「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
スマホで写真を撮るだけで、病気が分かる。
そんな話を聞くと、「アレルギーもスマホで分かるようになったの?」と思いますよね。
アレルギー検査というと、病院で血液を採ったり、皮膚に検査をしたりするイメージがあります。
それがスマホだけでできるなら、かなり便利です。
ところが調べてみると、話は意外と面白いところまで進んでいました。
スマホのカメラを使って、実際のアレルギー反応を判定しようとする研究がすでに行われていたのです。
スマホで「アレルギー反応」を撮影する研究がある
まず見つかったのが、アレルギー性接触皮膚炎を対象にした研究です。
アレルギー性接触皮膚炎は、ニッケルなど特定の物質が皮膚に触れることで、赤みや腫れなどの反応が起こるアレルギーです。
病院では「パッチテスト」という検査を使って調べます。
検査したいアレルゲンを皮膚に貼り、数日後に皮膚がどう反応したかを医師が確認します。
この検査を、スマホのカメラとAIで判定できないかという研究が行われました。
2024年に発表された研究では、206人を対象に10種類のアレルゲンを使ってパッチテストを実施。
5日目に、iPhone 12 Proで検査部分を撮影し、その写真をAIが解析しました。判定の基準になったのは、皮膚科専門医による診断です。
そして結果は、思っていたより高い精度でした。
| スマホ+AIによる判定 | 結果 |
|---|---|
| 対象者 | 206人 |
| 実際にアレルギー反応があった人 | 87人 |
| AIの識別能力(AUROC) | 0.86 |
| 特異度 | 93% |
| 感度 | 58% |
特に特異度は93%と高く、「反応がない場所」を見分ける能力はかなり高かった一方、感度は58%でした。
つまり、アレルギー反応をすべて拾えるところまでは来ていません。
それでも、スマホで撮った写真からAIがアレルギー反応を判定する研究が、実際の患者を対象に行われていることには驚きます。
しかも「スマホだけの実験」ではない
この研究が面白いのは、AIに適当に皮膚写真を見せた実験ではないところです。
実際に患者へパッチテストを行い、その結果を皮膚科医が確認しています。
そのうえで、同じ検査部位をスマホで撮影し、その写真をAIに判定させています。
つまり、
病院でアレルギー検査
↓
スマホで撮影
↓
AIが写真を解析
↓
医師の判定と比較
という形です。
現在のところ、スマホが医師の代わりにアレルギー検査をしているわけではありません。
でも、スマホの写真を使ってアレルギー検査を補助できる可能性は、かなり具体的に研究されています。
目のアレルギーもスマホで調べている
さらに別の研究では、もっと「スマホでアレルギーを調べている」感じの技術が登場します。
対象になったのは、花粉などによるアレルギー性結膜炎です。
研究者が開発した「AllergoEye」というシステムでは、Androidスマートフォンのカメラで目を撮影し、その画像をコンピューターで解析します。
41人を対象に、目にアレルゲンを投与して反応を見る「結膜抗原誘発試験」を行い、人による評価とAIによる画像評価を比較しました。
その結果、AIによる判定は、人による評価を基準にすると**感度98%、特異度90%**でした。
つまり、
「スマホのカメラで目を撮影して、アレルギー反応を数値化する」
というところまで、すでに研究されています。
これはかなり未来っぽいですよね。
日本にも「花粉症レベル」をスマホで測るアプリがある
実は日本でも、すでにスマホを使った花粉症のチェックがあります。
順天堂大学の「アレルサーチ」というアプリでは、スマホのカメラで目の赤みを撮影し、さらに花粉症に関する質問への回答を組み合わせて、「花粉症レベル」を数値化する機能があります。現在もアプリが公開されています。
さらに、順天堂大学とAMEDの研究では、このアプリを使って11,284人の花粉症関連データを集めています。
鼻の症状や目の症状などを分析したところ、花粉症の症状を10のグループに分類できることが分かり、それぞれの特徴を可視化しました。
研究グループは、このような分類によって、個人に合わせた花粉症の予防や治療につながる可能性を示しています。
ここで面白いのは、スマホが単に「病気か病気じゃないか」を判断する道具ではなくなってきていることです。
毎日の症状を集める
↓
スマホで目の状態を見る
↓
症状のパターンを分析する
↓
その人に合った対策につなげる
という使い方も始まっています。
じゃあ、スマホでアレルギー検査ができるってこと?
ここは少し整理しておきましょう。
「スマホでアレルギー診断」という言葉から、スマホを持っているだけで血液検査のようなアレルギー検査ができるイメージを持つかもしれません。
でも、今回見つかった研究はそういうものではありません。
現在研究されているのは、大きく分けるとこんなタイプです。
| スマホの使い方 | できること |
|---|---|
| カメラ+AI | 皮膚のアレルギー反応を画像から判定 |
| カメラ+画像解析 | 目のアレルギー反応を数値化 |
| 症状入力+カメラ | 花粉症の症状を数値化 |
| 症状記録 | アレルギー症状の変化を継続的に記録 |
| 大量のデータ解析 | 症状のタイプや特徴を分類 |
つまり、スマホはすでにアレルギーの「診断を支える道具」として研究されているということです。
「スマホだけで診断」は、まだ別の話
一方で、ここは言葉を分けて考えたほうがよさそうです。
たとえばアレルギー性接触皮膚炎の研究では、AIが写真を判定する前に、患者には実際のパッチテストが行われています。
つまり、スマホがアレルゲンを探し出したわけではありません。
アレルゲンを使った検査そのものは、従来の方法で行われています。
スマホとAIが担当したのは、その検査によって皮膚に現れた反応を写真から判定する部分です。
ここには大きな違いがあります。
「スマホでアレルギー診断ができる」
と、
「病院で行ったアレルギー検査の結果を、スマホのカメラとAIで判定できる可能性がある」
では、意味がかなり違います。
それでも、スマホの可能性はかなり大きい
今回調べてみて面白かったのは、スマホが単なる「便利なアプリの入れ物」ではなくなっていることです。
スマホには高性能なカメラがあり、画像を送ってAIで解析することもできます。
そのため、
「病院でしか見ることができなかった皮膚や目の状態を、スマホで記録して分析する」
という使い方が現実になってきています。
実際、アレルギー診断を支援するスマホアプリについてまとめた2018年のレビューでも、呼吸器、食物、皮膚、薬物アレルギーなどについて、診断や診断の絞り込みを支援するアプリが研究されていることが紹介されています。
スマホが「アレルギー検査」の形を変えるかもしれない
今のところ、スマホを向けるだけで「あなたは卵アレルギーです」「スギ花粉が原因です」と確定できるところまでは来ていません。
でも、今回調べてみると、
皮膚のアレルギー反応をスマホ写真からAIが判定する研究
目のアレルギー反応をスマホで撮影して数値化する研究
スマホで花粉症の症状を測定・記録するアプリ
が、すでに存在していました。
しかも、アレルギー性接触皮膚炎の研究では、実際の患者206人を対象にスマホ写真とAIを使って検証するところまで進んでいます。
「スマホでアレルギー診断なんて、まだまだ先の話でしょ」
と思っていましたが、調べてみると、すでに研究はかなり具体的なところまで来ていました。
これからスマホのカメラやAIの性能がさらに上がれば、アレルギーの「見つけ方」そのものが変わっていく可能性もありそうです。
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