子供の手術や輸血の話になると、「血液型が合わない血液は危険」と聞く。でも、うちの子にも関係あるのかな?そもそもなんで危険なの?これもアレルギーなの?
実は、これはアレルギーの仲間の「2型(Ⅱ型)アレルギー」の仕組みで説明できます。この記事では、その仕組みを輸血の例で見ていきます。
血液型が合わない血液が危険なのは、患者さん自身の血液にある抗体が、輸血された赤血球を壊してしまうからです(MSDマニュアルによる)。この「抗体が細胞を壊す仕組み」は、免疫学的には2型アレルギーと同じ「細胞傷害型」と呼ばれる仕組みで説明されます。
結論:血液型が合わない輸血が危険なのは、体の抗体が、輸血された赤血球を壊してしまうからです。免疫学的には、2型アレルギーと同じ「細胞傷害型」の仕組みで説明されます。
輸血の前には、血液型の検査や、患者さんと血液製剤の照合が行われます(厚生労働省「輸血療法の実施に関する指針」)。
抗体が細胞を壊す仕組み

食物アレルギー(多くは1型)は、花粉や食べ物といった「外から入ってきたもの」に、IgE抗体が反応する仕組みでした。くわしくは「1型(Ⅰ型)アレルギー|食物と花粉症は実は同じIgEの仕組み」で紹介しています。
一方、2型アレルギーは、細胞の表面にある抗原に抗体が結びつき、そこに補体やマクロファージなどが関わって、その細胞が壊されてしまう仕組みです(第一薬科大学の講義資料、MSDマニュアルによる)。専門的には「細胞傷害型」とも呼ばれます。
血液型不適合輸血

2型アレルギーの仕組みで説明される代表例が「血液型不適合輸血」です。血液型の合わない血液を輸血すると、患者さんの血液中にある抗体が、輸血された赤血球にくっついて壊してしまいます。これを「溶血」といいます。この溶血反応は、免疫学的には2型アレルギーと同じ「細胞傷害型」の仕組みで説明されます。
血液型が合わない輸血による急性の溶血反応は、頻度の低い合併症ですが、輸血に関連した死亡の最も一般的な原因とされています。呼吸困難、発熱、悪寒、顔の紅潮、特に腰の強い痛みなどが出ることがあり、ショックを起こすこともあります。多くは、輸血前の血液を採るときのラベルの貼り間違いや、輸血の直前に患者さんと血液製剤が合っているかの確認が行われなかったことが原因とされています(MSDマニュアルによる)。
こうしたことを防ぐため、厚生労働省の指針では、血液型の検査(オモテ検査とウラ検査)、輸血前の交差適合試験、輸血のときに患者さんの氏名・血液型・製造番号などを血液バッグと照合し、2人で声に出して読み合わせることなどが定められています。
赤血球が壊されることで貧血が起こる病気

2型の仕組みが関わる病気として、「自己免疫性溶血性貧血(AIHA)」があります。こちらは輸血とは違い、自分の赤血球に対する抗体(自己抗体)ができてしまい、自分の赤血球が壊されて貧血が起こる病気です。
原因は、全身性エリテマトーデスなどの基礎疾患や薬剤などがありますが、はっきりした原因が分からないケースも約半数あります(MSDマニュアルによる)。症状は、軽ければ無症状のこともありますが、疲労感・息切れ・黄疸などが見られることがあります。抗体の種類によって「温式」と「冷式」に分けられ、温式ではIgGという抗体が見つかります。小児や若い人では、急に発症することが多いとされています(厚生労働省の資料、自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイドによる)。
他にも2型が関わるとされる病気

- 重症筋無力症(神経と筋肉の接合部の分子に対する自己抗体が原因で、筋力低下が起こる病気)
- グッドパスチャー症候群
- 新生児溶血性貧血
これらは、食物アレルギーのように、食べ物を避けることで対応する病気ではありません。
子供と2型アレルギーの関わり方
お子さんに関わってくるとすれば、輸血が必要な手術・治療のときです。厚生労働省の指針では、生後4か月以内の赤ちゃんは、お母さん由来の抗体があることや、自分の抗体が十分に作られていないことから、血液型の検査は「オモテ検査」のみで判定してよい、とされています。
つまり、「うちの子と関係ある?」への答えは、輸血が必要な場面で関わってくる仕組み、ということになります。「そういう仕組みもあるのか」と知っておく程度で十分です。
まとめ
2型アレルギーは、細胞にくっついた抗体が、その細胞を壊してしまう仕組みです。
- 細胞の表面の抗原に抗体が結びつき、その細胞が壊される
- 代表例は血液型不適合輸血
- 自己免疫性溶血性貧血など、2型の仕組みが関わる病気もある
- 輸血の前には、血液型の検査と、患者さん・血液製剤の照合が行われる
「アレルギー」という言葉が指す範囲の広さを知る、良いきっかけになると思います。
続けて、「3型(Ⅲ型)アレルギー|血清病って怖い病気?うちの子関係ある?」と「4型(Ⅳ型)アレルギー|ピアスや化粧品でかぶれるのはなぜ?」もご覧いただけると、アレルギー全体像がより分かりやすくなると思います。
「へっちゃら」まっさんより
2型アレルギーについては、読んでみても専門的な内容が多くて、なかなか難しいですよね。
「血液型不適合輸血」なんかは、医療現場での確認や対応が必要なものですし、あとはお医者さんに任せるしかないような病気も多いです。
うちでは経験がありませんが、アレルギーの子を持つ親として、予備知識くらいは知っておいたほうがいいかもしれません。
子どもではなく、もしかしたら自分に当てはまることがあるかもしれませんしね。
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