「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「子どものアレルギーは大きくなれば治る」
「大人になったらアレルギー体質が改善した」
「年齢とともに免疫が強くなれば、アレルギーもなくなる?」
アレルギーのある子どもを育てていると、こんな話を聞くことがあります。
実際、子どもの頃には食べられなかったものが、大きくなると食べられるようになるケースもあります。
一方で、
子どもの頃は何もなかったのに、大人になって花粉症になった
という人もいます。
では、アレルギー体質は年齢とともに改善するのでしょうか。
調べてみると、「年齢を重ねればアレルギー体質そのものが治る」というほど単純な話ではないようです。
結論:年齢とともに改善するアレルギーはある。ただし、すべてのアレルギーが改善するわけではありません
結論からいうと、アレルギーの種類によっては、年齢とともに症状が出なくなったり、原因となる食べ物を食べられるようになったりすることがあります。
特に子どもの食物アレルギーでは、
- 鶏卵
- 牛乳
- 小麦
などは、成長とともに耐性を獲得するケースがあります。
日本の小児アレルギーに関する報告では、即時型食物アレルギーの自然経過について、6歳までに耐性を獲得した割合は、鶏卵73%、牛乳85%、小麦66%と報告されています。もちろん、これはすべての子どもに当てはまる数字ではなく、原因食品や症状の重さによって経過は異なります。
一方で、
- ピーナッツ
- 木の実類
- 魚
- 甲殻類
などは、年齢を重ねても残りやすい傾向があります。
つまり、
年齢とともにアレルギーが改善することはある
けれど、
大人になれば自然にすべて治る
わけではありません。
そもそも「アレルギー体質」は一つのものなの?
ここが少しややこしいところです。
日常的には、
アレルギーになりやすい人
をまとめて「アレルギー体質」と呼ぶことがあります。
しかし、実際には、
- 食物アレルギー
- アトピー性皮膚炎
- 喘息
- アレルギー性鼻炎
- 花粉症
などは、それぞれ経過が異なります。
例えば、
卵アレルギーが治った
↓
もうアレルギー体質ではない
と単純に判断できるわけではありません。
逆に、
子どもの頃の湿疹が良くなった
↓
大人になって花粉症になった
ということもあります。
そのため、「アレルギー体質が改善する」というより、
年齢とともに、どのアレルギーがどのように変化するかは人によって違う
と考えたほうが近いかもしれません。
食物アレルギーは年齢とともに改善することがある
子どものアレルギーで、年齢による変化が比較的分かりやすいのが食物アレルギーです。
例えば鶏卵アレルギーでは、日本の子どもを対象とした研究で、
- 3歳までに30%
- 5歳までに59%
- 6歳までに73%
が耐性を獲得したと報告されています。
また、現在のEAACIの食物アレルギーガイドラインでも、鶏卵アレルギーは学校年齢までに自然に改善する子どもが多く、牛乳アレルギーについても自然に改善するケースがあることが示されています。
ただし、
年齢だけが理由で治る
と考えるのは正確ではありません。
食物アレルギーの経過には、
- 原因となる食品
- 特異的IgEの値
- アナフィラキシーの既往
- 他のアレルギー疾患があるか
- 複数の食物アレルギーがあるか
などが関係するとされています。
「大きくなったから食べてみよう」は危険?
ここは注意が必要です。
例えば、
もう小学生だから治っているかもしれない
前より症状が出ていないから食べられるはず
と考えて、自己判断で原因食品を食べるのは危険な場合があります。
食物アレルギーが改善したかどうかは、
年齢だけでは判断できません。
現在の状態を確認しながら、必要に応じて医療機関で検査や食物経口負荷試験などを行って判断します。
日本の小児食物アレルギーに関する報告でも、耐性を獲得したかどうかを確認するため、適切な時期に食物経口負荷試験を検討することの重要性が示されています。
「大きくなったから治ったかもしれない」と思ったときこそ、自己判断ではなく医師に相談したほうがよさそうです。
アトピー性皮膚炎も年齢とともに変わる?
アトピー性皮膚炎も、子どもの頃と大人になってからで症状が変化することがあります。
子どもの頃に症状が改善する人もいれば、成長後も続く人もいます。
また、
子どもの頃は症状が落ち着いていた
↓
大人になって再び悪化した
というケースもあります。
つまり、
年齢を重ねれば必ず改善する
とは言えません。
アトピー性皮膚炎は、皮膚の状態だけでなく、
- 季節
- 発汗
- 乾燥
- 生活環境
- ストレス
などによっても症状が変化します。
年齢による変化はありますが、「何歳になれば治る」という形では予測できません。
喘息も大人になれば治る?
小児喘息では、成長とともに症状が出なくなることがあります。
一方で、
子どもの頃に症状がなくなった
↓
大人になって再び症状が出る
こともあります。
また、子どもの頃から症状が続く人もいます。
つまり、
子どもの喘息は必ず大人になるまでに治る
とは言えません。
症状が長く出ていない場合でも、治療を自己判断でやめるのではなく、医師と相談しながら経過を確認することが大切です。
子どものアレルギーが変化する「アレルギーマーチ」とは?
子どものアレルギーを考えるときに、「アレルギーマーチ」という言葉があります。
これは、成長に伴ってアレルギー疾患が、
乳児期の湿疹
↓
食物アレルギー
↓
喘息
↓
アレルギー性鼻炎
のように変化していくことがある、という考え方です。
もちろん、すべての子どもがこの順番でアレルギーになるわけではありません。
また、
食物アレルギーが治った
↓
次は必ず花粉症になる
という意味でもありません。
ただ、
一つのアレルギーが改善したから、アレルギーに関する問題が完全になくなるとは限らない
という点は知っておきたいところです。
大人になってから新しくアレルギーになることもある
「年齢とともにアレルギーは改善する」というイメージとは反対に、大人になってから新しくアレルギー症状が出ることもあります。
代表的なのが、
- 花粉症
- アレルギー性鼻炎
- 食物アレルギー
などです。
子どもの頃は問題なかったのに、
大人になってから花粉症になった
という人も珍しくありません。
また、食物アレルギーについても、子どもだけの病気ではありません。
食物によっては成人になってから発症することもあります。
つまり、年齢を重ねることは、
アレルギーが一方向に改善していく
ことを意味するわけではなさそうです。
年齢を重ねると「免疫が強くなる」から治る?
「子どもは免疫が未熟だから、大人になればアレルギーは治る」
という説明を聞くことがあります。
確かに、子どもの免疫機能は成長とともに変化します。
ただし、
免疫が強くなればアレルギーが治る
というほど単純ではありません。
アレルギーは、
- 遺伝的な要素
- 免疫反応
- 皮膚や粘膜の状態
- 生活環境
- アレルゲンへの曝露
など、複数の要素が関係しています。
また、アレルギーでは単純に「免疫が弱い」というわけでもありません。
そのため、
年齢を重ねる
↓
免疫が強くなる
↓
アレルギーが治る
と、一つの流れで説明することは難しそうです。
アレルギーが改善したかどうかは、症状だけでは分からないこともある
例えば、
最近、卵を食べていないから症状が出ていない
という場合、
卵アレルギーが治った
のかどうかは分かりません。
症状がないのは、
原因となるものを避けているから
かもしれないからです。
また、血液検査で特異的IgEが低くなっていても、それだけで、
もう食べても大丈夫
とは限りません。
逆に、検査が陽性でも実際には食べられる場合があります。
そのため、食物アレルギーが改善したかどうかは、年齢や検査結果だけではなく、実際の症状や必要に応じた検査を組み合わせて判断します。
「アレルギー体質が改善した」と言えることはある?
日常的な意味では、
昔よりアレルギー症状が減った
食べられるものが増えた
薬を使う頻度が減った
という変化を、
アレルギー体質が改善した
と表現することはあるでしょう。
ただし、医学的には、
アレルギー体質という一つの数値があって、それが年齢とともに下がる
というものではありません。
食物アレルギーが改善する人もいれば、花粉症が新しく始まる人もいます。
そのため、
アレルギー体質が年齢とともに丸ごと改善する
というより、
年齢とともに、それぞれのアレルギーの出方が変化することがある
と考えるほうが実際に近いかもしれません。
まとめ
アレルギー体質は年齢とともに改善するのか調べてみると、
改善することはある。でも、すべてのアレルギーが年齢だけで治るわけではない
というのが、いちばん近い答えになりそうです。
特に子どもの食物アレルギーでは、
- 鶏卵
- 牛乳
- 小麦
などで、成長とともに耐性を獲得する子どもがいます。
一方で、
- ピーナッツ
- 木の実類
- 魚介類
などは残りやすい傾向があります。
また、一つのアレルギーが改善しても、別のアレルギーが現れることもあります。
「アレルギー体質が治るか」というより、
年齢とともに、自分のアレルギーがどう変化しているのか
を見ていくことが大切なのかもしれません。
そして、
「もう大きくなったから治っているはず」
と自己判断するのではなく、特に食物アレルギーについては医療機関で現在の状態を確認することが重要です。
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