膚炎になることがある |
| セメントで手が荒れたらアレルギー? | 強いアルカリの刺激の場合もある |
| どうやって調べる? | 皮膚科で相談し、必要に応じてパッチテストを行う |
| 予防するには? | 皮膚につけない。ついたらすぐ水で洗う |
今日からできること
- 手が荒れたら、いつ・何に触れたあとに悪くなるかをメモして、皮膚科で医師に伝える。
- 作業のときは手袋などの保護具を使い、セメントが付いたらすぐに水で洗い流す。
- 繰り返しセメントに触れる仕事で、湿疹やかゆみが続いているなら、一度皮膚科で相談する。
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