「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
楽しみにしていた温泉。
ゆっくり湯船につかって、体もポカポカ。気持ちよく温泉から上がったのに、しばらくすると体がかゆくなってきた。
「なんか、かゆいな……」
そう思って体を見ると、蕁麻疹のような膨らみが出ている。
「えっ、温泉でアレルギー?」
普段のお風呂では、こんなことはない。
となると気になるのは、やっぱり温泉のお湯です。
温泉には、普通のお風呂とは違ってさまざまな成分が含まれています。
硫黄? 塩? 鉄?
いったい、何に反応したのでしょうか?
温泉の成分の中に、アレルギー反応を起こしやすいものはあるのでしょうか?
まずは、温泉に何が入っているのかから調べてみました。
温泉にはどんな成分が入っている?
一口に温泉といっても、全部が同じお湯ではありません。
日本の温泉にはさまざまな泉質があります。環境省が行った温泉利用施設の調査では、主な泉質として単純温泉、塩化物泉、硫酸塩泉、炭酸水素塩泉、硫黄泉などが挙げられています。
代表的なものを見てみると、こんな感じです。
| 主な泉質 | 含まれる成分など |
|---|---|
| 単純温泉 | 成分の量が比較的少ない温泉 |
| 塩化物泉 | ナトリウムなどの塩化物を含む |
| 炭酸水素塩泉 | 炭酸水素イオンなどを含む |
| 硫酸塩泉 | 硫酸イオンなどを含む |
| 硫黄泉 | 硫黄や硫化水素などを含む |
| 酸性泉 | 酸性が強い温泉 |
| 含鉄泉 | 鉄を多く含む温泉 |
| 含よう素泉 | よう素を含む温泉 |
| 二酸化炭素泉 | 二酸化炭素を多く含む温泉 |
こうして見ると、
「そりゃ何かに反応してもおかしくないのでは?」
と思いますよね。
特に気になるのは、硫黄や鉄、ヨウ素など、普段のお風呂にはあまりない成分です。
そこで次に、
「これらの中に、蕁麻疹を起こす代表的なアレルゲンはあるのか?」
を調べてみました。
今回の一番気になるところ
温泉には、硫黄、塩化物、炭酸水素塩、硫酸塩、鉄、ヨウ素など、さまざまな成分があります。
この中に「温泉で蕁麻疹が出たときに、まず疑われる代表的なアレルゲン」はあるのでしょうか?
調べてみた結果。代表的な「温泉アレルゲン」は見つからない
ここが、今回の記事で一番意外だったところです。
温泉の代表的な成分について調べてみましたが、
「硫黄泉に入って蕁麻疹が出たら、まず硫黄アレルギーを疑う」
あるいは、
「塩化物泉に入って蕁麻疹が出たら、塩化物アレルギーを疑う」
というような、温泉入浴後の蕁麻疹における代表的なアレルゲンは確認できませんでした。
日本皮膚科学会では、アレルギー性蕁麻疹について、食べ物や薬剤、昆虫などに含まれる特定物質に反応して起こるものと説明しています。一方、蕁麻疹には温熱や寒冷などの物理的刺激によって起こるタイプや、入浴や発汗をきっかけに現れるタイプもあります。
つまり、
温泉に硫黄が入っている
↓
硫黄にアレルギー反応した
↓
だから蕁麻疹が出た
という単純な話ではなさそうです。
少なくとも、温泉でよく見られる成分そのものが、温泉入浴後の蕁麻疹の「代表的なアレルゲン」として扱われているわけではありません。
これは、温泉に入ったあと蕁麻疹が出た人にとって、かなり重要なポイントではないでしょうか。
じゃあ、硫黄や酸性のお湯は関係ない?
ここは少し注意が必要です。
「代表的なアレルゲンではない」=「皮膚に何の影響もない」ではありません。
日本温泉協会は、肌の弱い人の場合、刺激の強い泉質として酸性泉や硫黄泉などでは、温泉成分を温水で洗い流した方がよい場合があると案内しています。
また、北海道の温泉入浴に関する注意事項でも、酸性泉について「皮膚又は粘膜の過敏な人」、硫黄泉についても酸性泉と同様の人が泉質別の禁忌の対象として示されています。
つまり、
アレルギーとは別に、温泉の性質が皮膚への刺激になる可能性はある
ということです。
| 温泉の成分・泉質 | 代表的なアレルゲン? | 皮膚への刺激との関係 |
|---|---|---|
| 硫黄泉 | 代表的な温泉アレルゲンとは確認できない | 肌の弱い人では刺激に注意が必要な場合がある |
| 酸性泉 | 代表的な温泉アレルゲンとは確認できない | 皮膚や粘膜が過敏な人では注意が必要 |
| 塩化物泉 | 代表的な温泉アレルゲンとは確認できない | 皮膚の状態などによって刺激を感じる可能性 |
| 炭酸水素塩泉 | 代表的な温泉アレルゲンとは確認できない | 「アレルギー」とは別に考える必要がある |
| 硫酸塩泉 | 代表的な温泉アレルゲンとは確認できない | 同上 |
| 含鉄泉・含よう素泉 | 温泉後の蕁麻疹の代表的アレルゲンとは確認できない | 症状との関係は個別に判断が必要 |
ここは「アレルギー」と「刺激」を分けて考える必要があります。
アレルギー反応と刺激は同じではありません
アレルギー反応
特定の物質に対して、免疫の仕組みが関係して起こる反応。刺激による症状
成分の性質や皮膚の状態などによって起こる反応で、必ずしもアレルギーではありません。温泉後に皮膚症状が出たからといって、すぐに「温泉成分アレルギー」と決めることはできません。
温泉の成分ではないなら、何が蕁麻疹のきっかけ?
ここからが次の疑問です。
温泉によく含まれる成分に、
「これが温泉後の蕁麻疹の代表的アレルゲンです」
というものが見つからない。
では、温泉に入ったあとに出た蕁麻疹は、いったい何がきっかけなのでしょうか?
ここで考えられるのが、
お湯の温度。
そして、
体温の上昇や発汗です。
日本皮膚科学会では、温熱などの物理的刺激によって起こる蕁麻疹があること、さらに入浴や運動などで体が温まったときや汗をかいたときに現れるコリン性蕁麻疹があることを説明しています。
つまり、
「温泉の何かに反応した」
のではなく、
「温泉で体が温まったことがきっかけだった」
可能性もあるわけです。
温泉で体が温まると蕁麻疹が出ることがある?
例えば、
温泉でしっかり体を温めた。
↓
汗をかいた。
↓
しばらくすると小さな蕁麻疹が出た。
こうした場合、温泉成分ではなく、入浴による体温上昇や発汗との関係も考える必要があります。
日本皮膚科学会によると、コリン性蕁麻疹は、入浴や運動などで体が温まったとき、あるいは汗が出るときに現れる蕁麻疹です。膨らみは1〜4mm程度と比較的小さいことが特徴の一つとされています。
もちろん、
「温泉のあとに蕁麻疹=コリン性蕁麻疹」
というわけではありません。
ただ、
- 熱いお風呂でも症状が出る
- 運動後にも出る
- 汗をかいたときに出る
という場合は、温泉の成分だけではなく、体が温まることとの関係も気になります。
| こんなとき | 原因を考えるヒント |
|---|---|
| 特定の温泉でだけ症状が出る | 泉質やその日の条件なども確認 |
| 家の熱い風呂でも出る | 温熱との関係も考える |
| 運動後にも出る | 体温上昇との関係が気になる |
| 汗をかくと出る | 発汗との関係も考える |
| さまざまな温泉で同じように出る | 特定の温泉成分以外の可能性も考える |
温泉で使った「別のもの」が原因かもしれない
温泉に行くと、普段と違うものを使うこともあります。
旅館やホテルに置いてある、
- ボディソープ
- シャンプー
- コンディショナー
- 洗顔料
などです。
また、温泉旅行なら普段とは違う食事をすることもあります。
そのため、
「温泉から上がったあとに蕁麻疹が出た」
というだけでは、原因を温泉に限定できません。
日本皮膚科学会でも、蕁麻疹にはアレルギー性のものだけではなく、物理的刺激や発汗などさまざまな原因・誘因があることが示されています。
温泉のあとに蕁麻疹が出たとき、何を思い出せばいい?
原因を考えるヒントとして、次のようなことを振り返ってみるのも一つです。
| 確認したいこと | ヒントになること |
|---|---|
| どの温泉だった? | 特定の温泉だけか |
| 泉質は? | 酸性・硫黄泉など刺激の強さも確認 |
| お湯は熱かった? | 温熱刺激との関係 |
| 長く入っていた? | 体温上昇や発汗 |
| 汗をかいていた? | コリン性蕁麻疹などとの関係 |
| 普段と違う製品を使った? | 接触したものとの関係 |
| 入浴前に何を食べた? | 食物などとの関係 |
| 家のお風呂でも出る? | 温泉成分以外の可能性 |
ただし、
この表だけで原因を判断することはできません。
あくまで、
「温泉の何にアレルギー反応した?」
と考えたときに、温泉成分だけを見るのではなく、ほかの可能性も整理するためのヒントです。
そもそも、蕁麻疹ではない可能性もある
温泉のあとに体がかゆくなったからといって、必ず蕁麻疹とは限りません。
日本皮膚科学会では、入浴後に出た症状が何日も続く場合、蕁麻疹以外にあせもや湿疹なども考える必要があるとしています。
つまり、
「温泉後にかゆい」
というだけでは、
蕁麻疹なのか。
皮膚への刺激なのか。
湿疹なのか。
アレルギーなのか。
判断することはできません。
こんな症状がある場合は注意
蕁麻疹だけではなく、
- 唇やまぶたが腫れる
- 喉に違和感がある
- 声が出しにくい
- 息が苦しい
- 強い気分不良がある
- ぐったりしている
などの症状がある場合は注意が必要です。
特に、呼吸が苦しい、喉が腫れるなどの症状がある場合は、自己判断で様子を見るのではなく、速やかな医療対応が必要です。
結局、温泉で何にアレルギー反応したの?
今回、温泉によく含まれる成分から調べてみました。
| 疑問 | 調べた結果 |
|---|---|
| 温泉には何が入っている? | 硫黄、塩化物、炭酸水素塩、硫酸塩、鉄、ヨウ素など、さまざまな成分がある |
| 代表的な温泉アレルゲンはある? | 温泉後の蕁麻疹で一般的に代表的アレルゲンとされる成分は確認できない |
| 硫黄はアレルゲン? | 温泉後の蕁麻疹の代表的アレルゲンとは確認できない |
| 酸性泉や硫黄泉は関係ない? | アレルギーとは別に、皮膚への刺激に注意が必要な場合がある |
| 温泉成分以外に何がある? | 温熱、体温上昇、発汗、使用した製品、食べ物なども考えられる |
結論
温泉に入ったあと蕁麻疹が出ても、温泉に含まれる硫黄や塩化物などに対して、すぐに「アレルギー反応した」と決めることはできません。
今回調べた限り、温泉でよく見られる代表的な成分の中に、温泉入浴後の蕁麻疹の代表的アレルゲンといえるものは確認できませんでした。
一方で、酸性泉や硫黄泉などは、肌の弱い人では刺激に注意が必要な場合があります。また、温熱、体温上昇、発汗など、温泉に入ることで起こる変化が蕁麻疹のきっかけになる可能性もあります。
温泉で蕁麻疹が出ると、
「この温泉の何に反応したんだろう?」
と思います。
今回調べてみて分かったのは、温泉には確かにさまざまな成分が含まれているものの、「この成分が温泉後の蕁麻疹の代表的アレルゲン」という単純な答えは見つからないということでした。
だからこそ、
温泉の成分だけを見るのではなく、泉質による刺激、入浴時の温度、体温上昇、発汗、そのほかに使ったものまで含めて考える必要がある。
これが、
「温泉入浴後に蕁麻疹発症!?いったい何にアレルギー反応?」
を調べてみた、今回の結論です。
同じような症状を繰り返す場合は、自己判断で同じ条件を何度も試さず、症状が出たときの状況を記録して医療機関に相談してください。
コラム・レビューの新着
よく読まれている記事



コメント