「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「ホメオパシーのレメディって、結局何が入っているの?」
「砂糖玉みたいだけど、薬の成分はあるの?」
「薄めすぎているから、実際には何も入っていないって本当?」
ホメオパシーについて調べると、よく出てくるのが、
レメディには有効成分が入っているのか?
という疑問です。
一方では、
「植物や鉱物などから作られた成分が入っている」
と言われます。
しかし一方で、
「あまりにも薄められているため、元の物質はほとんど残っていない」
とも言われます。
どちらが本当なのでしょうか。
結論からいうと、
レメディによって違います。
ホメオパシーのレメディには、元となる物質を段階的に希釈して作るものがあります。
希釈の程度が比較的低ければ、元の物質が測定できる量で残っている可能性があります。
しかし、
高い希釈度まで薄められたレメディでは、科学的に考えると元の物質の分子がほとんど、あるいはまったく残っていないと考えられるものがあります。
厚生労働省のeJIMでも、ホメオパシー製品の多くは、元の物質の分子が残らないほど希釈されていると説明されています。
では、そもそもレメディはどのように作られ、なぜ「成分が入っていない」と言われるのでしょうか。
そもそもレメディには何が使われている?
ホメオパシーでは、レメディの原料としてさまざまな物質が使われます。
例えば、
- 植物
- 鉱物
- 動物由来の物質
- 化学物質
などです。
FDAも、ホメオパシー製品には植物、鉱物、動物由来の物質や化学物質など、さまざまな原料が表示されることがあると説明しています。中には、ストリキニーネの原料になる植物や、水銀、鉛などが原料として挙げられるものもあります。
ここだけを見ると、
「じゃあ、ちゃんと薬の成分が入っているのでは?」
と思うかもしれません。
ポイントになるのは、
その原料を、その後どれだけ薄めるのか
です。
レメディは「薄める」ことで作られる
ホメオパシーには、
薄めれば薄めるほど作用が強くなる
という独特の考え方があります。
FDAはホメオパシーの基本原理の一つとして、物質をより希釈するほど強力になるとする「微小量の法則」を説明しています。
レメディでは、原料となる物質を水やアルコールなどで薄め、その後に振とうする工程を繰り返す方法が使われます。
このため、
元の物質
↓
薄める
↓
振とうする
↓
さらに薄める
↓
さらに振とうする
という工程を何度も繰り返すものがあります。
そして、
どこまで薄めたか
を示すために、レメディには「6C」「30C」「200C」などの表記が使われます。
「30C」になると、どれくらい薄い?
ホメオパシーの希釈でよく見かける「C」は、100倍ずつ薄める方法を表します。
例えば単純に考えると、
- 1C:100倍に希釈
- 2C:さらに100倍
- 3C:さらに100倍
となります。
30Cの場合は、
100倍に薄める工程を30回繰り返したもの
ということになります。
数学的には、
100の30乗分の1
という非常に大きな希釈です。
つまり、
10の60乗分の1
という濃度になります。
これは、日常生活ではほとんど想像できないほどの薄さです。
ここで「アボガドロ数」が関係してくる
レメディに元の物質が残っているのかを考えるとき、
アボガドロ数
という考え方が重要になります。
アボガドロ数とは、ある量の物質の中に含まれる分子や原子の数を表す化学の基本的な概念です。
非常に大まかに言えば、
物質をどんどん薄めていくと、どこかで「元の物質の分子が残っている確率が極めて低い」レベルになる
ということです。
そのため、高度に希釈されたホメオパシー製剤については、
元の物質の分子が残っていない
と考えられるものがあります。
NCCIHも、多くのホメオパシー製品は非常に高度に希釈され、元の物質の分子が残らないものがあると説明しています。
では、「レメディには何も入っていない」の?
ここは少し丁寧に分けて考える必要があります。
「レメディには何も入っていない」という表現は、必ずしも正確ではありません。
例えば、砂糖玉タイプのレメディなら、
砂糖玉そのものは存在します。
液体タイプなら、
水やアルコールなどの液体があります。
また、レメディによっては、
元の物質が測定できる量で残っているもの
もあります。
つまり、
すべてのレメディに原料の分子が一切存在しない
というわけではありません。
正確には、
希釈の程度によって、元の物質が測定できる量で残っているレメディもあれば、極めて高い希釈によって元の物質の分子が残っているとは考えにくいレメディもある
ということになります。
NCCIHも、多くの製品は高度に希釈されている一方、ホメオパシーとして販売される製品の中には、相当量の活性成分を含むものもあると注意を促しています。
「有効成分」と「原料」は同じではない
ここで、もう一つ混同しやすいポイントがあります。
レメディに、
「○○から作られている」
と書かれていても、
その○○が薬として作用する量で入っている
とは限りません。
例えば一般的な医薬品では、
有効成分
↓
一定量を摂取
↓
体内で薬理作用が起こる
という考え方があります。
一方、高度に希釈されたホメオパシーのレメディでは、
一般的な薬理作用を説明できるほどの量の原料成分が残っていない可能性がある
ことが問題になります。
NCCIHも、元の物質が測定できなくなるほど希釈された製剤について、科学的な厳密な検証が難しくなると説明しています。
つまり、
原料の名前がある
ことと、
一般的な意味での「有効成分」が薬理学的に存在する
ことは、同じではありません。
ホメオパシーでは「物質が残っていなくても作用する」と考える
ここが、ホメオパシーと一般的な薬の大きな違いです。
一般的な薬では、
有効成分が体内に入り、その物質の作用によって効果が起こる
と考えます。
しかしホメオパシーでは、
物質を繰り返し希釈し、振とうすることで、その物質の性質や情報が水などに残る
という考え方が語られることがあります。
つまり、
分子そのものが残っているから効くのではない
という考え方です。
ただし、このような仕組みについては、
現在の化学や物理学の知識では、確立された説明がありません。
NCCIHは、ホメオパシーの基本的な考え方には、現在理解されている科学の基本概念と一致しない部分があると説明しています。
「水の記憶」は証明されている?
高度に希釈されたレメディについて、
「水が元の物質の情報を記憶している」
という説明を聞くことがあります。
これは、
水の記憶
と呼ばれることもあります。
もし、元の物質の分子がほとんど残っていないのに特定の作用が起こるとすれば、
何らかの別の仕組みが存在する
必要があります。
これまで、その仕組みを説明しようとする研究も行われています。
高度に希釈されたホメオパシー製剤の物理的・化学的な特徴を調べる研究もありますが、
現在のところ、特定の作用を一貫して説明できる仕組みは確立されていません。
NCCIHも、こうした製剤の物理的特徴を調べる研究が進められている一方で、現時点でホメオパシーの作用を確立した形で説明できるわけではないとしています。
では、成分が入っていないのに「効いた」と感じる人がいるのはなぜ?
これは、以前の記事、
ホメオパシーが「効く」って本当?症状が良くなる理由の考察
ともつながる話です。
レメディを使ったあとに、
「症状が良くなった」
と感じる人がいること自体は否定できません。
しかし、
症状が良くなった=レメディの原料成分が薬として作用した
とは限りません。
例えば、
- 症状には自然な波がある
- 時間の経過で改善した
- 同時に生活習慣が変わった
- ほかの治療も行っていた
- 安心感によって症状の感じ方が変わった
- レメディを選ぶ際のカウンセリング自体が影響した
など、複数の要因が考えられます。
特にアレルギー症状は、
良くなる時期
悪くなる時期
を繰り返すことがあります。
そのため、
レメディを始めた
↓
その後に症状が改善した
という出来事だけでは、
レメディの有効成分が症状を改善した
とは判断できません。
低い希釈度のレメディには注意が必要な場合もある
「レメディは何も入っていないから安全」
と思われることがあります。
しかし、これも一概には言えません。
前述したように、
すべてのレメディが極端に希釈されているわけではない
ためです。
FDAは、ホメオパシー製品として販売されているものの中には、測定可能な量の活性成分を含む製品があり、副作用などにつながる可能性があると注意しています。
原料によっては、
- 毒性のある植物
- 重金属
- 化学物質
などが使われることもあります。
高度に希釈されていれば、元の物質がほとんど残っていない可能性があります。
しかし、
「ホメオパシーだから絶対に成分が入っていない」
と決めつけることもできません。
液体タイプではアルコールを含むものもあります。
製品ごとに、
何が原料として表示されているか
どの程度希釈されているか
を見る必要があります。
「レメディは薬と同じなの?」という疑問
ここまで見ると、
「じゃあレメディは薬なの?薬じゃないの?」
という疑問も出てきます。
一般的な医薬品では、
有効成分
↓
用量
↓
薬理作用
という形で、成分と作用の関係を確認していきます。
一方、ホメオパシーのレメディは、
高度に希釈するほど作用が強くなる
という独自の考え方に基づいています。
そのため、
一般的な薬と同じ意味で「有効成分が入っている」と考えるのは難しい
ものがあります。
特に高い希釈度のレメディでは、
一般的な薬理学でいう有効成分を検出できるとは限らない
からです。
まとめ|「入っているレメディ」と「ほとんど残っていないレメディ」がある
「レメディに有効成分は入っている?」という疑問への答えは、
一律に「入っている」「入っていない」とは言えません。
レメディには原料となる物質があります。
そして希釈度が低い製品では、その物質が測定できる量で残っている可能性があります。
一方で、高度に希釈されたレメディでは、
元の物質の分子が残っていない、または残っている可能性が極めて低い
と考えられるものがあります。
だからこそ、
「原料がある」=「薬として作用する有効成分が入っている」
とは限りません。
また、
「レメディだから何も入っていないので絶対に安全」
とも言い切れません。
ホメオパシー製品の中には、測定可能な量の活性成分を含むものがあり、副作用や相互作用が問題になる可能性も指摘されています。
レメディについて考えるときは、
何が原料なのか?
だけではなく、
どの程度まで希釈されているのか?
を見ることが重要です。
そして、高度に希釈されたレメディについては、
「成分が残っていないのに、なぜ作用するのか?」
という点こそが、ホメオパシーをめぐる最も大きな科学的な疑問の一つなのかもしれません。
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