そもそも、なぜ周囲の理解が必要なの?
食物アレルギーは、本人や家族だけで完璧に管理できるものではありません。祖父母に預けるとき、ママ友の家で遊ぶとき、園や学校、職場——社会生活の中のあらゆる場面で、周囲の人の理解と協力が欠かせません。
アレルギーがあるからといって、社会生活の外で生きることはできませんし、それでは子供の教育にとっても良いはずがありません。
アレルギーっ子が増え、だんだんとアレルギーが認知されてきたとはいえ、まだまだクラスで数人、「なんとなく知っている」レベルの理解にとどまりやすいのも事実です。まずは、周囲に知っておいてほしいことを整理してみます。
周囲に知っておいてほしい6つのこと
「少しなら平気」ではないこと
- 少量でも、じんましんや腫れなどの症状が出ることがあります
- アナフィラキシーのような重い症状につながることもあるため、「これくらい平気でしょ、美味しいから食べてみたら?」という善意の一言が、実は一番危険です
- クラス会やデパート、スーパーの試食など、アレルゲンを含んだものが無料で配られている場面もあります。配る側は仕事として大勢に配っているため、いちいち声をかけるのは現実的に難しいものです。だからこそ、保護者がそばでしっかり見ておくことが大切になります
わがままでも好き嫌いでもないこと
- 食物アレルギーは、免疫が特定のタンパク質を「異物」と誤って認識してしまう体の反応です
- 本人の意思や好みとは関係なく起きている、体の仕組みの問題です
「食べなければ大丈夫」とは限らないこと
- 触れたり、調理中の蒸気を吸い込んだりするだけで、症状が出ることがあります。例えば、友達の家に遊びに行ったときに卵を茹でていて、その湯気を吸ってしまった、というようなケースもあります
- 「口に入れさえしなければOK」ではない場合があることも、知っておいてもらえると安心です
外食・惣菜には表示義務がないこと
- パッケージ商品にはアレルギー表示のルールがありますが、飲食店や量り売りの惣菜・パンなどには表示義務がありません
- お店や施設の方が「たぶん大丈夫だと思います」と曖昧に答えてしまうことが誤食につながるため、「わからないときは、わからないと正直に伝えてほしい」という理解が大切です
成長とともに変わること
- 食物アレルギーは、年齢とともに原因食物や症状の出やすさが変わっていきます
- 「前は大丈夫だったから、今も平気」とは限らない点も、周囲に伝えておきたいポイントです
栄養バランスへの配慮が必要なこと
- 原因食物を避けることで、成長に必要な栄養が不足しないよう気をつけています
- 給食や親戚の集まりで代替品を用意してもらうときなど、この背景を理解してもらえると助かります
相手別・伝え方のポイント
祖父母・親戚
- 「少しなら」という善意が一番危険なことを、具体的な症状の例とあわせて伝えましょう
- 持参したもの以外は基本的に食べられないこと、逆に持参したものであれば安心して出してあげられることを伝えておきましょう。「これなら安心して出してあげられる」という形にすると、預ける側も預かる側も気持ちが楽になります
- ホコリやダニが多くなりがちな古い家などは、症状が出やすい場所として避けたいことがあります。「汚いから行きたくない」という意味ではなく、「アレルギー・アトピーの症状が出る可能性があるから」という理由だと伝えておくと、相手を傷つけずに済みます
ママ友・友人宅
- 遊びに行く前に、アレルゲンと症状の概要を伝えておく
- 持参したおやつ・飲み物を子供に渡すよう、事前にお願いしておく
- 「子供自身も少しずつ、自分の言葉で伝えられるようになる」ことも、成長とともに目指したい姿です
園・学校
- 生活管理指導表など、正式な書類を通じて情報を共有する
- 担任だけでなく、行事に関わる先生・栄養士など、関係者に広く共有してもらえるよう相談する
職場(保護者自身)
- 通院や急な呼び出しの可能性があることを、あらかじめ伝えておくと理解を得やすいようです
- 制度(看護休暇等)を使える場合は、事前に確認しておくと安心です
心無い一言をもらったとき
「気にしすぎじゃない?」「かわいそう」——そんな言葉に傷つくことも、きっとあると思います。子供自身だって、特別扱いされたくないし、みんなと同じものが食べたいし、親だってみんなと同じものを食べさせてあげたいんです。
でも、みんな悪気があるわけじゃありません。ほとんどの言葉は、善意から出たものなんです。
- 相手に悪意がないことも多く、単純に「知らないだけ」ということがほとんどです
- 一人で抱え込まず、同じ経験をした人に話してみるだけでも、気持ちが軽くなることがあります
- 家庭内での分担や気持ちの持ちようについてはパパからママへ、相談先については「ひとりで抱え込まないで」(※リンクは該当記事公開後に設定)でも詳しく紹介しています
まとめ
- 「少しなら平気」ではないこと、わがままではないことを、まず知ってもらう
- 触れる・吸い込むだけでも症状が出ること、外食には表示義務がないことも伝えておきたいポイント
- 相手(祖父母・友人・園学校・職場)によって、伝え方や準備するものを工夫する
- 心無い一言があっても、一人で抱え込まないで
すべての人に完璧な理解を求める必要はありません。少しずつ、味方を増やしていく——そんな気持ちで大丈夫です。自己判断が難しい場面は、主治医の指示を優先してくださいね。詳しくは免責事項もあわせてご確認ください。
免責事項
この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、自身の経験と厚生労働省・専門機関等の公開情報をもとにまとめています。治療方針については、必ず主治医の指示を優先してください。詳しくは免責事項をご覧ください。
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