「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「サウナって健康に良さそう」というイメージ、ありますよね。
汗をたっぷりかいて、体が温まって、血流も良くなって、なんとなく体の中までスッキリする感じ。最近はサウナを習慣にしている人も増えています。
じゃあ、ここでちょっと気になることがあります。
サウナに入って汗をかけば、アレルギーも良くなるんじゃない?
花粉症やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などに悩んでいる人からすると、「体を温める」「血流を良くする」「汗をかく」というのが、なんとなく症状にも良さそうに思えてきます。
でも、健康に良さそうなことと、アレルギーが改善することは同じではありません。
実際に研究ではどうなっているのでしょうか。
まず「サウナでアレルギーが治る」は本当?
先に結論を言ってしまうと、サウナに入ることでアレルギーそのものが治る、体質が変わる、と言えるだけの根拠はありません。
ただし、ここで終わってしまうとちょっと面白くありません。
というのも、アレルギー性鼻炎の患者さんを対象に、実際にサウナを続けてもらった研究があるからです。
2013年に発表された研究では、アレルギー性鼻炎の患者26人を、サウナを行うグループと通常の生活をするグループに分け、6週間にわたって調べています。
サウナを行ったグループでは、鼻から空気を吸い込む能力を示す指標や、1秒間に吐き出せる空気量などに改善が見られました。自律神経の活動にも変化が確認されています。
「サウナとアレルギー性鼻炎には何の関係もない」
とは、どうやら言い切れないようです。
ただ、この研究は26人という小規模なものです。
しかも調べられたのは主に鼻の通りや肺機能、自律神経などで、アレルギーそのものが治ったのか、アレルギー反応を起こしにくい体質になったのかを証明した研究ではありません。
ここは分けて考えたほうがよさそうです。
サウナで鼻の通りが良くなることはある?
実は、サウナそのものとは少し違いますが、「温めること」と鼻のアレルギー症状には興味深い研究があります。
1990年代の研究では、アレルギー性鼻炎の人に鼻の周辺を局所的に温める「局所温熱」を行ったところ、アレルゲンを使った刺激の後に起こる鼻づまりや血管からの液体の漏れが減少しました。
一方で、くしゃみや鼻水など、すべての症状が改善したわけではありません。
つまり、
「温めればアレルギー反応そのものが止まる」
という単純な話ではないものの、温熱によって一部の症状や反応が変化する可能性は研究されています。
サウナの「温かさ」に何らかの作用がある可能性を考える材料にはなります。
ただし、鼻だけを温める研究と、全身を高温環境に置くサウナは同じものではありません。
ここを一緒にしてしまうのはちょっと危険です。
「汗をかいて毒素を出す」はどうなの?
サウナの話になると、よく出てくるのが、「汗をかいて体の毒素を出す」という話です。
これをアレルギーと結びつけて、「体にたまったものを汗で出せば、アレルギーも改善する」という説明を見かけることがあります。
でも、ここは少し注意したいところ。
アレルギーは、単純に「体の中に毒素がたまっているから起こる」というものではありません。
花粉や食べ物など、本来なら大きな問題にならない物質を免疫システムが異物として認識し、さまざまな免疫反応が起こることで症状が出ます。
なので、汗をたくさんかいて何かを排出すれば、アレルギー体質が改善するという考え方を、そのまま医学的な事実として受け取ることはできません。
「汗をかいてスッキリした」という感覚と、「アレルギーが改善した」という話は、いったん分けて考えたほうがよさそうです。
アトピー性皮膚炎にはサウナが良い?
では、皮膚のアレルギーとしてよく話題になるアトピー性皮膚炎はどうでしょう。
実は、子どものアトピー性皮膚炎に対して、サウナを含む治療を行った研究もあります。
2000年の研究では、アトピー性皮膚炎の子どもに対して、サウナを含む複合的な治療を行ったところ、臨床的な改善がみられたと報告されています。
「おお、やっぱりサウナいいんじゃない?」
と思ってしまいますが、ここにも注意点があります。
この研究はサウナだけを単独で行った研究ではありません。
つまり、「サウナに入ったからアトピー性皮膚炎が改善した」とまでは、この研究から言えません。
しかも、サウナはすべての人の皮膚に良いとは限りません。
古い研究では、アトピー性皮膚炎の人の中には、汗をかくことで強いかゆみが出る人がいることや、暑さによってコリン性じんましんが誘発されることも指摘されています。
「汗をかけば肌に良い」というほど単純ではないんですね。
喘息にはどうなの?
アレルギーと関係が深い病気として、喘息もあります。
サウナと呼吸器については、昔から研究があります。
サウナに入ることで、一時的に肺の機能が変化することがあり、喘息の人に何らかの呼吸の楽さを感じさせる可能性を指摘した研究もあります。
また、フィンランド式の乾式サウナを子どもの喘息について調べた研究では、サウナ中に大きな問題はほとんど確認されなかったという報告もあります。
さらに、長期間のサウナ習慣と呼吸器疾患との関係を調べた大規模な追跡研究では、サウナに入る頻度が高い人ほど、喘息などを含む呼吸器疾患の発症リスクが低かったという結果もあります。
ただし、これは**「サウナに入ったから喘息が予防できた」と証明した研究ではありません。**
サウナに入る人と入らない人では、生活習慣や健康状態など、ほかにも違いがある可能性があります。
ここでも「関係がある」と「原因である」は分けて考える必要があります。
じゃあ、アレルギーにはまったく意味がないの?
ここまで調べると、個人的には「サウナはアレルギーに意味がない」と切ってしまうのも少し違う気がします。
アレルギー性鼻炎を対象にした小規模な研究では、6週間のサウナ習慣によって鼻の通りや肺機能などに変化が見られています。
温熱そのものについても、アレルギー性鼻炎の鼻づまりなどに影響する可能性を調べた研究があります。
一方で、サウナによって「アレルギー体質が治る」「IgEが正常になる」「花粉症が治る」といったところまで証明されているわけではありません。
つまり、今のところは、
サウナがアレルギーそのものを治すとは言えない。でも、温熱やサウナ習慣が、鼻や呼吸など一部の症状・身体機能に影響する可能性は研究されている。
くらいに考えるのがちょうどよさそうです。
サウナ好きなら、無理にやめる必要はある?
ここは「アレルギーを治すためにサウナへ行こう」という話とは別です。
健康な人では、サウナは一般的によく耐えられているとされ、呼吸器や循環器などへのさまざまな影響が研究されています。
なので、普段からサウナが好きで、入っていて体調が悪くならないのであれば、「アレルギーに効くから」という理由ではなく、普通にサウナを楽しむという考え方ならいいでしょう。
ただ、サウナに入ると肌がかゆくなる、息苦しくなる、じんましんが出るなど、自分の症状が悪化する場合は別です。
特に喘息など呼吸器の症状がある人は、「サウナだから健康に良い」と無理をする必要はありません。
サウナとアレルギーを整理すると
| 気になること | 現時点で言えること |
|---|---|
| サウナでアレルギー体質が治る? | そこまでの根拠はない |
| アレルギー性鼻炎に効果は? | 小規模研究で鼻の通りなどに改善がみられた |
| 汗でアレルギーの原因を排出できる? | そう言える根拠はない |
| アトピー性皮膚炎に良い? | 改善報告はあるが、サウナ単独の効果とは言えない |
| 喘息には? | 呼吸機能への影響を示す研究はあるが、治療法とは別 |
| サウナで症状が悪化する人もいる? | いる。汗や暑さでかゆみなどが出る場合もある |
結局、サウナはアレルギーに良いの?
今回調べてみると、「サウナでアレルギーが治る!」とまでは言えませんでした。
でも、「何の関係もない」と言い切るのも少し違います。
アレルギー性鼻炎を対象にした研究では、サウナを6週間続けることで鼻の通りや肺機能などに改善がみられていますし、温熱によってアレルギー性鼻炎の一部の反応が変化することを調べた研究もあります。
ただし、研究の規模や内容には限りがあり、「サウナがアレルギーを治療する」とまではまだ言えません。
もしかすると、サウナの「温める」という作用や、習慣としての運動・リラックスなどが、アレルギー症状と何らかの関係を持っているのかもしれません。
このあたりは、もう少し研究が進んだら面白そうです。
少なくとも今の段階では、「アレルギーを治すためにサウナへ行く」というより、「サウナが好きなら、無理のない範囲で楽しむ。そのうえで症状にどんな変化があるかを見る」くらいがちょうどいいのかもしれません。
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