喘息の発作を鎮めるには、症状に合った薬を、正しい方法で使うことがとても大切です。とはいえ、「喘息の治療には吸入薬を使う」と言われても、実際にどんな薬で、どうやって使うものなのか、最初はイメージが湧きにくいですよね。「毎日使うものなの?」「発作の時だけでいいの?」など、わからないことだらけで不安に感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。
前回の記事(小児喘息とは|症状とアレルギーとの関係)でも少し触れましたが、喘息の治療で使う吸入薬には、大きく分けて2つの役割があります。今回は、その吸入薬にはどんな種類があるのか、実際どうやって使うものなのかを、もう少し詳しくお伝えしていきますね。
吸入薬には2つの役割がある
まずは基本のおさらいです。喘息の治療で使われる薬には、大きく分けて2種類あります。
- 長期管理薬(吸入ステロイド薬など):症状がないときも毎日続けて使い、気道の慢性的な炎症そのものを鎮める薬
- 発作治療薬(気管支拡張薬など):発作が起きたときだけ使い、狭くなった気管を広げて呼吸を楽にする薬
「症状がないのに、なぜ毎日薬を使うの?」と感じるかもしれませんが、長期管理薬は気道の炎症そのものを抑えることで、発作が起こりにくい状態を作っていく薬です。効果を実感できるまでには少し時間がかかることも覚えておいてください。
吸入器具(デバイス)の種類
吸入薬は、薬そのものだけでなく「どうやって吸うか」という器具(デバイス)の違いによっても、いくつかの種類に分けられます。
ネブライザー
液状の薬を電動の機械で霧状にして吸入するタイプです。「ジェット式」「メッシュ式」「超音波式」の3つのタイプがあり、霧が出てくる部分には「マスク」と「マウスピース」の2通りがあります。子どもの年齢や吸入への慣れ具合によって、マスクとマウスピースを使い分けます。
pMDI(加圧式定量噴霧吸入器)
ガスの圧力で薬を霧状に噴き出すタイプの吸入器です。薬が噴射されるタイミングに合わせて自分で息を吸い込む必要があり、実はこれが小さな子どもには難しいポイントでもあります。そのため、子どもの場合は「スペーサー」という吸入補助具を使って吸入することが多いです。
DPI(ドライパウダー吸入器)
粉末状になった薬を、自分の吸う力(吸気)で吸い込むタイプです。ある程度しっかり息を吸い込める年齢にならないと使いにくいため、比較的年齢が上がってから選択されることが多いタイプです。
どのタイプが向いているかは医師と相談
お子さんの年齢や吸入への慣れ具合によって、どの器具が向いているか、スペーサーが必要かどうかは変わってきます。「これじゃないとダメ」というものではなく、お子さんに合った組み合わせを一緒に見つけていくものだと考えてもらえたらと思います。
うまく吸入するためのコツ
吸入薬は、少ない量でも直接気道に届くからこそ効果があるお薬です。裏を返せば、うまく吸入できていないと、薬のほとんどが気管支まで届かず、体の外に出てしまったり、口の中に残ってしまったりすることもあります。
「できているつもり」でも、実はうまくできていないケースは珍しくありません。次のようなことを意識してみてください。
- 普段の吸入のやり方を、定期的に医師や看護師にチェックしてもらう
- 吸入のやり方がお子さんに合っていないと感じたら、遠慮せず医師に相談する
- 吸入ステロイド薬を使ったあとは、口の中に残った薬を洗い流すため、うがい(または水を飲む)をする
小さなお子さんでうがいがまだ難しい場合は、お水を一口飲ませてあげるだけでも代わりになります。
毎日続けることの大切さ
長期管理薬は、発作が出ていないときにこそ意味がある薬です。「調子が良さそうだから」と自己判断でやめてしまうと、見えないところで気道の炎症が続いたままになり、また発作を繰り返してしまうことがあります。
効果を実感するまでに少し時間がかかることも珍しくありません。「今すぐ効いている感じがしない」ことに不安になったときは、自己判断で中断せず、まずは主治医に相談してみてくださいね。お子さんが治療を続けていくためには、保護者の方の根気強いサポートがとても大切です。
まとめ
喘息の吸入薬には、毎日続けて炎症を抑える「長期管理薬」と、発作のときだけ使う「発作治療薬」の2つの役割があり、それぞれに合った吸入器具(ネブライザー・pMDI・DPI)があります。
うまく吸入できているかどうかは、お子さん自身も保護者の方も気づきにくいポイントです。定期的に医師や看護師にチェックしてもらいながら、お子さんに合った吸入方法を一緒に見つけていってくださいね。
この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、自身の経験と厚生労働省・専門機関等の公開情報をもとにまとめています。治療方針については、必ず主治医の指示を優先してください。詳しくは免責事項をご覧ください。
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