「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「アレルギーの薬で症状を抑えるだけではなく、体質そのものを変えたい」
そんな思いから、ホメオパシーに興味を持つ人もいるようです。
ホメオパシーについて調べていると、
アレルギー体質を根本から改善する
症状ではなく体質そのものに働きかける
続けることでアレルギーになりにくい体を目指す
といった説明を見かけることがあります。
アレルギーがある人にとって、「症状が出たら薬で抑える」だけではなく、
そもそもアレルギーになりにくい体になれないの?
と考えるのは自然なことかもしれません。
では実際に、
ホメオパシーでアレルギー体質は変わるのでしょうか?
そして、「体質改善」といわれることには、どこまで根拠があるのでしょうか。
結論|「アレルギー体質が変わる」と確認できる十分な科学的根拠はない
まず、現時点で確認できる科学的な情報を整理すると、
ホメオパシーによってアレルギー体質そのものが変わることを示す、十分で信頼できる科学的根拠は確認されていません。
アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、ホメオパシーが特定の健康状態に有効であることを支持する科学的根拠はほとんどないとしています。
日本の厚生労働省「統合医療」情報発信サイトeJIMでも、ホメオパシーが特定の健康状態に有効な治療法であることを裏付ける科学的根拠はほとんどないと紹介されています。
そのため、
ホメオパシーを続ければアレルギー体質が変わる
とは、現在の科学的な知識からは言えません。
ただ、この話をここで、
「だから興味を持つ意味はありません」
と終わらせてしまうと、なぜ「体質改善」という考え方が広まっているのか、実際に変化を感じる人がいるのはなぜなのかが見えてきません。
もう少し整理してみます。
そもそも「アレルギー体質」とは何を指している?
実は「アレルギー体質」という言葉はよく使われますが、
医学的にひとつの状態を表す正式な診断名ではありません。
一般的には、
- アレルギー性鼻炎になりやすい
- アトピー性皮膚炎がある
- 食物アレルギーがある
- 喘息がある
- 家族にもアレルギーが多い
といった状態をまとめて「アレルギー体質」と表現することがあります。
しかし、アレルギーが起こる仕組みは単純ではありません。
その人の状態には、
- 遺伝的な要素
- 免疫の働き
- 皮膚や粘膜のバリア機能
- 年齢
- 生活環境
- アレルゲンとの接触
など、さまざまな要素が関係します。
つまり、
アレルギー体質=体の中にあるひとつの悪いもの
ではありません。
だからこそ、
「体質を変える」
という言葉も、実際には何がどう変わることを指しているのかを考える必要があります。
ホメオパシーでは「症状だけを見ない」と考える
ホメオパシーでは、同じ症状がある人でも、全員に同じものを使うわけではないという考え方があります。
例えば同じアレルギー症状でも、
- いつ症状が出るのか
- どんな症状が強いのか
- 何がつらいと感じるのか
- その人の全体的な状態はどうか
などを考えて、その人に合わせたレメディを選ぶという考え方です。
そのため、
病気だけを見るのではなく、人全体を見る
という部分に魅力を感じる人もいるのかもしれません。
そして、その考え方から、
「症状を抑えるだけではなく、体質そのものを整える」
という説明につながっていきます。
ただし、
そのような考え方があること
と、
実際にアレルギー体質が医学的に変化することが確認されていること
は別です。
現在の科学的な評価では、ホメオパシーが特定の健康状態に有効であることを示す十分な根拠は確認されていません。
「体質が変わった」と感じる人がいるのはなぜ?
ここは一番簡単に、
「全部気のせいです」
と片付けられる話ではないと思います。
実際にホメオパシーを利用した人の中には、
「以前より症状が減った」
「薬を使う回数が減った」
「体質が変わった気がする」
と感じる人もいるでしょう。
本人にとって症状が減ったり、生活が楽になったりしたなら、その変化自体を外から否定することはできません。
ただし、
症状が変わった
ことと、
ホメオパシーによってアレルギー体質が変わった
ことは、同じではありません。
アレルギーの症状は、ホメオパシーを使わなくても変化することがあります。
例えば、
- 年齢とともに症状が変わる
- 季節によって症状が変わる
- 生活環境が変わる
- アレルゲンとの接触量が変わる
- 睡眠やストレスなどの状態が変わる
といったことがあります。
特に子どものアレルギーでは、成長とともに状態が変化することもあります。
そのため、
ホメオパシーを始めた
↓
数か月後に症状が減った
↓
体質が変わった
という出来事があったとしても、その変化がホメオパシーだけによって起こったのかを、個人の体験だけで判断することは難しいのです。
アレルギーの状態は、実際に変わることがある
ここは、「ホメオパシーが効いたかどうか」とは別に重要なポイントです。
アレルギーの状態は、
一度決まったら一生まったく変わらない
とは限りません。
子どもの食物アレルギーでは、成長に伴って食べられるようになる場合があります。
一方で、大人になってから新しいアレルギーが現れることもあります。
また、同じ人でも、
今年は症状が強い
去年は比較的軽かった
ということもあります。
つまり、
アレルギーの状態が変化すること自体は珍しいことではありません。
だからこそ、何かを始めたあとに症状が変わった場合、
「始めたものが原因で変わった」
と考える前に、
もともと変化する可能性がある症状ではないか?
という視点も必要になります。
これはホメオパシーだけではなく、サプリメント、健康食品、腸活、自然療法などを考えるときにも同じです。
「体質改善」と「症状の改善」は同じではない
ここも混同しやすいところです。
例えば、
蕁麻疹が出なくなった
鼻炎が軽くなった
湿疹が以前より落ち着いた
という変化があったとしても、
アレルギー体質そのものが変わった
とまでは言えない場合があります。
症状には波があります。
環境や季節によっても変わります。
そのため、
症状が改善した
=体質が改善した
とは、必ずしも言えません。
「体質改善」という言葉は非常に魅力的ですが、医学的に何を測れば「体質が改善した」と言えるのかは簡単ではありません。
だからこそ、
症状が減ったこと
と、
アレルギーになりやすい体そのものが変化したこと
は分けて考えたほうがよさそうです。
薬を使いたくない気持ちから選ぶ人もいる
ホメオパシーに興味を持つ理由のひとつには、
「できるだけ薬を使いたくない」
という思いもあるかもしれません。
これはアレルギーのある人や、子どものアレルギーを見ている保護者なら、自然に感じることでもあるでしょう。
ただ、
薬をできるだけ使いたくない
ことと、
医学的な治療をやめても大丈夫
ということは別です。
NCCIHも、ホメオパシーを効果が確認されている治療の代わりとして使ったり、必要な医療を受けることを遅らせたりしないよう注意を促しています。
特に、
- 喘息
- アナフィラキシーを起こしたことがある食物アレルギー
- 強いアトピー性皮膚炎
などでは、自己判断で必要な治療を中止することには注意が必要です。
「体質を変えたい」という思いがあったとしても、
安全のために必要な治療
までやめてよいとは限りません。
「効果が証明されていない」と「体験を否定する」は違う
この企画で大切にしたいのは、ここだと思います。
現時点で、
ホメオパシーによってアレルギー体質が変わることを示す十分な科学的根拠は確認されていない
というのは、科学的な情報として整理できます。
一方で、
「自分は変わったと感じた」
という人の体験まで、こちらが勝手に否定できるわけではありません。
ただ、その変化には、
- 自然な症状の変化
- 成長
- 環境の変化
- 生活習慣の変化
- 同時に行っていた別の対策
など、さまざまな可能性があります。
そのため、
体験として変化を感じたこと
と、
ホメオパシーの効果として体質改善が証明されたこと
は分けて考える必要があります。
この二つを混ぜてしまうと、
「自分には変化があった」という体験を、
そのまま「誰にでも効果がある治療法」として受け取ってしまう可能性があるからです。
まとめ|「体質改善」という考え方はあるが、科学的に確認されているわけではない
ホメオパシーには、
症状だけを見るのではなく、その人全体を見ていく
という考え方があります。
そのため、
「アレルギー体質そのものを変えたい」
と考える人が関心を持つこともあるでしょう。
実際に、ホメオパシーを続けたことで、
「以前より症状が減った」
「体質が変わった気がする」
と感じる人がいる可能性もあります。
しかし、現時点では、
ホメオパシーによってアレルギー体質そのものが変わることを示す、十分な科学的根拠は確認されていません。
また、アレルギーの症状は年齢や環境などによって変化することがあります。
そのため、
ホメオパシーを始めたあとに症状が変わった
という経験だけでは、
ホメオパシーによって体質が変わった
と断定することは難しいでしょう。
「ホメオパシーでアレルギー体質は変わる?」という疑問への現時点での答えは、
体質改善を目指すという考え方はあるものの、ホメオパシーによってアレルギー体質が変わることを示す十分な科学的根拠は確認されていない
となります。
「変わったと感じた人がいること」と、「医学的に効果が確認されていること」。
この二つを分けて考えることが、ホメオパシーとアレルギー体質の関係を見るうえで大切なのかもしれません。
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