「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「青汁って健康に良さそう」
これはなんとなく分かります。
野菜がたっぷり入っていて、ビタミンやミネラルもとれて、毎日飲めば体の調子も良くなりそう。
さらに、「腸内環境を整える」「免疫力をサポートする」「抗酸化作用がある」なんて話を聞くと、
「じゃあ、アレルギーにも良いんじゃない?」
と思ってしまいますよね。
花粉症やアトピーなどに悩んでいると、「毎日飲むだけで少しでも楽になるなら……」と期待したくなる気持ちも分かります。
でも、ここで一度立ち止まってみます。
青汁って、本当にアレルギーを改善するのでしょうか?
そもそも「青汁」って何?
まず、ここが意外と大事です。
「青汁」という名前の決まった食品があるわけではありません。
商品によって使われている原料は違っていて、大麦若葉、ケール、明日葉、桑の葉など、さまざまな植物が使われています。野菜や果物などがブレンドされている商品もあります。
つまり、
「青汁を飲んでいる」=「同じものを飲んでいる」
ではありません。
これはアレルギーを考えるときにも結構重要です。
たとえば「青汁にはこの成分が入っているからアレルギーに良い」と言われても、別の商品ではその成分がほとんど入っていない可能性があります。
青汁という一つの食品として考えるより、中に何が入っているのかを見る必要があるわけです。
青汁を飲めばアレルギーが改善する?
では本題。
青汁そのものを飲むことで、アレルギー症状が改善することを証明した研究はあるのでしょうか。
調べてみると、「青汁を飲めばアレルギーが改善する」と言えるほどの根拠は見つかりませんでした。
青汁の原料になっている植物について、免疫や炎症に関する研究はあります。
たとえば若い大麦葉を使った動物実験では、免疫に関係する免疫グロブリンの産生に変化が見られています。ただし、これはラットを使った研究であり、しかもアレルギー症状を改善するかを調べた研究ではありません。
ここは、
「免疫に影響する研究がある」
と
「アレルギーが改善する」
を一緒にしないほうがよさそうです。
「免疫に良い」ならアレルギーにも良い?
青汁の宣伝などで、よく「免疫」という言葉が出てきます。
でも、アレルギーを考えると、ここがちょっとややこしい。
アレルギーは、免疫がまったく働いていない状態ではありません。
むしろ、本来ならそれほど問題にならない花粉や食べ物などに対して、免疫反応が起こりすぎることが関係しています。
だから、
免疫を元気にする
↓
アレルギーにも良い
とは単純にはつながりません。
「免疫力アップ」という言葉だけでアレルギー改善まで期待するのは、少し話が飛んでしまいます。
野菜そのものには、アレルギーとの研究がある
では、青汁の原料になっている野菜には何も関係がないのでしょうか。
そういうわけでもありません。
植物性食品とアレルギーの関係は、以前から研究されています。
特に面白いのが、花粉症と野菜や果物のアレルギーが関係することがあるという話です。
花粉に対して作られたIgE抗体が、構造のよく似た食品中のタンパク質にも反応することがあります。これを交差反応といいます。花粉症の人が特定の果物や野菜を食べたとき、口の中がかゆくなったり、違和感が出たりする「花粉-食物アレルギー症候群」なども、この仕組みが関係しています。
つまり、植物だからといって、「体に良いものだから、アレルギーとは無関係」とは言えないんですね。
青汁を飲んで症状が出ることもある?
これは少し怖い話ですが、可能性としてはあります。
青汁そのものが特別に危険という意味ではありません。
問題は、中に入っている植物や野菜にアレルギーがある場合です。
実際に、野菜や果物を使ったジュースでアレルギー反応が起きた症例もあります。
日本の16歳の男性では、ヨモギ花粉症があり、野菜や野生ブドウの摂取によって、じんましん、腹痛、呼吸困難、意識消失などを繰り返した症例が報告されています。詳しく調べると、複数の植物食品に含まれるLTPというタンパク質との交差反応が関係していました。
また、11歳の男児が生のニンジンジュースを飲んだ直後に、顔の腫れや呼吸困難などを伴うアナフィラキシーを起こした症例も報告されています。こちらも花粉との交差反応が関係していました。
もちろん、こうした症例があるからといって「青汁は危険」という話ではありません。
植物性の食品でも、アレルギーの原因になることはある。
そのくらいに考えておくのがよさそうです。
青汁とアレルギーを考えるときのポイント
| 気になること | 今のところ分かっていること |
|---|---|
| 青汁でアレルギーが改善する? | 十分な根拠はない |
| 青汁の原料に免疫研究はある? | ある。ただし動物実験なども多い |
| 「免疫に良い」=「アレルギーに良い」? | そう単純ではない |
| 青汁でアレルギーが起こることは? | 原料によっては可能性がある |
| 花粉症と野菜は関係する? | 交差反応が起こる場合がある |
| 青汁は全部同じ? | 原料や配合が商品によって違う |
「毎日飲んだら体質が変わる」はどう?
青汁を続けることで、
「野菜不足を補えた」
「食生活が整った」
「便通が良くなった」
という変化を感じる人はいるかもしれません。
それ自体は悪いことではありません。
ただ、それをそのまま、「青汁を飲んだからアレルギー体質が改善した」と考えるには、まだ距離があります。
たとえば、青汁を飲み始めると同時に、食事が変わったり、睡眠時間が増えたり、運動を始めたりすることもあります。
アレルギー症状も季節や環境、睡眠、ストレス、治療などによって変化します。
「青汁を飲み始めたら症状が楽になった」という経験そのものを否定する必要はありません。
でも、その変化が青汁だけのおかげなのかまでは、体験だけでは分からないんですね。
じゃあ、青汁を飲む意味はない?
ここは「アレルギーに効かないなら意味なし」とする必要もないと思います。
そもそも青汁は、アレルギーを治すためだけに飲むものではありません。
普段の食生活で野菜が不足している人が、食生活の一部として利用するのであれば、それはまた別の話です。
ただし、青汁はあくまで食品。「アレルギーを改善するための飲み物」として期待しすぎるのは違います。
そして、すでに食物アレルギーがある人や、花粉症があって特定の野菜や果物で口の中がかゆくなることがある人は、青汁の原材料を確認したほうが安心です。
特に複数の植物が入っている商品では、「何が入っているのか」が分かりにくいこともあります。
結局、青汁はアレルギーに良いの?
今回調べてみると、「青汁を飲めばアレルギーが改善する」とまでは言えませんでした。
青汁の原料になる植物には、免疫や炎症について研究されているものがあります。
でも、それをそのまま「アレルギーに効く」とするには、まだ研究が足りません。
一方で、植物性食品とアレルギーには交差反応という面白い関係もあります。
つまり、
青汁=アレルギーに良い
でもなければ、
青汁=アレルギーに悪い
でもない。
中身に何が入っているのか、そして自分の体がどう反応するのかを見ることが大切なんだと思います。
「健康に良さそうだから、アレルギーにもいいはず」
と考えたくなるところですが、そこは一歩止まって調べてみる。
今回の青汁については、そんな感じの答えになりました。
もしかすると、青汁そのものではなく、中に入っている植物の成分の中に、アレルギーとの面白い関係を持つものがあるのかもしれません。
そこは今後の研究で、もっと分かってくると面白そうですね。
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