「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「アレルギーがあるなら、布団はしっかり天日干しした方がいい」
昔からよく聞く話です。
特にダニやハウスダストが気になる家庭では、晴れた日に布団を干すことが習慣になっている人も多いでしょう。
では、実際に布団を干すことで、アレルギー症状は改善するのでしょうか。
調べてみると、布団を干すこと自体には意味がある一方で、「天日干しをすればダニやアレルゲンの問題が解決する」というほど単純ではないことが分かります。
アレルギー対策で問題になるのは「生きたダニ」だけではない
まず知っておきたいのが、ダニによるアレルギーで問題になるのは、生きているダニだけではないことです。
ダニアレルギーでは、
- ダニそのもの
- ダニの死骸
- ダニのフン
- 脱皮した抜け殻
などがアレルゲンになることがあります。独立行政法人環境再生保全機構も、生きたダニだけでなく、死骸やフンなどを吸い込むことで症状が起こると説明しています。
そのため、
ダニを殺せば終わり
ではありません。
仮にダニが死滅したとしても、寝具の中にアレルゲンが残っていれば、それを減らすための対策も必要になります。
天日干しでダニは死ぬ?
ここは、布団干しについて誤解されやすいポイントかもしれません。
山梨大学医学部附属病院アレルギーセンターは、布団を干すだけではダニは死なず、仮に殺してもフンや虫体の成分は残るため、アレルギー症状の改善にはそれだけでは十分ではないと説明しています。
また、寝具内部の温度を十分に上げることは、天日干しでは簡単ではありません。
環境再生保全機構は、布団乾燥機などを使い、寝具の中央部が50℃以上になるよう乾燥させる方法をダニ対策として紹介しています。
つまり、
天日干し=ダニ退治
と考えるのは少し違うようです。
それでも布団を干す意味はある
「じゃあ、布団を干しても意味がないの?」
というと、そうとも言い切れません。
ダニは湿気の多い環境を好むため、寝具を乾燥させて湿気を減らすことは、ダニが繁殖しにくい環境づくりにつながります。環境再生保全機構でも、寝具は天日干しや布団乾燥機で乾燥させ、湿気を減らすことが紹介されています。
つまり布団干しは、
今いるダニを完全に退治するため
というより、
寝具を湿った状態にしないための環境対策の一つ
と考える方が近そうです。
干した後に掃除機をかけるのはなぜ?
ここが、アレルギー対策としてはかなり重要なポイントです。
布団を乾燥させただけでは、寝具の表面や内部に残ったダニやアレルゲンがそのまま残る可能性があります。
環境再生保全機構では、布団を乾燥させた後、両面に掃除機をかけることを勧めています。目安として、1平方メートルあたり20〜30秒程度かけて掃除機をかける方法が紹介されています。
つまり、
干す
だけで終わるのではなく、
乾燥させる → 掃除機をかける
という組み合わせが、寝具のアレルゲン対策として考えられています。
「布団を叩く」はどうなの?
布団を干した後に、布団たたきで強く叩く光景を見たことがある人もいるかもしれません。
しかし、アレルギー対策という視点では、強く叩けばアレルゲンが減るとは限りません。
古い研究では、天日干しと布団たたきを行っても、布団中のダニアレルゲン量の低減は確認されなかったと報告されています。
布団を叩くよりも、乾燥後に掃除機を使ってアレルゲンを取り除く方が、現在紹介されている寝具対策には近いといえそうです。
布団を干せばアレルギー症状は改善する?
ここは、少し慎重に考える必要があります。
ダニがアレルギー症状の原因や悪化要因になっている場合、寝具の環境を整えてアレルゲンへの曝露を減らすことは、症状管理の一つとして重要です。
ただし、
布団を干したら、すべてのアレルギー症状が改善する
とは言えません。
アレルギー症状には、
- ダニ
- ハウスダスト
- 花粉
- カビ
- ペット
- 食品
など、さまざまな原因が関係する可能性があります。
そもそも症状の原因がダニではない場合、布団を干すことだけで改善するとは考えにくいでしょう。
環境再生保全機構も、対策を行う前に、自分が何にアレルギー反応を起こしているのかを把握することが重要だとしています。
花粉の季節は外干しが逆効果になることも
布団を干す場合、もう一つ注意したいことがあります。
外に干せば、必ずしもアレルギー対策になるとは限りません。
例えば、花粉が症状の悪化要因になっている場合、花粉が飛散する時期に布団を外干しすることで、寝具に花粉が付着する可能性があります。
環境再生保全機構も、スギ花粉がアトピー性皮膚炎の悪化要因になっている場合には、布団や洗濯物を外で干すことが逆効果になる可能性があると注意を呼びかけています。
「天気がいいから外干し」という方法が、すべての人に適しているわけではなさそうです。
布団のアレルギー対策は一つだけではない
布団を干すことは、寝具を乾燥させる方法の一つです。
ただ、アレルギー対策としては、それだけに頼るより、
- 寝具を乾燥させる
- 干した後に掃除機をかける
- シーツやカバーを洗濯する
- 湿気をためない
- 必要に応じて防ダニカバーを使用する
- 自分のアレルゲンを確認する
といった対策を組み合わせて考える方が現実的です。
まとめ|布団干しは「ダニ退治」より「寝具の環境づくり」
「布団を干すとアレルギー症状は改善する?」という疑問について調べてみると、天日干しだけでダニやアレルゲンの問題を解決できるわけではないことが分かります。
一方で、寝具を乾燥させて湿気を減らすことには、ダニが繁殖しにくい環境をつくるという意味があります。
そのため、
布団を干すだけでアレルギーが改善する
とは言えませんが、
ダニなどが関係する人にとって、寝具を乾燥させ、掃除機や洗濯などを組み合わせることは環境対策の一つになる
とは考えられそうです。
布団干しを「アレルギーを治す方法」と考えるよりも、アレルゲンを減らしやすい寝具環境をつくるための一つの方法として考える方がよさそうですね。
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