「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「海外に行ったら、花粉症が出なくなった」
そんな話を聞いたことはありませんか?
日本では毎年、春になると鼻水やくしゃみが止まらない。それなのに海外へ行った途端、何ともない。
もし本当なら、花粉症がつらい時期だけ日本から逃げてしまえばいい。
でも、海外に行けば本当に花粉症は治るのでしょうか?
日本を離れると、症状が軽くなることはある
これは十分あり得ます。
日本のスギ・ヒノキ花粉は、主に2~5月に飛散します。スギ花粉は日本の代表的な季節性アレルゲンで、花粉症の症状は「その花粉を浴びているかどうか」に大きく左右されます。
実際、日本の大学生を対象にした研究では、花粉の多い地域から別の地域へ移ったあと、花粉症の症状がある人の割合が40.0%から32.5%に減っていました。
住む場所が変わるだけで、症状が変わる人がいるわけです。
では、海外へ行く場合はどうでしょう。
答えはシンプルで、日本のスギ・ヒノキから離れて、その時期にそれらの花粉が少ない地域へ行けば、症状が軽くなる可能性があります。
ただし、ここで「治った」と考えるのは少し早い。
日本に戻って、またスギ花粉を浴びれば症状が戻ることがあるからです。
じゃあ、花粉症から逃げるならどこ?
ここからが、ちょっと面白いところです。
「海外ならどこでもいい」わけではありません。
海外にも当然、花粉があります。
日本の春にスギ花粉を避けたいなら、南半球の国は候補にしやすい。
たとえばニュージーランド。
ニュージーランドでは、樹木花粉は冬の終わりから春に増え、イネ科の花粉は春から夏にかけて多くなります。つまり、日本のスギ花粉がピークになる2~4月とは花粉の季節がずれます。
オーストラリアも候補になります。
ただし、都市によってかなり違います。
| 行き先 | 日本の春に考えられる花粉事情 |
|---|---|
| ニュージーランド | 日本とは季節が逆。2~4月は南半球の夏~秋 |
| メルボルン | 主なイネ科花粉は10~12月。日本の春とはずれる |
| ホバート | イネ科は春~夏にピーク。メルボルンより時期が遅い |
| ブリスベン | イネ科花粉が夏~秋にも多く、日本の春でも注意が必要 |
| 台湾 | 2~5月は樹木花粉の時期。日本の春の避難先としては慎重に選びたい |
| タイ・バンコク | 年間を通して花粉が観測されるため「花粉がない場所」とは言えない |
オーストラリアでは、メルボルンのイネ科花粉は10~12月が中心。一方、ブリスベンでは夏~秋にもピークがあります。南へ行けば全部同じ、というわけではありません。
台湾ならどう?
日本から近い台湾も気になります。
台湾では2~5月に樹木花粉、6~8月にイネ科、8~10月に雑草花粉が増えるという情報があります。
しかも台湾の研究では、花粉よりもダニなどの通年性アレルゲンのほうが多く、花粉だけを目的に考えると日本とはかなり環境が違います。
だから、「台湾なら日本の花粉症から逃げられる」と一括りにはできません。
日本のスギ・ヒノキからは離れられても、別の花粉に反応する人なら症状が出る可能性があります。
韓国は近いけど、意外な落とし穴
韓国も「日本より花粉が少なそう」と思うかもしれません。
ところが、済州島は注意が必要です。
済州島では日本のスギが多く、857人の大学生を調べた研究では、スギ花粉への感作率が日本に住んでいた期間とともに高くなり、滞在10年以上では19.1%でした。
海外なのに、日本と同じスギ花粉が問題になる場所がある。
これは結構おもしろいですよね。
「海外へ逃げればいい」ではなく、何の花粉から逃げるのかを見ないと意味がありません。
逆に、日本に来た外国人はどうなる?
ここで話が逆になります。
日本人が花粉症から逃げるなら海外。
では、花粉症の少ない国から日本へ来た人は?
実際に調べた研究があります。
2003年に発表された「在日外国人のスギ花粉症実態調査」では、20人の外国人のスギ花粉症患者が調べられました。
興味深いのが、日本に住み始めてから発症するまでの期間がおよそ4年だったこと。
研究では、東京で直近3年間に大量のスギ花粉を浴びたことが発症に関係した可能性があると考察されています。
「日本に来る前は花粉症じゃなかったのに、日本に住んで数年したら花粉症になった」
これは、少なくとも「そんなことある?」という話ではありません。
日本のスギ花粉は、日本人だけに反応するものではない。
その土地で、どんな花粉をどれだけ浴びるか。
そこが大きいわけです。
海外に行けば花粉症は治る?
「治る」というより、日本で症状を起こしている花粉から離れることで、一時的に症状が出なくなると考えたほうが近いでしょう。
そして、日本の春にスギ・ヒノキを避けたいなら、旅行先としては南半球が候補になります。
中でもニュージーランドや、オーストラリア南部のメルボルン・ホバートなどは、日本のスギ・ヒノキのピークとは花粉シーズンがずれています。
一方で、台湾や韓国のように近い海外でも、別の花粉や日本と同じスギ花粉が問題になる場所があります。
「海外なら花粉症が治る」ではなく、
「日本の花粉シーズンを、別の花粉シーズンとぶつからない場所で過ごす」
と考えるほうが現実的です。
もし毎年、日本の春だけ症状がひどいなら、一度「海外へ行くと本当に楽になるのか」を試してみるのは、少なくとも理屈のない話ではありません。
その旅行で症状が驚くほど軽くなったなら、自分の花粉症と「場所」の関係を知るヒントにもなりそうです。
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