「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「子どものアレルギーに、できるだけ薬を使いたくない」
「レメディなら体にやさしいのでは?」
「ホメオパシーで子どものアレルギー体質を変えられないの?」
子どものアレルギーについて調べていると、ホメオパシーにたどり着く親御さんもいるかもしれません。
特に、
- ステロイドをできるだけ使いたくない
- 抗アレルギー薬を長く飲ませることに不安がある
- 食物アレルギーを何とかしたい
- 「体質そのものを改善したい」
と考えている場合、レメディという選択肢が魅力的に見えることもあるでしょう。
では、
子どものアレルギーにホメオパシーを使ってもいいのでしょうか?
結論からいうと、
ホメオパシーを利用すること自体を一律に禁止するものではありませんが、子どものアレルギー治療の代わりとして使うことは勧められません。
理由は、
子どものアレルギーを治療する方法として、ホメオパシーの有効性は科学的に確立されていない
からです。
さらに子どもの場合、
「レメディそのものの問題」より、必要な治療が遅れたり、中断されたりすること
が大きな問題になる可能性があります。
今回は、子どものアレルギーとホメオパシーについて整理してみます。
結論|「補助的に考える」と「治療の代わりにする」は大きく違う
まず、一番大切なのはここです。
例えば、
医師の診断を受けている
↓
必要な治療を続けている
↓
そのうえで親がホメオパシーにも興味を持つ
という場合と、
医師の治療をやめる
↓
薬を中止する
↓
食物アレルギーの管理も自己判断する
↓
ホメオパシーだけで治そうとする
という場合では、まったく意味が違います。
厚生労働省eJIMは、ホメオパシーについて、特定の健康状態に有効な治療法であることを裏付ける科学的根拠はほとんどないと説明しています。また、従来の治療の代わりとして利用したり、医療機関の受診を遅らせたりしないよう注意を促しています。
つまり、
「使うか、使わないか」だけの問題ではなく、何の代わりに使うのかが重要
です。
なぜ子どものアレルギーで注意が必要なの?
大人でも同じですが、子どもの場合は特に、
アレルギーの種類によっては、症状が急変する可能性がある
からです。
例えば、
- 食物アレルギー
- 喘息
- アナフィラキシー
- 重度のアトピー性皮膚炎
などでは、適切な診断や治療が重要になります。
NCCIHも、子どもに補完・代替療法を利用する場合には、まず適切な診断を受けること、科学的に有効性や安全性が確認されていない方法によって通常の治療を置き換えたり遅らせたりしないことを勧めています。
つまり、
「自然なものだから安全」
という理由だけで判断することはできません。
「高度に薄めているから安全」も一律には言えない
ホメオパシーのレメディについて、
「ほとんど何も入っていないくらい薄めているから安全」
と思われることがあります。
確かに、高度に希釈されたレメディの中には、元の物質の分子がほとんど残っていないと考えられるものがあります。
しかし、
すべてのホメオパシー製品が同じではありません。
厚生労働省eJIMやNCCIHは、ホメオパシーとして販売されている製品の中には、測定可能な量の活性成分を含むものがあり、副作用や薬物相互作用につながる可能性があると説明しています。
また、液体タイプにはアルコールを含むものもあります。
そのため、
「レメディだから子どもに安全」
とは、商品名だけでは判断できません。
何が入っているのか、どの程度希釈されているのかを確認する必要があります。
食物アレルギーにレメディを使うのは?
これは特に慎重に考える必要があります。
例えば、
「卵アレルギーに効くレメディ」
「牛乳アレルギーの体質を変えるレメディ」
といった説明を見たとしても、
レメディを使えば食物アレルギーが治ることは、現在確立された治療法とはいえません。
そして最も注意したいのは、
レメディを使っているから、少しずつ食べてみよう
と自己判断してしまうことです。
食物アレルギーでは、原因食品を食べたことで強いアレルギー反応やアナフィラキシーが起こる可能性があります。
そのため、
「レメディを飲んでいるから大丈夫」
という判断で、自己流に原因食品を試すことは避けるべきです。
食べられるかどうかを確認する必要がある場合には、医師と相談して判断することが重要です。
喘息や呼吸症状では、特に「代わりにしない」ことが重要
喘息や強い呼吸症状の場合、
「できるだけ薬を使いたくないから、まずホメオパシーを試そう」
と考えることもあるかもしれません。
しかし、喘息は症状が急に悪化することがあります。
NCCIHは、FDAが市販のホメオパシー喘息製品に依存しないよう注意を促していることを紹介しています。これらの製品について、安全性や有効性が確認されたものとして評価されているわけではありません。
そのため、
吸入薬など、医師から指示されている治療をホメオパシーに置き換える
ことは避ける必要があります。
「薬を減らしたい」という場合でも、
自分でやめる
のではなく、
症状が安定しているかを医師と確認しながら調整する
ことが大切です。
アトピー性皮膚炎ならどう?
アトピー性皮膚炎の場合、
「薬よりも体質改善をしたい」
と考える人も少なくありません。
実際、
- 食事
- 睡眠
- ストレス
- 室内環境
- スキンケア
など、生活全体を見直すことは大切です。
ただし、
ホメオパシーがアトピー性皮膚炎の治療として確立されているわけではありません。
そのため、
保湿をやめる
医師から処方された薬を中止する
レメディだけに切り替える
という使い方には注意が必要です。
特に子どもの皮膚炎では、かゆみが強くなることで、
- 睡眠不足
- 掻き壊し
- 皮膚の悪化
- 二次感染
などにつながることもあります。
「自然な方法を試したい」という気持ちと、
必要な治療を受けない
ことは別に考えたほうがよさそうです。
子どもに「効いた」と感じる場合もある
ここは、これまでの記事でも考えてきた部分です。
実際に、
「子どもにレメディを使ったら症状が良くなった」
と感じる家庭があること自体は否定できません。
しかし、
症状が良くなったことと、レメディがアレルギーを治療したことは同じではありません。
子どものアレルギーは、
- 成長
- 季節の変化
- 環境の変化
- 食生活の変化
- 自然な経過
などによって変化します。
特に食物アレルギーでは、成長とともに食べられるようになる子どももいます。
すると、
レメディを始めた
↓
数か月後、症状が良くなった
という出来事があっても、
改善した理由をレメディだけと断定することは難しい
のです。
子どもだからこそ「親の期待」も影響する?
これは少し難しいテーマですが、子どもの場合、
親の期待や安心感
も症状の受け止め方に影響する可能性があります。
例えば、
「このレメディを始めたから大丈夫」
と親が安心すると、
- 子どもの様子を以前ほど心配しなくなる
- 症状への注意の向け方が変わる
- 生活リズムが整う
- 子ども自身も安心する
といった変化が起こることがあります。
これは、
「親が騙されている」
という意味ではありません。
人の症状や生活は、
薬やレメディだけで変化するわけではない
ということです。
特にホメオパシーでは、レメディだけではなく、相談やカウンセリングを含めた体験全体が関わる場合もあります。
そのため、
何が改善につながったのかを一つに決めることは難しい
のです。
使うなら、医師に隠さないほうがいい
もし子どもにホメオパシーを使っている、または使おうと考えているなら、
医師に隠さず伝える
ことも大切です。
厚生労働省eJIMは、補完・代替療法を利用する場合、現在かかっている医療機関に相談するよう案内しています。ホメオパシー製品の中には活性成分を含むものもあり、副作用や薬物相互作用の可能性があるためです。
例えば、
「ホメオパシーを使っています」
と言うと怒られるのではないか、と心配する人もいるかもしれません。
しかし医師にとっては、
子どもが何を使っているかを知ること
が安全管理につながります。
特に、
- 液体タイプ
- 複数の製品を併用している
- 原料がよく分からない
- 海外から個人輸入した
といった場合には、製品名や成分表示を伝えたほうがよいでしょう。
親が確認しておきたい3つのこと
子どものアレルギーでホメオパシーを考える場合は、少なくとも次の3つを確認したいところです。
① そのレメディは「何を目的」に使うのか?
「アレルギー体質を変える」といった言葉だけでは、具体的に何を改善したいのか分かりません。
例えば、
- 湿疹のかゆみ
- 鼻水
- 咳
- 睡眠
- 食物アレルギー
では、必要な対応も違います。
まず、
何の症状に対して使おうとしているのか
を明確にすることが大切です。
② 標準的な治療を中止していないか?
最も重要なのがここです。
「レメディを始めたから薬をやめる」
という使い方になっていないかを確認します。
厚生労働省eJIMは、ホメオパシーを従来の治療の代わりに利用したり、受診を先延ばしにしたりしないよう注意を促しています。
ホメオパシーを試すかどうかとは別に、
命や重症化に関わる治療を止めない
ことが重要です。
③ 何が入っている製品なのか?
「レメディ」と書いてあっても、すべてが同じではありません。
確認したいのは、
- 製品名
- 原料
- 希釈度
- 液体か砂糖玉か
- アルコールなどの添加物
です。
特に子どもに使用する場合、
「ホメオパシーだから安全」ではなく、実際の商品を見る
ことが必要です。
NCCIHも、子どもを含む補完療法について、効果だけでなく安全性を確認し、医療者に相談することを勧めています。
まとめ|子どもへのホメオパシーは「治療の代わり」にしないことが重要
「子どものアレルギーにホメオパシーを使ってもいい?」という疑問については、
利用すること自体を単純に禁止するというより、必要なアレルギー治療の代わりにしないことが重要
というのが現実的な答えになりそうです。
現在、
ホメオパシーが子どものアレルギーを治療できることを裏付ける十分な科学的根拠は確立されていません。
また、
「高度に薄めているから絶対に安全」
とも一律には言えません。
ホメオパシー製品の中には、測定可能な量の活性成分を含むものもあり、副作用や薬物相互作用が問題になる可能性があります。
だからこそ、子どもの場合は特に、
レメディを使うかどうか
だけではなく、
そのために、何か必要な治療をやめていないか?
を考えることが大切です。
「薬を使いたくない」
「できるだけ自然な方法を選びたい」
という親の気持ちは、決して珍しいものではありません。
ただ、
自然なものを選びたいこと
と、
子どもに必要な医療を受けさせないこと
は別です。
もしホメオパシーを検討するなら、製品名や使い方を主治医に伝えたうえで、
標準的な治療を置き換えない
という線を守ることが、子どもの安全を考えるうえでは大切になりそうです。
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