「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「検査で卵が陽性だったから、一生食べられないんですよね?」
アレルギーの検査を受けたあと、そんなふうに思ってしまうのは無理もありません。
一度「陽性」と言われると、その食品はずっと危険なもの。そんなイメージがありますよね。
でも、子どもの食物アレルギーを調べていくと、少し違った景色が見えてきます。
成長するにつれて、以前は食べられなかった食品を食べられるようになる子は実際にいます。
では、「陽性」という結果は一体何を意味しているのでしょうか?
そもそも「検査が陽性」と「アレルギー」は同じ?
ここが最初に知っておきたいところです。
アレルギー検査では、血液中の特異的IgE抗体を調べたり、皮膚プリックテストを行ったりします。
検査で陽性になるというのは、その食品などに対して免疫が反応する状態、つまり感作されている可能性があるということです。
でも、それだけで「その食品を食べたら必ず症状が出る」と決まるわけではありません。
実際、食物特異的IgEが陽性でも、実際にはその食品を食べられる人がいます。医学的にも、検査結果だけで食物アレルギーを確定するのではなく、食べたときの症状や経過などと合わせて判断することが重要とされています。
「陽性」は、
「一生食べられない」という判定ではありません。まずここを分けて考えるだけでも、アレルギー検査の見え方が変わってきます。
本当にアレルギーだったとしても、治ることがある
さらに面白いのはここです。
仮に、検査だけではなく、実際に食べたことで症状が出て「食物アレルギー」と診断されたとしても、それが一生続くとは限りません。
特に子どもの食物アレルギーでは、成長とともに耐性を獲得することがあります。
「治る」という言葉を使うこともありますが、研究では「その食品を食べても症状が出なくなる」という意味で、耐性の獲得として評価されることが多くあります。
卵アレルギーではどうだった?
日本で行われた研究では、即時型の卵アレルギーがあった子ども226人を追跡しています。
その結果、卵を食べられるようになった割合は、
| 年齢 | 卵を食べられるようになった割合 |
|---|---|
| 3歳まで | 30% |
| 5歳まで | 59% |
| 6歳まで | 73% |
という結果でした。
もちろん、すべての子どもが同じ経過をたどるわけではありません。
それでも、「一度アレルギーになったら一生」というイメージとは、かなり違いますよね。
別の前向き研究でも、6歳までに卵アレルギーが解消した子は89%だった一方、ピーナッツアレルギーでは29%でした。
食品によって、かなり違いがあることも分かります。
牛乳も食べられるようになる子がいる
牛乳アレルギーについても、同じような研究があります。
乳幼児期に牛乳アレルギーと診断された子ども244人を追跡した研究では、約半数が追跡期間中に牛乳アレルギーを解消していました。耐性を獲得した年齢の中央値は約5歳でした。
もちろん、「5歳になれば半分の子が必ず食べられる」という意味ではありません。
アレルギーの強さや検査値、アトピー性皮膚炎の状態などによって経過は変わります。
それでも、成長とともに食べられるようになる可能性があることは、知っておいていい情報です。
じゃあ、検査の数字が下がれば食べられる?
ここで新しい疑問が出てきます。
「IgEの数字が下がってきたから、もう食べてもいいの?」
これは自己判断では決められません。
特異的IgEの値や皮膚プリックテストの大きさは、アレルギーが続いている可能性を判断する材料にはなります。
ただし、数字だけで「今日から食べられる」と判断するものではありません。
実際の食物アレルギーでは、症状の経過と検査結果を組み合わせて、医師が再評価します。
必要に応じて行われるのが食物経口負荷試験です。
「もう食べられる」をどうやって確認する?
食物経口負荷試験は、医療機関で少量から食品を食べ、症状が出るかどうかを確認する検査です。
これは、食物アレルギーの診断だけでなく、以前はアレルギーだった食品が、現在は食べられるようになっているかを確認するためにも使われます。
ここが大切です。
「検査が陽性だから一生除去」
でもなければ、
「検査の数字が下がったから家で食べてみよう」
でもありません。
その間に、医師の判断で再評価する段階があります。
「もう食べられるかもしれない」
という可能性が出てきたときこそ、
自己判断で試すのではなく、どう確認するかが大切です。
ずっと陽性のままでも、症状が出ないことはある?
ここも少しややこしいところです。
実際に食べられるようになったあとでも、血液検査や皮膚検査がすぐに完全な陰性になるとは限りません。
つまり、
「検査が陽性=症状が出る」
という単純な関係ではありません。
逆に、検査の数字が低くても症状が出る人もいます。
だから、検査結果は「アレルギーの有無を一発で決める数字」というより、症状やこれまでの経過と一緒に見る材料の一つと考えたほうが分かりやすいでしょう。
すべてのアレルギーが治るわけではない
ここまで読むと、
「じゃあ、子どもの食物アレルギーはほとんど治るの?」
と思うかもしれません。
そこは注意が必要です。
食品によって自然に耐性を獲得しやすさは違います。
一般的には、牛乳や卵は成長とともに食べられるようになる子が比較的多い一方、ピーナッツや木の実類などは長く続くことがあります。
また、同じ食品でも一人ひとり経過は違います。
たとえばピーナッツアレルギーについて、1歳時点で食物経口負荷試験によって確認された子どもを追った研究では、4歳までに22%が耐性を獲得していました。
「治る・治らない」を食品名だけで決めることはできません。
一度陽性になったら、一生アレルギー?
ここまで調べてみると、最初の疑問への答えが少し見えてきます。
一度検査が陽性になったからといって、それだけで一生アレルギーとは言えません。
そもそも検査陽性は、実際に症状が出る「食物アレルギー」と同じ意味ではありません。
そして、本当に食べると症状が出る食物アレルギーだったとしても、子どもの成長とともに耐性を獲得するケースがあります。
特に卵や牛乳では、実際に食べられるようになった子どもを追跡した研究が複数あります。
だから、「陽性だった」という過去だけを見て、
「この子は一生食べられない」
と決めつける必要はありません。
ただし、だからといって自己判断で食べ始めるのも違います。
アレルギーが変化している可能性があるなら、診察や検査を受けながら、必要に応じて食物経口負荷試験などで現在の状態を確認する。
「陽性だった」という過去ではなく、「今どうなのか」を確認していく。
子どものアレルギーでは、そんな視点も大切なのかもしれません。
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