「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「ホメオパシーはプラセボ効果だから効いているように感じるだけ」
ホメオパシーについて調べると、このような説明をよく見かけます。
一方で、
「実際に症状が良くなった」
「レメディを使ってから変わった」
という人がいるのも事実です。
では、ホメオパシーで感じる変化は、
すべてプラセボ効果だけなのでしょうか?
結論からいうと、現在の科学では、
ホメオパシーの効果を「プラセボ以外の明確な作用」として確立された形で説明できているわけではありません。
一方で、
「ホメオパシーを使った人が症状の改善を感じた」という体験を、すべて「気のせい」の一言で片づけることも簡単ではありません。
なぜなら、人の症状が変化する理由は、
レメディそのもの
プラセボ効果
自然な経過
生活の変化
カウンセリング
安心感
同時に行ったほかの対策
など、一つだけとは限らないからです。
今回は、
ホメオパシーは本当にプラセボ効果だけなのか?
を、できるだけ単純な「効く・効かない」ではなく整理してみます。
そもそもプラセボ効果とは?
プラセボ効果とは、
「これは効くかもしれない」と期待することなどによって、症状や感じ方に変化が起こる現象
です。
例えば、有効成分を含まない薬のようなものでも、
「これは痛みを和らげる薬です」
と思って服用すると、痛みの感じ方が変化することがあります。
NCCIHでは、プラセボ効果を、治療が役立つと期待することなどによって生じる健康上の変化として説明しています。
ここで注意したいのは、
プラセボ効果=嘘をついている
という意味ではないことです。
実際に症状の感じ方が変わることがあります。
ただし、
「病気そのものが治った」
ことと、
「症状の感じ方が変化した」
ことも、必ずしも同じではありません。
ホメオパシーは「プラセボだけ」と断言できる?
ここが少し難しいところです。
科学的な議論では、長年、
ホメオパシーの効果はプラセボ効果以上のものなのか?
が研究されてきました。
そして、現在の主要な公的機関の評価では、
ホメオパシーが特定の病気や症状に有効であることを、信頼できる形で示す十分な科学的根拠は確立されていない
という見解が中心です。
例えばNCCIHは、ホメオパシーについて、効果を示す信頼できる証拠は確立されていないと説明しています。また、高度に希釈されたレメディでは、原料とされる物質が測定できなくなるほど薄められることがあり、その作用を科学的に検証すること自体が難しい点も指摘しています。
つまり現時点では、
「レメディにはプラセボとは別の確立された作用がある」
とは言えません。
ただし、研究結果が完全に一方向というわけでもない
一方で、ここを、
「すべての研究でプラセボと同じと証明された」
と表現するのも正確ではありません。
ホメオパシーの研究には、プラセボとの差を示したとする研究やレビューもあります。
2023年には、ホメオパシーのプラセボ対照試験に関する複数のメタ解析をまとめたシステマティックレビューが発表され、高品質試験に限定した分析でも、一部の解析ではプラセボを上回る効果が報告されています。
ただし、この分野には大きな問題があります。
研究によって結果や評価が一致していない
ことです。
試験の規模、研究デザイン、ホメオパシーの種類、対象となる病気などが大きく異なります。
そのため、
「研究で少し良い結果が出た」
ことだけで、
ホメオパシーの作用が科学的に証明された
とは言えません。
逆に、
「科学的な仕組みがまだ説明できない」
だけで、
症状が改善したという体験そのものが嘘だった
とも言えません。
ここは分けて考える必要があります。
「効いた」と感じる理由は、プラセボだけとは限らない
レメディを使ったあとに症状が良くなった場合、
「だからレメディが効いた」
と思うのは自然です。
しかし、症状の変化には複数の要因が重なることがあります。
例えば次のようなものです。
① 症状には自然な波がある
アレルギー症状は、ずっと同じ強さで続くとは限りません。
例えば、
- 花粉の量が減った
- 季節が変わった
- ダニの量が減った
- 食生活が変わった
- 睡眠が改善した
- ストレスが減った
など、さまざまな理由で症状が変化します。
そして人は、
症状が最もつらい時に、新しい治療や対策を始めやすい
傾向があります。
すると、
症状が悪化
↓
何かを始める
↓
時間とともに症状が自然に戻る
↓
「始めたものが効いた」と感じる
ということが起こる可能性があります。
これはホメオパシーだけに限った話ではありません。
② ホメオパシーを始めたことで生活が変わることがある
ホメオパシーを利用する場合、レメディを飲むだけではなく、
自分の生活や体調を詳しく見直す
ことがあります。
例えば、
- 食事を見直す
- 睡眠を意識する
- ストレスを減らす
- 体を休ませる
- 症状を記録する
といった変化が同時に起こることがあります。
すると、
実際に改善につながった原因が、レメディだけとは限らない
という問題が出てきます。
③ じっくり話を聞いてもらうこと自体が影響する可能性
ホメオパシーでは、
「症状だけを見る」のではなく、
生活や性格、気分、過去の経験などについて、時間をかけて話を聞くケースがあります。
そのため、
「自分の話をちゃんと聞いてもらえた」
「自分の症状を理解してもらえた」
という安心感が生まれることがあります。
医療者や施術者との関係そのものが、患者の感じ方や治療への期待に影響する可能性は、プラセボ研究でも知られています。
つまり、
レメディだけではなく、ホメオパシーを受ける体験全体
が影響している可能性も考える必要があります。
④ 「効いた」と感じることと、原因が改善したことは別
例えば鼻水が減ったとします。
本人にとっては、
「症状が改善した」
という実感があります。
これは間違いなく本人にとって重要な変化です。
しかし、
なぜ鼻水が減ったのか?
は別に検証する必要があります。
レメディによるものなのか。
プラセボ効果なのか。
季節の変化なのか。
自然に改善したのか。
別の対策が影響したのか。
個人の体験だけでは、これを切り分けることが難しいのです。
だからこそ、
同じ症状の多くの人を対象にして、比較する研究
が行われます。
アレルギーの場合はどう考えればいい?
アレルギーについては、さらに注意が必要です。
例えば、
「レメディを飲んでから卵アレルギーが治った」
という体験があったとしても、
それだけでは、
レメディが卵アレルギーを治した
とは判断できません。
特に子どもの食物アレルギーには、
成長とともに食べられるようになる
ケースがあります。
例えば卵や牛乳、小麦などでは、時間の経過や成長によって耐性を獲得する人もいます。
そのため、
レメディを始めた
↓
数か月後・数年後に食べられるようになった
という出来事があっても、
その改善がレメディによるものなのか、自然な経過なのか
を個人の体験だけで判断することはできません。
ここは、
「効いたと感じた」という体験
と、
「アレルギーが治療されたことが科学的に確認された」
ことを分けて考える必要があります。
アレルギー性鼻炎では研究もある
アレルギー性鼻炎については、ホメオパシーを調べた研究もあります。
2017年のシステマティックレビューでは、11件の研究が評価されました。
一部の研究ではホメオパシー群に症状改善が見られましたが、多くの研究には方法上の問題やバイアスのリスクがあり、レビュー自体も、
確実な結論を出すには証拠の質が低い、または不確実であるため注意が必要
としています。
つまり、
「まったく研究されていない」
わけではありません。
しかし、
アレルギー治療として効果が確立された
とも言えない。
これが現在の状況に近そうです。
では「プラセボ効果だけ」と言っていい?
この記事のタイトルに戻ると、
ホメオパシーはプラセボ効果だけ?
への答えは、
現時点では「すべてがプラセボだけ」と科学的に証明されたわけではないものの、プラセボを超える確立された効果や作用機序も確認されていません。
が、最も正確な表現に近いでしょう。
研究の中にはプラセボとの差を示したものがあります。
一方で、
- 研究の質のばらつき
- 小規模な研究
- 再現性
- 研究デザインの違い
- 科学的な作用機序が確立されていないこと
などから、医学的な治療として確立されたとは言えない状況です。
だからこそ、
「全部プラセボだから、体験者の話は意味がない」
とするのも、
「効いた人がいるから、レメディに医学的効果が証明された」
とするのも、
どちらも少し飛躍があります。
「効いた」という体験は否定しなくていい。でも、原因は別に考える
ここが、このテーマで一番大切な部分かもしれません。
誰かが、
「ホメオパシーを始めてから楽になった」
と言ったとします。
その体験を、
「それは全部気のせいです」
と切り捨てる必要はないでしょう。
実際に、
- 症状が軽くなった
- 気持ちが楽になった
- 生活が改善した
- 不安が減った
という変化が起きている可能性はあります。
ただし、
その変化を「レメディの成分がアレルギーを治療した」と結論づけるには、別の証拠が必要
です。
この2つは両立します。
体験として改善を感じることはある。
そして、
その改善がレメディの特異的な作用によるものかは、現在も科学的に確立されていない。
これが、今のところ一番公平な見方ではないでしょうか。
まとめ|「プラセボだけ」と言い切るより、何が変化したのかを見る
「ホメオパシーはプラセボ効果だけ?」という疑問については、
現時点で、ホメオパシーの効果をプラセボ以外の確立された作用として説明できる十分な科学的根拠はありません。
一方で、研究の中にはプラセボとの差を示したものもあり、
「すべての変化が100%プラセボだけである」と完全に証明されたわけでもありません。
また、実際に「効いた」と感じる人がいる理由は、
- プラセボ効果
- 自然な症状の変化
- 時間の経過
- 生活習慣の変化
- カウンセリングや安心感
- ほかの対策
など、複数の要因が重なっている可能性があります。
だから、
「効いたと感じた」こと自体を否定する必要はない。
しかし同時に、
「効いたと感じた」=「レメディがアレルギーを治療した」とも限らない。
この間にある部分こそ、ホメオパシーを考えるうえで大切なのかもしれません。
特にアレルギーでは、自然に症状が変化したり、成長によって食べられるようになったりすることもあります。
そのため、
体験としての変化
と、
医学的に確認された治療効果
を分けて考えることが重要です。
そして、食物アレルギーやアナフィラキシーのように重大な症状につながる可能性がある場合は、自己判断で標準的な治療や医師の指示を中止・変更しないことが大切です。
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