「どうして自分だけ食べられないの?」
こんな場面、心当たりはありませんか。
お誕生日会で、お友達がケーキを頬張っている隣で、うちの子だけ持参したゼリーを食べている。ふと「なんで自分だけ食べられないの?」とつぶやいた、あの瞬間。何と答えたらいいか分からず、言葉に詰まってしまった——。
正解のある問いではありません。でも、子供が前向きになれる伝え方のヒントはあります。ここでは、そのままヒントになるフレーズを集めました。
基本の考え方
- 「ダメ」「危ない」だけで終わらせず、前向きな見通しを添える
- 悪いこと・恥ずかしいことではない、と伝える
- 年齢に合わせて、少しずつ「自分で気をつける力」を育てる
我が家の言い聞かせ
前向きな見通しを伝える
- 「今はお休み中だけど、大きくなって体が強くなったら食べられるようになるよ。楽しみにしておこうね」
- 「体が『もう少し待ってね』って言ってるんだって」
- 「大きくなったら、お母さんと一緒に食べようね」
- 「〇〇(好きなキャラクターなど)も、小さいころは苦手なものがあったんだって。〇〇ちゃんも、今は体を強くしている途中なんだよ」
- 「みんな『お勉強』とか『虫とり』とか『お水に顔をつけること』とか、得意なものと苦手なものがあるんだよ。〇〇ちゃんは今『〇〇』が苦手なだけ。大きくなったら、お勉強や虫とりみたいに、少しずつできるようになっていくからね」
うちの家庭でも、「今は食べたらカユイカユイなったりケホってなっちゃうけど、大きくなったら食べられるようになるから、楽しみにしておこうね」と伝えています。実際、多くの子が成長とともに食べられるようになっていきます。詳しくは「年齢による経過の変化」(※リンクは該当記事公開後に設定)もあわせてご覧ください。
安心させる
- 「食べられないものがあっても、あなたはなんにも悪くないよ」
- 「心配しなくても、お父さんとお母さんが守ってあげるからね」
- 「代わりに、あなたが食べられるおいしいものをいっぱい見つけようね」
- 「〇〇ちゃんの体は、ちょっとだけ敏感で頑張り屋さんなんだよ」
- 「みんなと違うところがあっても、それはあなたの個性の一つだよ」
自分で気をつける力を育てる
- 「これは食べられるかな?わからないときは、大人に聞こうね」
- 「『これ食べられません』って自分で言えたら、かっこいいね」
- 「困ったときは、いつでもママ・パパに教えてね。一緒に考えるから大丈夫だよ」
特別感を演出する
「我慢させている」という空気を減らすには、代わりのものを「特別なもの」として演出するのも効果的です。
- 持参したおやつを「〇〇ちゃん限定メニュー」「特別なおやつ」として渡す
- 一緒に代替おやつを選ぶ・作る時間をつくり、「自分で選んだ」という納得感を持たせる
- 誕生日会などのイベント前に「今日は何を持っていく?」と本人に選ばせておく
親も一緒に同じものを食べる
お祭りやマルシェなど、大人もつい食べたくなるものがたくさん並ぶ場所もありますよね。そんなときこそ、ちょっとした工夫が子供の気持ちを軽くしてくれます。
- できれば、持参したものを子供と同じように食べましょう
- 難しいときも、せめて子供の前では絶対に食べない、というだけでも十分です
- 「自分だけ我慢している」ではなく「一緒に我慢してくれている」という感覚が、子供にとって大きな安心につながります
何度も同じことを聞かれたときは
一度説明して終わり、とはいかないのが子供です。同じ質問を何度も繰り返されても、それは自然なことです。
- 子供には「なんで?なんで?」と何度も聞いてくる時期があります。これは発達の過程で自然なことで、アレルギーに限らず、他のことでも同じように繰り返し聞いてくるものです
- そのたびに、面倒がらず根気強く、同じトーンで答えてあげましょう。繰り返し聞くことで、少しずつ自分の中で消化しているところです
- 毎回少しずつ違う言葉で伝えると、子供にとって新鮮に届くこともあります
- 「前にも言ったよね」より、「そうだったね、もう一度説明するね」という受け止め方のほうが、子供は安心しやすいようです
涙が止まらない・納得してくれないときは
言葉を尽くしても、その場では納得できず泣いてしまうこともあります。それは、説明が失敗したわけではありません。
- 無理に泣き止ませようとせず、「悲しいよね、そう思うよね」と気持ちをそのまま受け止めてあげましょう
- 子供の気持ちの移り変わりは早いものです。無理に言葉で説得しようとせず、心が落ち着くまでぎゅっと抱きしめてあげましょう
- その場で全部を理解してもらおうとしなくて大丈夫です。気持ちが落ち着いてから、改めて話す時間を持つのでも十分です
- 「食べられないこと」ではなく「気持ちに寄り添ってもらえたこと」が、子供の中に残っていきます
年齢別のヒント
- 幼児期:短く・繰り返し・前向きに。「楽しみにしておこうね」
- 園児期:「自分で聞く・言う」練習を少しずつ
- 小学生:理由も少し説明し、自己管理の意識を育てる
うちの家族の場合
これは余談ですが、少しだけうちの話をさせてください。
幼稚園の給食が食べられず、息子はずっとお弁当を持参していました。「みんなと同じものが食べたいだろうな」と、ずっとモヤモヤした気持ちを抱えていたのを覚えています。
進級して少しずつ食べられるものが増え、一部除去で給食が食べられる日も出てきました。「やっと落ち着いてくれたかな」とほっとしていた矢先、息子が言った言葉は「お母さんの作ったお弁当が食べたい!」でした。
この一言に、妻はすごく救われたようでした。我慢させていると思っていたことが、いつの間にか息子にとって当たり前の、大切なものになっていたんですね。
まとめ
- 「ダメ」だけでなく、前向きな見通しを添える
- 「あなたは悪くない」と安心させ、代わりのものを「特別」に演出する
- 何度聞かれても、同じトーンで根気よく向き合う
- 納得できず泣いてしまっても、気持ちを受け止めるだけで十分
- 年齢に合わせて自己管理の力を育てる
伝え方に正解はありません。お子さんとご家庭に合う言葉を見つけてください。自己判断が難しい場面は、主治医の指示を優先してくださいね。
免責事項
この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、自身の経験と厚生労働省・専門機関等の公開情報をもとにまとめています。治療方針については、必ず主治医の指示を優先してください。詳しくは免責事項をご覧ください。
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