「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「アレルギー体質は生まれつきだから仕方がない」
そんな言葉を聞くことがあります。
確かに、アレルギーになりやすい体質には生まれ持った要素があります。
でも、少し不思議なこともあります。
子どもの頃は何ともなかったのに、大人になってから花粉症になる人がいる。
子どもの食物アレルギーが、成長すると食べられるようになることもある。
同じような家庭で育った兄弟でも、アレルギーがある子とない子がいる。
もしアレルギー体質が生まれた瞬間にすべて決まっているなら、こうした変化はなぜ起こるのでしょうか。
生まれた瞬間に、将来のアレルギーがすべて決まるわけではない
結論からいうと、アレルギーになりやすい素質には生まれ持った要素がありますが、「何のアレルギーになるか」「いつ発症するか」「一生続くか」まで、生まれた瞬間に決まっているわけではありません。
アレルギーの発症には遺伝的な要因だけでなく、その後の環境や、成長による体の変化など、さまざまな要因が関係します。
実際、日本アレルギー学会が運営するアレルギーポータルでも、アレルギーのなりやすさには遺伝的な要素がある一方、実際のアレルギー疾患の発症には、生まれた後の環境などさまざまな要因が関わると説明されています。
つまり、
生まれたときに「なりやすさ」がある
ことと、
将来のアレルギーがすべて決まっている
ことは、同じではありません。
子どもの頃は大丈夫だったのに、大人になって発症するのはなぜ?
「私は子どもの頃はアレルギーなんてなかったのに」
という人が、大人になって花粉症や食物アレルギーを発症することがあります。
これは、「大人になって突然アレルギー体質になった」と単純に考えるよりも、それまで発症していなかったアレルギーが、ある時期に表面化したと考えるほうが近いかもしれません。
アレルギーは、体が特定の物質に反応する仕組みと、その物質に触れる機会など、複数の条件が関係します。
例えば成長するにつれて、
- 行動範囲が広がる
- 食べるものが増える
- 屋外の環境に触れる機会が増える
- 新しいアレルゲンに接触する
- 生活環境が変わる
といった変化があります。
子どもから大人になるまでの間に、体も環境もずっと同じではありません。
実際、食物アレルギーにも乳幼児期に発症しやすいものだけでなく、学童期や大人になってから新たに発症するケースがあります。
つまり、「子どもの頃にアレルギーがなかった」ことは、「一生アレルギーにならない」という意味ではないのです。
成長すると、アレルギーの種類が変わることもある
子どものアレルギーでは、「アレルギーマーチ」という考え方があります。
これは、成長に伴って、発症しやすいアレルギー疾患が変化していくことを表したものです。
例えば、
乳児期に湿疹や食物アレルギー
↓
成長して喘息
↓
さらに成長してアレルギー性鼻炎
というように、年齢とともに症状が変化していくケースがあります。
ただし、全員がこの順番をたどるわけではありません。
一つのアレルギーだけの人もいますし、途中で症状が改善する人もいます。
厚生労働省の資料でも、アレルギーマーチは遺伝的にアレルギーになりやすい素質を持つ人に起こることがありますが、全員が同じ経過をたどるわけではないとされています。
つまり、アレルギー体質が生まれつきあるとしても、その後のアレルギーの現れ方は一つではありません。
「体質があるのに発症しない人」がいるのはなぜ?
ここが、「生まれつき決まっている」という考え方だけでは説明しにくいところです。
アレルギーになりやすい素質があっても、必ずアレルギー疾患を発症するとは限りません。
アレルギー疾患の発症には、
- 遺伝的な要因
- 成長による体の変化
- アレルゲンとの接触
- 感染症
- 生活環境
など、複数の要因が関係すると考えられています。
最近の大規模調査でも、アレルギー性鼻炎の発症に関わる要因は、すべて同じではないことが示されています。
先にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを発症しているケースでは親のアレルギー歴などの遺伝的な要因が強く関係する一方、そうした先行するアレルギーがないケースでは、環境要因の関わりがより強くみられました。
アレルギーは「遺伝か環境か」の二択ではなく、人によってその割合や組み合わせが違うと考えたほうが近いのかもしれません。
成長するとアレルギーが治ることがあるのはなぜ?
これも、「生まれつきの体質は一生変わらない」と考えると不思議に感じます。
特に子どものアレルギーでは、成長とともに症状が改善することがあります。
独立行政法人環境再生保全機構の解説では、アレルギーを起こしやすい体質そのものには遺伝的な要素が大きく関わる一方、小児期に発症したアレルギー疾患は、成長に伴う免疫系などの成熟とともに改善する可能性があると説明されています。
つまり、
アレルギーになりやすい素質がある
ことと、
そのアレルギー症状が一生続く
ことも、必ずしも同じではありません。
体の成長によって、症状の現れ方が変わることがあります。
兄弟でも違うのは、未来が最初から決まっていないから?
同じ親から生まれ、同じ家で育った兄弟でも、
- 上の子には食物アレルギーがある
- 下の子には何もない
- もう一人は花粉症だけ
ということがあります。
これは珍しいことではありません。
兄弟は似た環境で育っていても、まったく同じ条件ではありません。
生まれた時期、成長の過程、触れた食べ物や環境などには違いがあります。
さらに、アレルギーの発症には複数の要因が関係するため、「同じ親から生まれたから同じ結果になる」とは限りません。
むしろ兄弟で違いが出ることは、アレルギーが出生時に完成した運命として決まっているわけではないことを感じさせる例の一つともいえます。
「アレルギー体質」は変えられる?
ここは少し言葉を分けて考える必要があります。
「アレルギーになりやすい素質そのものを完全に変えられるか」という話と、「現在出ているアレルギー症状を改善できるか」は別の話です。
現時点で、
これをすればアレルギー体質を完全にリセットできる
といえる方法はありません。
一方で、アレルギー疾患そのものは、成長によって改善したり、適切な治療や環境の調整によって症状をコントロールしたりできる場合があります。
「生まれつきだから何をしても変わらない」と考える必要もありません。
ただし逆に、「体質を根本から変える」とうたう方法については、何をどこまで変えるという意味なのか、慎重に考える必要があります。
まとめ
アレルギー体質には、生まれ持った要素があります。
しかし、生まれた瞬間に将来のアレルギーがすべて決まっているわけではありません。
何のアレルギーを発症するのか。
いつ発症するのか。
成長とともに改善するのか。
あるいは大人になってから新しく発症するのか。
こうしたことには、生まれ持った素質だけでなく、成長や環境など、さまざまな要因が関係します。
だから、
「アレルギー体質は生まれつきだから、もう未来は決まっている」
と考えるのは少し違うのかもしれません。
生まれ持った「なりやすさ」はあっても、アレルギーの未来まで、生まれた瞬間に決まっているわけではない。
これが、今わかっているアレルギーの姿に一番近いのではないでしょうか。
※本記事は一般的な情報を紹介することを目的としており、個別の診断や治療を行うものではありません。症状や治療については、必ず医師・医療機関にご相談ください。詳しくは 免責事項 をご覧ください。
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