「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「運動は健康にいい」
子どもなら体育や部活動。
大人ならジョギングやジム。
そんな運動をしている最中に、アナフィラキシーが起こることがあると聞いたら驚きますよね。
「運動しただけで?」
そう思って調べてみると、運動に関係するアナフィラキシーには、大きく分けて2つのタイプがありました。
運動に関係するアナフィラキシーは2種類
| 種類 | きっかけ | 特徴 |
|---|---|---|
| 運動誘発アナフィラキシー | 運動 | 運動をきっかけに症状が起こる |
| 食物依存性運動誘発アナフィラキシー | 特定の食べ物+運動 | 食べ物だけでも、運動だけでも症状が出ないことがある |
今回のポイント
運動に関係するアナフィラキシーには、
運動そのものがきっかけになるタイプ
と、
食べ物と運動が重なったときに起こるタイプ
の2種類があります。
名前は似ていますが、症状が起こる条件は違います。
まずは、運動そのものがきっかけになるタイプから見ていきます。
① 運動誘発アナフィラキシー
運動しただけでアナフィラキシーが起こる?
起こることがあります。
運動誘発アナフィラキシーでは、運動中や運動後に症状が現れることがあります。
症状は皮膚だけとは限りません。
| 症状が出る場所 | 主な症状 |
|---|---|
| 皮膚 | じんましん・かゆみ・赤み |
| 呼吸 | 息苦しさ・咳・ゼーゼーする |
| お腹 | 腹痛・吐き気 |
| 全身 | めまい・ふらつき |
症状が強くなると、血圧低下や意識を失うなど、重いアナフィラキシーにつながることもあります。
なぜ運動でアレルギー反応が起こるの?
運動すると、
体温が上がる。
血流が変わる。
体の中の状態が変化する。
こうした変化が関係して、アレルギー反応が起こると考えられています。
現在考えられている流れ
運動する
↓
体の中で何らかの変化が起こる
↓
マスト細胞が反応する
↓
ヒスタミンなどが放出される
↓
じんましんなどの症状が起こる
ただし、
「なぜ運動によって最初の反応が始まるのか」
という詳しい仕組みは、まだ完全には解明されていません。
② 食物依存性運動誘発アナフィラキシー
こちらは、さらに不思議です。
なぜなら、
食べ物だけでは大丈夫。
運動だけでも大丈夫。
なのに、
両方が重なると症状が起こることがある
からです。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーの特徴
特定の食べ物を食べる
↓
この時点では症状が出ないことがある
↓
そのあと運動する
↓
アレルギー反応が起こることがある
日本のガイドラインでは、原因食物として小麦や甲殻類、果物などが多いとされています。
また、発症は食後2時間以内の運動で起こることが多く、食後4時間を過ぎてから発症した報告もあります。
例えば、
「パンを食べても大丈夫だった」
「運動しても大丈夫だった」
としても、
パンを食べたあとに運動したときだけ症状が出る
ということがあるのです。
なぜ「食べ物+運動」で起こるの?
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、特定の食べ物を食べたあとに、運動が加わることでアレルギー反応が起こる病態です。
現在は、
運動が食物アレルギーの症状を起こすための「ハードル」を下げる
と考えられています。
イメージすると
食べ物へのアレルギー反応が起こるには、
ある程度の「きっかけ」が必要。
↓
運動が加わることで、そのハードルが下がる
↓
それまで症状が出なかった食べ物でも、
アレルギー反応が起こることがある
ただし、
運動がなぜアレルギー反応を起こしやすくするのか、その詳しい仕組みはまだ完全には分かっていません。
現在も研究が続いています。
体育や部活でも起こる?
子どもがいる家庭では、ここが気になるところだと思います。
学校では、
昼食を食べる
↓
午後に体育がある
↓
放課後は部活動
という流れもありますよね。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、初めて発症する年齢のピークが10〜20歳代とされており、学校生活との関係も無視できません。
もし運動中に症状が起こった場合は、
振り返っておきたいこと
- その日に何を食べたか
- 何時ごろ食べたか
- どんな運動をしたか
- いつ症状が始まったか
こうした情報が、医療機関で原因を調べる際の手がかりになります。
一方で、
自宅で「この食べ物を食べてから運動してみよう」と試すのは危険です。
原因を調べる誘発試験は、必要に応じて医療機関の管理下で行われます。
じゃあ、どう対策すればいい?
ここまで読んで、
「じゃあ、アレルギーがある人は食後すぐに運動したらダメなの?」
と思った人もいるかもしれません。
ただ、
すべての食物アレルギーがある人が、食後に運動してはいけないわけではありません。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーで問題になるのは、基本的にその人の原因となる食べ物と運動の組み合わせです。
原因食物が分かっている場合は?
日本の食物アレルギー診療ガイドラインでは、再発予防として、
運動の2〜4時間前は原因食物を食べない
という生活指導が示されています。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーの基本的な考え方
運動する予定がある
↓
2〜4時間前から原因食物を避ける
↓
運動する
つまり、
「アレルギーがあるから食後は全員1時間休む」
という話ではありません。
原因食物が分かっている人が、その食べ物と運動を重ねないようにする。
これがポイントです。
また、必要以上に原因食物を完全除去したり、運動そのものを過度に制限したりすると、生活の質を下げてしまうこともあります。
実際の対応は、診断を受けた医師と相談して決めることが大切です。
運動中に症状が出たら?
まず大切なのは、
運動を続けないことです。
運動誘発アナフィラキシーでは、初期症状を感じたら運動を中止することが基本になります。
運動中に異変を感じたら
運動を中止する
↓
周囲の人に知らせる
↓
症状に応じて救急対応を行う
重いアナフィラキシーが疑われる場合は、すぐに救急要請が必要です。
すでにアドレナリン自己注射薬を処方されている人は、医師から指導された対応を守ることが大切です。
結局、運動でアレルギー反応は起こる?
起こることがあります。
運動に関係するアナフィラキシーには、
| 種類 | 起こる条件 |
|---|---|
| 運動誘発アナフィラキシー | 運動がきっかけ |
| 食物依存性運動誘発アナフィラキシー | 特定の食べ物と運動が重なる |
という2つのタイプがあります。
そして、特に食物依存性運動誘発アナフィラキシーでは、
原因食物を食べても大丈夫だった。
だけで安心できない場合があります。
そのあとに運動したかどうか。
そこまで含めて、初めて原因が見えてくることがあります。
運動中のじんましんや息苦しさを、すべて「疲れ」や「汗」と決めつけず、もし繰り返す場合は、食事と運動の関係も含めて医療機関で相談する。
これが、今回調べて分かったことです。
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