「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「これ、食べ物のアレルギーかな?」
子どもが何かを食べたあとに、じんましんが出たり、口のまわりが赤くなったりすると、まずスマホで検索してしまうことってありますよね。
そんなときに、「症状を入力したらアレルギーかどうか分かるアプリがあればいいのに」と思う人もいるかもしれません。
実際、食物アレルギーに関係するアプリはすでにいくつも登場しています。
ただ、その中身を見ていくと、ちょっと面白いことが分かります。
現在のアプリは「あなたは食物アレルギーです」と診断するというより、アレルギーを調べるための情報を整理したり、食品にアレルゲンが含まれているかを確認したりする方向に進んでいるんです。
そして研究の世界では、さらにその先まで進もうとしています。
まず、アプリで食物アレルギーを診断できるの?
ここは最初に整理しておきたいところです。
食物アレルギーの診断では、症状が出たときの状況や食べたもの、これまでの経過などを確認したうえで、必要に応じて血液検査や皮膚テストなどを組み合わせます。
血液検査で特定の食べ物に対するIgE抗体が見つかったとしても、それだけで食物アレルギーと確定できるわけではありません。必要な場合には、医療機関で食物経口負荷試験を行って診断することもあります。
NIAID(米国国立アレルギー・感染症研究所)のガイドラインでも、特異的IgE検査だけでは食物アレルギーの診断にはならず、食物経口負荷試験が診断に用いられるとされています。
つまり、スマホに症状を入力して「あなたは卵アレルギーです」と判定するだけで、医学的な診断を完結させるところまでは来ていません。
では、実際のアプリは何をしてくれるのでしょうか。
すでにあるアプリを見ると、けっこう便利
実際に探してみると、食物アレルギーに関係するアプリは思っていたよりいろいろあります。
たとえば「マイエピ」。
食物・ハチ毒アレルギーのある人や家族向けに作られたアプリで、症状や検査結果、食物経口負荷試験の経過などを写真付きで記録できます。
アレルギーやアナフィラキシーについて学べるライブラリーやQ&Aもあり、アナフィラキシー時のナビ機能も用意されています。
これは「アレルギーを診断するアプリ」というより、すでにアレルギーと向き合っている人の毎日をスマホで支えるアプリという位置づけですね。
そして、買い物のときに役立つタイプもあります。
「アレルギーチェッカー」は、食品に気になるアレルゲンが含まれているかを確認できるアプリです。
さらに、食品表示をカメラで読み取るタイプもあります。
「AlerFree」は、食品のバーコードを読み取り、登録したアレルギーや不耐症に合わせて食品をチェックするアプリです。
そして、ちょっと面白いのが「MoguMogu」。
こちらは日本語の原材料表示をAIで読み取り、登録した食事ルールに合わせて判定するタイプです。バーコード検索だけでなく、原材料表示を撮影して読み取ることもできます。現在はiPhone向けに提供されています。
実際に使えるアプリを見てみる
ここでは、食物アレルギーの管理や食品のチェックに使えるアプリを、iPhoneとAndroidに分けて紹介します。
実際に使える食物アレルギー関連アプリ
アレルギーの記録や食品のチェックなど、日常の管理に役立つアプリがあります。
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🍎 iPhone(App Store) マイエピ 食物・ハチ毒アレルギーの症状や検査結果、負荷試験などを記録できます。
アレルギーチェッカー 食品に含まれるアレルゲンをチェックできます。
AlerFree バーコードを読み取り、登録したアレルギーや不耐症に合わせて食品をチェックできます。
MoguMogu 食品表示をカメラで読み取り、AIで原材料を判定するアプリです。現在はiPhoneのみ対応しています。
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🤖 Android(Google Play) マイエピ 食物・ハチ毒アレルギーの症状や検査結果などを記録できます。
アレルギーチェッカー 食品に含まれるアレルゲンをバーコードからチェックできます。
※アプリの対応機種や機能は変更されることがあります。インストール前に各ストアの最新情報をご確認ください。
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アプリは「診断」より「管理」に使われている
こうして並べてみると、今の食物アレルギーアプリは大きく分けて、
「診断する」よりも「記録する」「食品を調べる」「食生活を管理する」
という方向に進んでいることが分かります。
でも、ここからがちょっと面白いんです。
実は「アプリで診断」より面白い研究がある
スマホで食品アレルギーについて調べるとき、普通は「食品のラベルを撮影して、アレルゲンが書いてあるか確認する」という使い方を想像しますよね。
ところが研究では、スマホを食品そのものに含まれるアレルゲンを検出するための装置の一部として使う研究まで行われています。
たとえば2013年に発表された「iTube」という研究では、スマートフォンのカメラを使って、食品中のピーナッツを検出するシステムが開発されました。
これは単純に食品を撮影するだけではありません。
食品のサンプルを反応させ、その色の変化をスマートフォンのカメラで読み取ります。研究では、市販の食品を使ってピーナッツの検出を行いました。
つまり、
スマホで食品を撮影する
↓
画像からアレルゲンを判定する
というだけではなく、
食品の中にある成分を反応させる
↓
その反応をスマホのカメラで読み取る
という発想です。
これはかなり面白いですよね。
ピーナッツだけじゃない
この分野の研究は、その後も続いています。
スマートフォンと小型センサーを組み合わせて、食品中の特定のアレルゲンタンパク質を検出しようとする研究も行われています。
たとえば、植物性ミルクに含まれるヘーゼルナッツ由来のタンパク質を対象にした研究では、スマートフォンを利用した検出システムが検討されています。
ここで重要なのは、普通のスマホアプリとは少し違うこと。
アプリだけで食品中のタンパク質を見抜くのではなく、センサーなどで化学的な反応を起こし、その結果をスマートフォンで読み取るという仕組みなんです。
スマホが「検査装置そのもの」になるというより、小さな検査装置とスマホを組み合わせることで、持ち運べる検査システムを作るという方向ですね。
アプリを使った研究も、すでにある
もう一つ興味深いのが、アプリそのものを使って食物アレルギーの生活をサポートする研究です。
たとえば「Kinchew」というアプリを、食物アレルギーのある子どもの保護者70人が1か月間利用した研究があります。
このアプリでは、食品について検索したり、食事日記を記録したり、食物アレルギーへの対処法を学ぶ動画を見たりできます。
研究では、意図しない食品摂取によるアレルギー反応を経験した子どもの人数が、利用前の61人から利用後には31人に減少し、保護者の食品選択に対する自信も改善しました。
もちろん、この研究だけで「アプリを使えばアレルギー反応を防げる」と決めつけることはできません。
でも、ここで大事なのは、アプリが単なる情報検索ツールではなく、実際の食生活やアレルギー管理を支える道具として研究されていることです。
じゃあ「アプリだけで食物アレルギーは分かる?」の答えは?
ここまで見てくると、最初の疑問が少し違って見えてきます。
現在のアプリだけで、「あなたは食物アレルギーです」と医学的に診断することはできません。
でも、だからといって「アプリではアレルギーについて何も分からない」という話でもありません。
実際には、すでに
- 症状や検査結果を記録する
- 食品のアレルゲンをチェックする
- 原材料表示をスマホで読み取る
- アレルギーについて学ぶ
といったことができるアプリがあります。
そして研究の世界では、さらに一歩進んで、スマートフォンを使って食品中のアレルゲンそのものを検出する技術まで研究されています。
つまり今のスマホは、「アレルギーを診断する機械」にはなっていないけれど、アレルギーを知る・管理する・食品を確認するための道具としては、すでにかなり使われ始めているんです。
しかも、研究されているのは単なる食品表示の読み取りだけではありません。
スマホのカメラとセンサーを組み合わせて、食品中のアレルゲンを検出する。
そんな使い方まで研究されていることを考えると、これからの食物アレルギーとスマホの関係は、なかなか面白そうです。
「アプリでアレルギーが分かる」というところから始まった疑問ですが、調べてみると、スマホはもう「検索する道具」だけではなく、アレルギーとの付き合い方を支える道具へ変わり始めているみたいです。
アプリを使うときに気をつけたいこと
この記事で紹介しているアプリは、食物アレルギーの診断を行うものではありません。食品表示の確認に利用する場合も、最終的には商品のパッケージに記載された原材料表示をご確認ください。
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