「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「海外製のアレルギー検査キットって、信用していいの?」
アレルギーについて調べていると、自宅でできる検査キットを見かけることがあります。
病院へ行かなくても、自分で指先から少量の血液を採って送るだけ。結果がオンラインで届くものもあり、「これでアレルギーが分かるなら便利そう」と思いますよね。
実際、海外ではこうしたサービスが販売されています。
ただ、調べていくと気になることも出てきました。
「アレルギー検査」と書いてあっても、何を調べているのかは商品によって違うのです。
今回は、実際に販売されている海外の検査キットを見ながら、どんな検査なのか、そして結果をどう考えればいいのかを見ていきます。
海外では自宅でアレルギー検査をしている
まず、本当にそんな検査があるのか。
調べてみると、実際にありました。
たとえばYorkTestでは、自宅で指先から血液を採取し、検査機関へ送るタイプの検査キットが販売されています。
米国向けのサイトでは「Food Allergy Test」という商品があり、食品23種類と環境アレルゲン18種類、合わせて41種類についてIgE反応を調べる検査とされています。
検査の流れは、自宅に届いたキットを使って採血し、検体を返送。検査後はオンラインで結果を確認するというものです。
つまり、海外では「自宅で採血して、アレルギーに関係する検査を受ける」というサービス自体は、実際に存在しています。
ただ、日本から使えるの?
ここは少し話が変わってきます。
今回確認したYorkTestの米国向けサイトには、Food Allergy Testの商品ページと購入画面がありました。
ただし、日本の住所から実際に注文して利用できるのかについては、今回の確認では分かりませんでした。
また、日本向けの正規代理店についても確認できていません。
そのため、
「海外で販売されているから、日本からも注文できる」
とは言えません。
今回確認できた範囲では、商品は存在するものの、日本から利用できるかどうかは不明という状態です。
「アレルギー検査」と書いてあっても、調べるものが違う
ここからが少しややこしいところです。
海外の検査キットを見ていると、「Food Allergy」「Food Sensitivity」など、似たような言葉が出てきます。
でも、実際に測定しているものを見ると、大きな違いがあります。
| 検査 | 調べるもの | アレルギーとの関係 |
|---|---|---|
| IgE検査 | 特定の物質に対するIgE抗体 | 即時型アレルギーの検査で利用される |
| IgG検査 | 特定の食品などに対するIgG抗体 | 食物アレルギーの診断には使えない |
| 医療機関での検査 | 問診+必要な検査など | 症状と検査結果を合わせて判断する |
同じような「自宅でできる検査」でも、ここはしっかり分けて考えたほうがよさそうです。
IgEって何?
IgEは、アレルギーを調べるときによく登場する免疫グロブリンの一種です。
たとえば、卵を食べたあとにじんましんが出る人がいた場合、卵に対する特異的IgE抗体があるかどうかを血液検査で調べることがあります。
ただし、ここで一つ注意があります。
IgEが陽性になったからといって、それだけで「その食品を食べると必ず症状が出る」と決まるわけではありません。
医学的には「感作」という状態があり、特定の物質に対してIgE抗体が確認されても、実際の症状が必ず伴うとは限りません。
そのため医療機関では、血液検査の結果だけを見るのではなく、実際にどんな症状が出たのか、いつ出たのか、どのくらい食べたのかなどを合わせて判断します。
じゃあIgGを調べる検査は?
海外の検査キットを調べていると、こちらもかなり出てきます。
「Food Sensitivity Test」などの名前で、100種類以上、200種類以上の食品についてIgG反応を調べるサービスがあります。
たとえばPinnertestでは、食品に対するIgGを調べる自宅検査が提供されています。
たくさんの食品を一度に調べられるので、「これなら自分に合わない食べ物が全部分かるのでは?」と思ってしまいます。
ところが、ここには大きな注意点があります。
米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)などは、食品に対するIgG検査を食物アレルギーや食物不耐症・感受性の診断に使うことを推奨していません。
食品に対するIgGが検出されること自体が、異常を意味するわけではないからです。
普段から食べている食品に対してIgGが確認されることもあります。
そのため、「200種類調べて20種類が陽性だった」という結果が出ても、それだけで「20種類の食品が自分の体に合わない」と考えることはできません。
検査項目が多ければいい、というわけでもない
自宅検査の広告では、「40種類」「100種類」「200種類」など、検査できる項目数が目立つことがあります。
数字が大きいと、それだけ詳しく分かるように感じますよね。
でも、アレルギー検査では、何種類調べたかだけで検査の価値は決まりません。
何を測定しているのか。そして、その結果をどう解釈するのか。
こちらのほうが重要です。
たとえば、卵を食べたあとに毎回じんましんが出る人と、特に症状はないけれど「自分に合わない食品を全部知りたい」という人では、必要になる検査や考え方も変わってきます。
自宅でできることにはメリットもある
ここまで読むと、「じゃあ自宅検査には意味がないの?」と思うかもしれません。
でも、そういうことでもありません。
病院へ行く時間をなかなか作れない人にとって、自宅で採血できることは便利です。
また、自分の症状について考えるきっかけになったり、医療機関に相談するときの材料になったりすることもあります。
大切なのは、検査キットから出てきた数字だけで食べ物を判断しないこと。
特に子どもの場合は、検査結果をきっかけに必要以上の食物除去を始めてしまうと、食事の幅を狭めることにもつながります。
海外製だから怪しい、という話ではなかった
今回調べていて、ここはちょっと意外でした。
「海外製の検査キット」と聞くと、なんとなく怪しいものを想像してしまうかもしれません。
でも、実際には海外でも自宅採血による検査サービスがあり、その中にはIgEを対象としているものもあります。
一方で、「Food Sensitivity」という名前でIgGを調べている商品もあります。
つまり、「海外製かどうか」だけを見ても、その検査が信用できるかどうかは判断できません。
見るべきなのは、何を測定しているのか、どこで検査しているのか、そして結果をどう説明しているのか。
このあたりを確認していくと、その検査が何を目的としているのかが見えてきます。
今回見つかった検査を整理してみると
今回確認したものを並べると、こんな違いがありました。
| サービス・検査 | 主な検査内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| YorkTest Food Allergy Test | IgE | 食品・環境アレルゲンを検査 |
| YorkTest Food Sensitivity Test | IgG | 食品に対するIgGを検査 |
| YorkTest Allergy+Sensitivity | IgE+IgG | 2種類の検査を組み合わせたもの |
| Pinnertest | IgG | 食物アレルギーのIgE検査ではない |
| 医療機関のアレルギー検査 | 問診・IgEなど | 症状と検査結果を合わせて判断 |
特に注意したいのが、「Food Allergy」と「Food Sensitivity」は名前が似ていても、同じ検査ではないということです。
ここを知らずに商品を選ぶと、「アレルギーを調べるつもりだったのに、違うものを調べていた」ということにもなりかねません。
結局、海外製のアレルギー検査キットは信用できる?
調べてみると、海外製だから信用できない、という単純な話ではありませんでした。
海外には、自宅で採血してIgEを調べる検査キットが実際に販売されています。
一方で、IgGを使ってたくさんの食品を調べるタイプもあり、こちらは食物アレルギーを診断する検査としては推奨されていません。
そして今回確認したYorkTestの米国向けサイトには、実際にFood Allergy Testの購入ページがありました。
ただし、日本から注文・利用できるかどうかは確認できませんでした。日本向けの正規代理店についても確認できていません。
結局のところ、「海外製」というだけで判断するのではなく、そのキットが何を調べているのかを確認することが大切でした。
自宅でできる検査は便利ですが、結果が出たからといって、それだけで食べられるものを決めてしまうのではなく、実際の症状と合わせて考える。
もしアレルギーが疑われる症状があるなら、検査結果を持って医療機関に相談するのが安心です。
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