夜中に、子どもが急に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と苦しそうに息をし始めた…。そんなとき、頭が真っ白になってしまう保護者の方は少なくないと思います。
でも、あらかじめ「家でできること」と「受診が必要なサイン」を知っておくだけで、いざというときに落ち着いて動けるようになります。このページでは、喘息発作が起きたときの家庭での対応と、受診のタイミングについてお伝えしていきますね。
発作のときの基本の姿勢・環境づくり
発作が起きたときは、まず次のような対応を試してみてください。
- 横になるとかえって呼吸が苦しくなるので、上半身を起こして、クッションや大人の体にもたれかかるような姿勢にしてあげる
- 部屋の湿度を保つ(加湿器がなければ、濡れタオルを干すだけでも違います)
- 咳き込んで吐いてしまったり、食欲が落ちてしまっても、水分だけはこまめに摂らせてあげる(水分が不足すると痰が硬くなり、余計に苦しくなりやすいためです)
発作が起きたときに気をつけてほしい行為
良かれと思ってやったことが、実は逆効果になることもあります。次の点には気をつけてください。
- 冷たい飲み物や炭酸飲料を飲ませる:気道を刺激してしまうため避けてください。水分を摂らせるときは、常温か温かい飲み物にしましょう
- 香りの強い洗剤・柔軟剤・芳香剤を近くで使う:香料の刺激が発作の引き金になることがあります。発作が起きているときは、香りの強いものは遠ざけましょう
- 「そのうち治まるはず」と自己判断で薬を使わず様子を見続ける:処方されている発作時の薬があれば、我慢せず早めに使うことが基本です
処方されている発作時の薬を使う
発作時用に気管支拡張薬(吸入薬・飲み薬など)を処方されている場合は、医師の指示通りに使いましょう。
ここで一つ知っておきたいのが、薬によって効き方の速さが違うという点です。吸入薬はすぐに効果が出ますが、飲み薬は飲んでから1時間程度たたないと効果があまり出ません。「薬を使ったのにすぐ良くならない」と焦ってしまう前に、この違いを知っておくと安心です。
発作が起こりやすいタイミングを知っておく
備えておくだけで気づきやすくなる、発作が起こりやすい傾向がいくつかあります。
時間帯:夜間〜明け方
喘息の炎症は夜間から早朝にかけて悪化しやすいことが知られています。就寝中は体をリラックスさせる副交感神経の働きが強くなり、気道が自然と狭くなりやすい状態になります。そこに明け方の冷え込みが重なることで、発作が起こりやすくなると考えられています。
季節:気温差の大きい春・秋
冬は一日中寒く、夏は一日中暑いため、実は発作は比較的起こりにくい時期です。反対に、春や秋は日中と朝晩の気温差が大きくなるため、発作が出やすい時期とされています。春はこれに加えて、花粉や黄砂の飛散も悪化因子になります。
天候:台風接近などの急な気圧変化
台風が近づくときのように気圧が急激に変化するときも、発作が出やすいタイミングの一つです。
その他のきっかけ
- 風邪や気管支炎にかかったとき
- 体が疲れているとき
- ほこりの多い場所に行ったとき
- 衣替えで冬物を出すタイミング(しまっておいた衣類にはハウスダストが付着していることがあります)
- 運動したとき(「運動誘発性喘息」と呼ばれ、走ったあとの単なる息切れと区別がつきにくいこともあります)
こうしたタイミングを知っておくだけで、「今日は気をつけよう」という心構えができ、発作の早期発見にもつながります。
こんなときは受診・救急要請を
次のような「強い発作のサイン」が一つでも見られる場合は、ためらわずに医療機関を受診してください。救急車を呼んでも構いません。
- 息を吸うときに、のどや肋骨の間がはっきりへこむ(陥没呼吸)
- 話すのが苦しそうで、一気に話せない
- 苦しくて眠れない、眠っていても症状で目が覚めてしまう
- 唇や爪の色が悪い(チアノーゼ)
- 意識がはっきりしない、ぐったりしている
特に唇や爪の色の変化や意識の低下は、体に十分な酸素が行き渡っていないサインで、命に関わる緊急事態の可能性があります。ためらわずに救急要請を検討してください。
改善のサイン(落ち着いて様子を見てよい目安)
反対に、次のような様子があれば、自宅で経過観察を続けても比較的安心といえます。
- 吸入や内服のあと、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」が少しずつ和らいできた
- 苦しそうにしていても、横になって眠ることができている
ただし、一度落ち着いても再び悪化することもあるため、その晩は様子をこまめに見てあげてくださいね。
日頃からの備え
発作は自宅だけでなく、外出先や幼稚園・学校で起きることもあります。次のような備えをしておくと安心です。
- 発作時用の薬は、外出時も必ず携帯する
- 外出先で発作が起きたら、まず人混みや刺激の多い場所から離れ、静かで風通しの良い場所に移動する
- 幼稚園・学校の先生には、発作の特徴や薬の使い方、連絡先を書面で伝えておく
夜眠れなかった翌日は、無理に登園・登校させない
夜中に発作でよく眠れなかった、という日の翌朝は、症状が落ち着いているように見えても、保育園・幼稚園・学校をお休みすることも検討してあげてください。
体は、睡眠中に回復するものです。眠れない夜が続くと、体の回復が追いつかず、発作からの立て直しの妨げになってしまうことがあります。「元気そうに見えるから」と無理に登園・登校させるより、その日はゆっくり休ませてあげることを優先してもよいかもしれません。
まとめ
喘息発作が起きたとき、家庭でできることは「楽な姿勢と加湿」「水分補給」「医師の指示通りの服薬」というシンプルな3つです。そして、発作が起こりやすいタイミングをあらかじめ知っておくことで、早めに気づいて対応できるようになります。夜眠れなかった翌日は、無理をさせずに休ませてあげることも回復への近道です。
一方で、陥没呼吸や意識の低下など「強い発作のサイン」が見られたときは、迷わず受診・救急要請をしてくださいね。落ち着いて対応するために、ぜひ一度ご家族で対応の流れを確認しておいてください。
この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、自身の経験と厚生労働省・専門機関等の公開情報をもとにまとめています。治療方針については、必ず主治医の指示を優先してください。詳しくは免責事項をご覧ください。
参考にした情報源
- 発作時の対応|小児ぜん息基礎知識|独立行政法人環境再生保全機構
- 子どもの救急ってどんなとき?~喘息(ぜんそく)の発作が出た時|群馬県
- 喘息の人が「やってはいけない」ことと注意点をまとめました|横浜弘明寺呼吸器内科クリニック
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