「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
ホメオパシーについて調べていると、ちょっと気になることがあります。
ホメオパシーには科学的な有効性を疑問視する研究や評価があるのに、実際にはホメオパシーを利用する人がいて、医師の中にも診療に取り入れている人がいます。
「医療のことを知っている人が、なぜ?」
これが今回の疑問です。
ただ、いきなり「なぜ医師がホメオパシーを信じるのか」と考えるより、まずそもそも人はなぜ、今受けている医療とは別の方法を探すのかから見てみると、少し分かりやすくなります。
そもそも、なぜ代替の方法を探すの?
補完・代替医療を利用する人を調べた研究では、いくつかの理由が繰り返し出てきます。
イギリスで補完医療を利用する患者を調べた研究では、主な理由として、通常の治療が効かなかったこと、通常の医療の副作用への不安や経験、医師とのコミュニケーションへの懸念などが挙げられました。特にホメオパシーを選んだ人では、通常の治療が効かなかったことが強い理由になっていました。
ドイツの一般成人を対象にした調査でも、補完・代替医療を利用する理由として、できるだけ薬を避けたいという回答が31.7%ありました。また、通常の医療で満足する結果が得られなかったことを理由にした人も23.9%いました。
代替医療を探すきっかけ
| きっかけ | そのときの気持ち |
|---|---|
| 薬の副作用が気になる | 「できれば薬を減らしたい」 |
| 実際に副作用を経験した | 「別の方法はないかな」 |
| 通常の治療で改善しない | 「ほかにできることは?」 |
| 薬をできるだけ使いたくない | 「薬以外の方法を試したい」 |
| 医師とのコミュニケーションに不満がある | 「もっと話を聞いてほしい」 |
| 別の方法を勧められた | 「それなら試してみようかな」 |
つまり、代替医療を探す人が最初から「ホメオパシーを信じている」とは限りません。
今の治療で困っているから、別の方法を探した。
そういう入口もかなりあるわけです。
ホメオパシーを選ぶ人にも、似た事情がある
ホメオパシーを利用する患者を調べた研究でも、通常の医療に対する不満や、薬の副作用を経験したことが出てきます。
1978年にサンフランシスコ周辺のホメオパシー患者100人を調べた研究では、多くの人が以前に通常の医療を受けていました。そして、その医療に不満を感じた理由として、薬による悪い副作用、栄養や予防について十分な相談ができなかったこと、健康教育が足りなかったことなどが挙げられています。
子どもをホメオパシーに連れて行った親を調べた研究でも、子どもに通常の薬を使いたくなかった、薬の副作用を経験した、別の治療法を探していたといった理由が確認されています。
ここは、かなり分かりやすいですよね。
子どもに薬を使う。
効いてほしい。
でも副作用も心配。
だったら、
「薬じゃない方法はないの?」
と探したくなる。
ホメオパシーに限った話ではありませんが、こういう気持ちが代替医療を探す入口になることがあります。
「薬の副作用が嫌だから、別の方法を探す」
これは単なるイメージではなく、実際の患者調査でも確認されている理由です。
では、医療関係者はなぜ選ぶのか
ここからが今回の本題です。
医療関係者が補完・代替医療を扱う理由を調べた研究では、患者からの希望、通常の治療でうまくいかなかったこと、治療の選択肢を広げたいという考え、副作用への考え方などが関係しています。
つまり医師側にも、
「患者が希望している」
「通常の治療だけでは十分ではないと感じる」
「できるだけ負担の少ない方法も選択肢にしたい」
という事情があります。
これは、医師自身がホメオパシーの理論を信じているかどうかとは少し違う話です。
「ホメオパシーを処方する医師」は何を考えている?
ここを調べると、さらに面白いことが分かります。
スイスの外来医を対象にした研究では、ホメオパシーを少なくとも年1回処方していた医師がいました。
ところが、その医師たち全員が「ホメオパシーには科学的な効果がある」と考えていたわけではありません。
ホメオパシーを処方する医師の中には、**患者が希望していることや、プラセボ効果を利用することなどを理由として考えている人もいました。**一方、ホメオパシーの有効性を科学的に証明する根拠があると考えていた医師は23%でした。
つまり、
「ホメオパシーを使う医師=ホメオパシーの理論を全面的に信じている」
とは限らないんです。
医療関係者が取り入れる背景
| 背景 | 具体的には |
|---|---|
| 患者の希望 | 患者自身がホメオパシーを求める |
| 通常の治療で十分な結果が出ない | 別の選択肢を考える |
| 薬への懸念 | 副作用などを気にして別の方法を求める |
| 治療の選択肢を増やしたい | 患者に複数の選択肢を示す |
| ホメオパシー自体への期待 | 治療効果があると考えている |
| プラセボなどを含めた診療 | 治療そのものだけでなく患者との関係を重視する |
この中には、ホメオパシーそのものを信じているケースもあれば、患者の希望や診療上の考えから取り入れているケースもあります。
「患者との時間」が理由になることも
ホメオパシーを実践する医師と患者を調べた研究では、患者が「良い医師」として評価していたのは、診察にかける時間、患者中心の対応、共感、全体を見て診察する姿勢などでした。
患者側は、こうした特徴を必ずしも「ホメオパシーだから」と考えていたわけではありません。
一方、医師側は、こうした患者中心の診療とホメオパシーとの間に関係があると考えていました。
ここはちょっと興味深いところです。
ホメオパシーを選ぶ理由として、「レメディそのもの」だけではなく、「どんな診療を受けたいか」まで含まれている場合がある。
「ちゃんと話を聞いてほしい」
「自分のことをもっと見てほしい」
「病名だけでなく、自分自身を診てほしい」
そういう医療への期待と、ホメオパシーの診療スタイルが結びついている場合もあるようです。
ただ、「薬より安全」とは限らない
ここは一つ切り分けておきたいところです。
「薬の副作用が心配だから、ホメオパシーを選ぶ」という人がいる。
これは研究から確認できます。
でも、
「薬より副作用が少ないと感じる」
ことと、
「ホメオパシーなら安全」
は同じではありません。
ホメオパシーについても副作用は報告されており、製品によっては通常の薬理作用を持つ成分が含まれる場合があります。また、通常の治療を置き換えることで、必要な治療が遅れるという問題も考える必要があります。
なので、「薬を避けたい」という気持ちがあることと、その代わりに何を選ぶかは別々に考えたほうがよさそうです。
じゃあ、なぜ医療関係者でも支持する人がいる?
ここまで調べてみると、最初の疑問がだいぶ具体的になってきました。
ホメオパシーを支持・利用する医療関係者の背景には、ホメオパシーそのものへの期待だけではなく、薬の副作用への懸念、通常の治療でうまくいかなかった経験、患者からの希望、治療の選択肢を増やしたいという考え方などがあります。
そして患者側にも、似た事情があります。
「できれば薬を減らしたい」
「薬の副作用が怖い」
「今の治療で良くならない」
「ほかに方法があるなら試したい」
そうやって別の方法を探していく中で、ホメオパシーにたどり着く人がいる。
医療関係者の場合も、そこに患者の希望や自身の医療観が加わって、ホメオパシーを選択肢として扱うことがあります。
今回調べてみて見えてきたのは、「ホメオパシーを信じているから」という一言だけでは説明できない背景でした。
「薬を使いたくない」という気持ちから始まる人もいる。
「通常の治療でうまくいかなかった」ことがきっかけになる人もいる。
そして医療者の中には、そうした患者の希望を受けて、ホメオパシーを選択肢の一つとして扱う人もいる。
ホメオパシーがなぜ今も選ばれているのかを考えるなら、その治療法だけを見るのではなく、「なぜ別の方法を探したのか」まで見る必要がありそうです。
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