「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
甘酒はアレルギーに良いの?
「甘酒は発酵食品だから体に良い」
「腸内環境を整えるからアレルギーにも良い」
「甘酒を飲み始めたら肌の調子が良くなった」
甘酒について、こうした話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
アレルギーと腸の関係が注目されるようになったことで、「発酵食品を食べればアレルギーが改善するのでは?」と考える人も増えています。
では、甘酒を飲めばアレルギーは良くなるのでしょうか。
結論からいうと、甘酒がアレルギーを改善する治療法として確立されているわけではありません。
一方で、発酵食品と腸内環境、免疫の関係については研究が進められており、「発酵」という特徴そのものが全く関係ないとも言い切れません。
ただし、ここで注意したいのは、
「発酵食品が体に良い可能性がある」
ことと、
「甘酒を飲めばアレルギーが改善する」
ことは別の話だという点です。
ここが今回のポイント
甘酒は発酵食品ですが、「発酵食品だからアレルギーに効く」とまでは言えません。
発酵食品とアレルギーの関係については研究がありますが、食品の種類や発酵の方法によっても違いがあります。
「甘酒を飲んだらアレルギーが治る」という確立された治療法ではないことと、体調の変化を感じる人がいることは分けて考える必要があります。
そもそも甘酒とは?
甘酒は、米を原料にした日本の伝統的な飲み物です。
ただし、「甘酒」と呼ばれるものは一種類ではありません。
大きく分けると、
・米麹を使った甘酒
・酒粕を使った甘酒
があります。
米麹を使った甘酒は、米と米麹を発酵させて作られます。
一方、酒粕を使った甘酒は、日本酒を作る過程でできる酒粕を利用したものです。
同じ「甘酒」という名前でも、原料や含まれる成分は同じではありません。
そのため、
「甘酒がアレルギーに良いらしい」
という話があったとしても、すべての甘酒を同じものとして考えることはできません。
また、酒粕を使った甘酒にはアルコールを含むものがあります。
特に子どもや、アルコールを避ける必要がある人は、「甘酒なら何でも同じ」と考えず、原材料や商品表示を確認する必要があります。
「発酵食品だからアレルギーに良い」と言われる理由
甘酒がアレルギーに良いと言われる背景には、「発酵食品」と「腸」の関係があります。
人の腸には、多くの腸内細菌が存在しています。
そして腸内環境と免疫の関係についても、さまざまな研究が行われています。
そのため、
「腸内環境を整える」
↓
「免疫の働きにも良い影響があるかもしれない」
↓
「アレルギーにも良いのでは?」
という考え方につながります。
ここまでは、考え方として理解しやすい部分です。
しかし、
「腸と免疫には関係がある」
ということから、
「だから甘酒を飲めばアレルギーが改善する」
と結論を出すには、大きな飛躍があります。
腸内環境に関係する食品は甘酒だけではありません。
また、同じ発酵食品でも、ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ、甘酒など、それぞれ原料も発酵に関わる微生物も異なります。
「発酵食品」という一つの言葉だけで、すべて同じ働きをすると考えることはできません。
発酵食品はアレルギーに関係している?
発酵食品とアレルギーの関係については、研究されています。
近年の研究をまとめたレビューでは、発酵食品によって特定の食品タンパク質の性質が変化し、アレルギーを起こしにくくなる可能性などが検討されています。
一方で、現時点では、発酵食品を食べれば食物アレルギーが改善する、と結論づけるには十分な根拠があるとは言えないとされています。
ここで重要なのは、
「発酵食品には研究されている可能性がある」
ことと、
「甘酒がアレルギーに効くことが証明されている」
ことは違うという点です。
研究されている発酵食品の中には、ヨーグルトやチーズ、発酵大豆食品などもあります。
それぞれの食品は原料も製造方法も違います。
ある発酵食品について見られた結果を、そのまま甘酒に当てはめることはできません。
「発酵食品=アレルギーに効く」ではない
発酵食品にはさまざまな種類があります。
発酵によって食品の成分や性質が変わることはありますが、それだけで「すべての発酵食品がアレルギーを改善する」とは言えません。
甘酒についても、「発酵食品だから」という理由だけでアレルギーへの効果を判断することはできません。
甘酒を飲んで体調が良くなった人はどう考えればいい?
「甘酒を飲み始めたら、肌の調子が良くなった」
「以前より体調が良くなった気がする」
「アレルギー症状が軽くなった」
こうした体験をする人がいても不思議ではありません。
実際に甘酒については、腸内細菌叢や便通、肌の状態などとの関係を調べる研究も行われています。
ただし、
「甘酒を飲み始めた」
その後、
「体調が良くなった」
という順番だけでは、その変化の原因が甘酒だったと断定することはできません。
たとえば、甘酒を飲み始めたことで、
・朝食を取るようになった
・間食が変わった
・生活習慣を見直した
・ほかの食べ物を減らした
・睡眠や生活リズムが変わった
ということもあります。
また、アレルギー症状には良くなったり悪くなったりする時期があります。
甘酒を飲み始めた時期と、症状が自然に軽くなった時期が重なることもあります。
だからといって、「改善した」という体験そのものが嘘ということではありません。
大切なのは、
「症状が良くなった」
という事実と、
「なぜ良くなったのか」
という原因を分けて考えることです。
腸内環境が変わればアレルギーも改善する?
ここが「甘酒とアレルギー」の話で最も混同されやすい部分かもしれません。
腸と免疫には関係があります。
腸内細菌とアレルギーについても研究されています。
そのため、腸内環境を良くすることがアレルギーに何らかの影響を与える可能性を考えること自体は不自然ではありません。
しかし、
「腸内環境が変わった」
=
「アレルギーが治る」
ではありません。
そもそも「腸内環境を整える」という言葉自体、非常に広い意味で使われています。
どの腸内細菌が、どの人に、どのように変化すれば、どのアレルギーが改善するのか。
そこまで単純に分かっているわけではありません。
また、甘酒を飲むことで腸内細菌叢に変化が起こる可能性を調べた研究はありますが、それを「アレルギーの改善」まで直接結びつけることはできません。
つまり、
「腸に良いかもしれない」
と、
「アレルギーに効く」
の間には、まだ別の確認が必要です。
甘酒は食物アレルギーを治す飲み物ではない
「甘酒は発酵食品だから、食物アレルギーにも良いのでは?」
と考える人もいるかもしれません。
しかし、甘酒を飲むことで、食物アレルギーの原因となる食品を食べられるようになるとは限りません。
たとえば、卵アレルギーがある人が甘酒を飲んだからといって、卵を安全に食べられるようになるわけではありません。
同じように、小麦や牛乳など、ほかの食品についても、
「甘酒を続ければ食べられるようになる」
とは言えません。
食物アレルギーでは、症状が出ていないことだけで、原因食品を食べても安全になったと判断することはできません。
「発酵食品を続けているから、そろそろ食べられるかもしれない」と自己判断することにも注意が必要です。
甘酒を飲んでいるからといって、アレルギーの原因食品を試してよいとは限りません
食物アレルギーの状態が変化しているかどうかと、甘酒を飲んでいることは別の問題です。
「甘酒を飲んだから治ったはず」と考えて原因食品を自己判断で試すことには注意が必要です。
甘酒そのものが合わない場合もある
「アレルギーに良いと言われたから」といって、誰にでも甘酒が合うとは限りません。
甘酒にも原料があります。
米麹を使ったものなのか。
酒粕を使ったものなのか。
ほかの原材料が加えられているのか。
商品によっても違います。
食物アレルギーがある場合は、「甘酒」という名前だけで安全かどうかを判断せず、原材料を確認する必要があります。
また、甘酒を飲んだあとに体調の変化があった場合も、「好転反応だから続けよう」と決めつけないことが大切です。
食品が合わないことや、別の原因によって症状が出ている可能性もあります。
特にアレルギー症状が疑われる場合には、無理に飲み続けることが良いとは限りません。
「甘酒でアレルギーが良くなった」という話はどう見る?
甘酒を飲み始めてから症状が良くなった人がいることと、甘酒がアレルギーを治すことが確認されているかは別です。
本人にとって、
「以前より症状が軽くなった」
という変化が実際にあったことは否定する必要はありません。
しかし、その理由については、
甘酒そのものの影響だったのか。
食生活全体が変わったのか。
腸の状態が変わったのか。
季節や環境が変わったのか。
症状が自然に変化したのか。
一つずつ考える必要があります。
これは、「甘酒で改善した」という体験を否定するためではありません。
一人の体験を、そのまま、
「甘酒はアレルギーに効く」
という一般的な結論にしないためです。
「改善した」という体験と、「改善させた原因」は別
甘酒を飲んでから症状が良くなった人がいたとしても、それだけで甘酒がアレルギーを改善したと証明されたわけではありません。
体験としての変化は大切にしながら、その原因については一つに決めつけないことが必要です。
では、甘酒はアレルギーに良いの?
甘酒について、
「アレルギーに良いから積極的に飲むべき」
とまでは言えません。
一方で、
「発酵食品だからアレルギーとはまったく関係がない」
とも言い切れません。
発酵食品と腸内環境、免疫の関係については研究が進められています。
甘酒についても、腸内環境や便通、含まれる成分などを調べる研究があります。
ただし、現時点では、
「甘酒を飲めばアレルギーが改善する」
と一般的に言えるだけの確立された根拠があるわけではありません。
そのため、甘酒を飲むなら、
「アレルギーを治すための飲み物」
として考えるより、
「自分に合う食品の一つ」
として考えるほうが自然です。
まとめ
甘酒は、米麹や酒粕などを原料とした発酵食品です。
発酵食品と腸内環境、免疫の関係については研究されています。
しかし、
「発酵食品だからアレルギーに効く」
「甘酒を飲めばアレルギーが改善する」
とまでは言えません。
発酵食品にはさまざまな種類があり、食品ごとに原料も発酵の方法も違います。
ある発酵食品について研究された結果を、そのまま甘酒に当てはめることもできません。
一方で、甘酒を飲み始めてから体調や症状の変化を感じる人がいること自体を、すべて否定する必要もありません。
ただし、
「症状が良くなった」
ことと、
「甘酒が良くした」
ことは別です。
食生活や生活習慣、季節、環境、症状の自然な変化など、さまざまな要因が関係している可能性があります。
「発酵食品だからアレルギーに良い」と単純に考えるのではなく、甘酒について分かっていることと、まだ分かっていないことを分けて考えることが大切です。
甘酒はアレルギーを治すための特別な飲み物と考えるよりも、自分に合うかどうかを確認しながら、日々の食事の中で楽しむ食品の一つとして考えるのがよいでしょう。
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