「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「摩擦アレルギー」って聞いたら、どう思います?
僕ならまず、
「いや、それってケガじゃないの?」
って思います。
服がこすれて赤くなったり、タオルでゴシゴシ拭いて肌が赤くなったりすることはありますよね。
そんなものまで「アレルギー」と呼ぶのは、ちょっと違う気がします。
ところが調べてみると、こすること自体がきっかけになって、じんましんが出る人がいます。
医学的には「摩擦アレルギー」という病名ではありません。その代表が、**皮膚描記症(ひふびょうきしょう)**です。
こすった跡がミミズ腫れになる?
皮膚描記症は、皮膚をこすったり、ひっかいたりすると、その部分が赤くなって盛り上がる反応です。
名前の「描記」というのは、皮膚に線を描くように刺激すると、その跡が浮き上がってくることからついています。
たとえば、爪で軽く皮膚をなぞっただけなのに、その線に沿って赤くなり、ミミズ腫れのように膨らむ。これが皮膚描記症で見られる反応です。
こんなことが起こります
✋ 皮膚を軽くひっかく
↓
数分後に赤くなる
↓
ひっかいた線に沿って膨らむ
↓
かゆみが出ることもある強く傷つけたわけではないのに、刺激した形そのままに腫れるのが特徴です。
症状は刺激してから数分ほどで現れ、通常は30分~1時間ほどで落ち着いていきます。
でも、こすったら赤くなるのは普通じゃない?
そうなんです。
ここを区別しないと、「摩擦=アレルギー」という変な話になってしまいます。
皮膚は刺激を受ければ、誰でもある程度は赤くなることがあります。強くこすれば、皮膚そのものが傷ついてしまうこともあります。
これは特別な病気ではありません。
一方で、ごく軽い刺激なのに、毎回のように赤く盛り上がるなら話が変わってきます。
| 皮膚に起きたこと | 考えられること |
|---|---|
| 強くこすって赤くなった | 刺激による普通の反応 |
| 擦り傷になった | 皮膚そのものが傷ついている |
| 軽くこすった線に沿って膨らんだ | 皮膚描記症の可能性 |
| 特定の物に触れた部分だけ症状が出る | 接触じんましん・接触皮膚炎など |
つまり、「赤くなった」という結果だけでは分からないんです。
どれくらいの刺激だったのか、どんな形になったのか、かゆみがあるのか、どれくらい続くのか。
そこまで見る必要があります。
ケガとじんましんでは何が違う?
擦り傷なら、皮膚の表面そのものが傷ついています。
ヒリヒリしたり、皮がむけたり、傷口ができたりすることがあります。
一方、じんましんの場合は、皮膚が切れているわけではありません。
皮膚の中で血管などに反応が起こり、その結果として皮膚が一時的にむくんで盛り上がります。
じんましんでは、**肥満細胞(マスト細胞)**という細胞が重要な役割を果たしています。肥満細胞からヒスタミンなどが放出されると、血管が広がったり、血管から液体が漏れやすくなったりして、赤みや膨らみが生じます。
見た目は似ていても、中身は違います
擦り傷
→ 摩擦によって皮膚そのものが傷つく
じんましん
→ 皮膚の中で血管などに反応が起こり、膨らむ
だから「赤いからアレルギー」「赤いからケガ」とは、一概には言えません。
じゃあ「摩擦アレルギー」なの?
ここが一番ややこしいところです。
「摩擦アレルギー」という正式な病名があるわけではありません。
皮膚をこすることでじんましんが起こる場合、その代表的なものが皮膚描記症です。
皮膚描記症は、医学的には慢性誘発性じんましんの一つとして扱われています。
慢性誘発性じんましんというのは、特定の刺激によって症状が誘発されるタイプのじんましんです。
寒さ、日光、圧力、振動など、さまざまな刺激をきっかけにするタイプがあります。
「アレルギー」という名前がなくても、じんましんは起こる
食べ物や花粉のような物質だけが、じんましんのきっかけになるわけではありません。
こする、押す、冷やす、温める、日光を浴びる……
こうした物理的な刺激で症状が出るタイプもあります。
なので、「摩擦アレルギー」という言い方をするより、**「摩擦によって皮膚描記症というじんましんが誘発されることがある」**と考えるほうが正確です。
「摩擦」と「接触アレルギー」は別もの
もう一つ、ここで混同しやすいものがあります。
たとえば、服を着たところが赤くなってかゆくなったとします。
「服がこすれたからかな」と思いますよね。
でも、原因が摩擦とは限りません。
衣類の染料やゴム、化粧品、洗剤など、皮膚に触れた物質が原因になっている可能性もあります。
この場合は、摩擦ではなく、その物質に対する接触アレルギーや接触皮膚炎などを考えることになります。
つまり、
「服がこすれて赤くなった」
という同じ出来事でも、原因は一つとは限りません。
ここは分けて考えたい
摩擦そのものが刺激になった
→ 皮膚描記症など
触れた物質が原因になった
→ 接触じんましん・接触皮膚炎など
強くこすって皮膚が傷ついた
→ 擦り傷など
見た目だけでは似ていても、原因はそれぞれ違います。
皮膚描記症はどうやって調べる?
皮膚描記症は、症状の出方が診断の手がかりになります。
医療機関では、専用の器具などで皮膚に一定の刺激を加え、その後に線状の膨らみが出るか確認することがあります。
「どのくらいの刺激で反応するのか」「何分くらいで症状が出たのか」なども重要です。
そのため、普段から症状が出る人は、何をしたあとに、どこが、どんなふうに腫れたのかを覚えておくと診察のときに役立ちます。
わざわざ自分で強くこすって確認する必要はありません。
治療はできる?
症状が軽ければ、まずは刺激をできるだけ減らすことが基本になります。
ゴシゴシ体を洗う、タオルで強くこする、締め付けの強い衣類を着るなど、症状が出やすい刺激が分かっているなら、それを避けるだけでも負担を減らせます。
症状が強い場合には、医師の判断で抗ヒスタミン薬などが使われます。
皮膚描記症は、しばらくすると自然に落ち着く人もいれば、長く続く人もいます。
「ずっとこのままなのかな」と心配になるかもしれませんが、症状の程度や経過には個人差があります。
摩擦アレルギー?それってケガじゃないの?
最初の疑問に戻ってみます。
普通にこすって赤くなっただけなら、それはケガや刺激による反応かもしれません。
でも、軽くこすっただけなのに、その形に沿ってミミズ腫れのように膨らんだり、かゆみが出たりするなら、単なる擦り傷とは違う可能性があります。
その代表が皮膚描記症です。
だから「摩擦アレルギー」という正式な病気があるわけではないけれど、摩擦をきっかけにじんましんが起こることは本当にあります。
「こすったら赤くなった。これはケガでしょ」と思っていたものが、実はじんましんだった。
そんなケースもあるわけです。
いやー、調べる前は「摩擦アレルギー?それってケガじゃないの?」と思っていたんですが、これは本当にややこしいですね(笑)。
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