「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「裸足で土の上を歩くと、自然のエネルギーを体に取り込める」
そんな話を聞いたことはありませんか?
「アーシング」や「グラウンディング」と呼ばれる健康法で、芝生や土、砂浜などに裸足で触れることで、地球と直接つながるというものです。
健康法として紹介されるだけでなく、
「アーシングで炎症が減る」
「免疫が整う」
「アレルギーにも良い」
といった話も見かけます。
自然の中で裸足になるだけなら簡単ですし、「それでアレルギーまで良くなるなら試してみたい」と思う人もいるでしょう。
実際に研究を調べてみると、アーシングと炎症や免疫について研究した例はありました。
ただ、アレルギーについては、もう少し慎重に見たほうがよさそうです。
そもそもアーシングって何?
アーシングは、裸足で地面に立ったり歩いたりして、人体と地球の表面を直接つなぐという考え方です。
「グラウンディング」と呼ばれることもあります。
屋外で裸足になる方法だけでなく、導電性のマットやシートなどを使って、身体を地面と電気的につなぐ方法も研究されています。
アーシングの研究では、単に「自然の中にいること」ではなく、身体と地面が電気的につながることがポイントになっています。
| 方法 | 例 |
|---|---|
| 屋外 | 土・芝生・砂浜などを裸足で歩く |
| 屋内 | 導電性のマットやシートを使う |
| 研究 | 電極などを使って地面と接続する |
では、本当に地面とつながることで、体に何か変化が起こるのでしょうか?
アーシングで炎症に変化が起こる研究はある?
ここは意外なところです。
アーシングについては、身体を地面につないだときの炎症や免疫反応を調べた研究があります。
2015年のレビューでは、アーシングによって白血球やサイトカインなど、炎症反応に関係する指標に変化が見られた研究が紹介されています。
また、運動後の筋肉痛を利用した小規模な研究では、アーシングを行ったグループで、痛みや白血球などの変化が観察されています。
つまり、
「アーシングについて、体の生理的な変化を研究した例がある」
これは確かです。
ただし、ここで注意したいのが、炎症に関係する指標が変化したことと、アレルギーが改善したことは同じではないということです。
炎症が変わるなら、アレルギーにも良いの?
アレルギー疾患では、免疫反応や炎症が症状に関係しています。
アレルギー性鼻炎なら鼻の粘膜、アトピー性皮膚炎なら皮膚、喘息なら気道などで炎症が起こります。
そのため、
「炎症に影響するなら、アレルギーにも良いのでは?」
と考えたくなるのは自然です。
ただ、医学的には、
炎症に変化が起こる
↓
アレルギー症状が改善する
というところまで、実際に人を対象とした研究で確認する必要があります。
アーシング研究で炎症に関する変化が報告されているからといって、アレルギーにも効果があるとはまだ言えません。
アーシングでアレルギーが改善した研究はある?
ここを掘ってみると、かなり大きな違いが見えてきます。
アーシングについては、炎症、痛み、睡眠などを調べた研究があります。
一方で、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などを対象にして、アーシングによって症状が改善したことを十分な臨床研究で確認したとは言えません。
つまり、
「アーシングと炎症について研究されている」
ことと、
「アーシングでアレルギーが改善する」
ことは別です。
| 調べられていること | 現在の状況 |
|---|---|
| 炎症に関係する指標 | 変化を報告した研究あり |
| 免疫反応 | 変化を報告した研究あり |
| 痛み | 改善を報告した小規模研究あり |
| 睡眠 | 改善を報告した研究あり |
| アレルギー性鼻炎 | 改善を裏付ける十分な研究は不足 |
| アトピー性皮膚炎 | 改善を裏付ける十分な研究は不足 |
| 食物アレルギー | 改善を示す十分な研究は不足 |
こうして並べてみると、アレルギーについてはまだ研究の途中という段階です。
「自然エネルギーを取り込む」って本当?
アーシングを説明するときには、
「地球の表面にある電子が体に移動する」
という考え方が使われています。
アーシングに関する研究でも、地球表面との電気的な接触によって身体に生理的な変化が起こる可能性について説明されています。
ただし、ここには注意が必要です。
「地球と身体が電気的につながる」という説明と、
「自然のエネルギーを取り込むことで免疫力が上がり、アレルギーが治る」
という説明は同じではありません。
後者まで科学的に確認されたわけではありません。
アーシングで身体に生理的な変化が起こる可能性を研究することと、「自然のエネルギーでアレルギーが治る」と証明することには、大きな差があります。
この部分は、アーシングを考えるうえでかなり重要です。
裸足で自然の中を歩くことには意味がない?
では、アーシングでアレルギーが改善するとは確認されていないなら、裸足で自然の中を歩く意味もないのでしょうか?
そこは別の話です。
外に出て歩く。
芝生や砂浜で過ごす。
自然の中でゆっくりする。
こうした行動そのものには、運動や気分転換など、さまざまな意味があります。
特に「アーシングをしよう」と思って外に出ることで、結果的に体を動かしたり、リラックスする時間が増えたりすることもあります。
ただし、それらはアーシング特有の効果とは分けて考える必要があります。
「自然の中で過ごして気持ちがいい」という実感と、「地面から電子を取り込んでアレルギーが改善する」という科学的な主張は、同じものではありません。
アーシングだけでアレルギーを治そうとしてもいい?
ここは注意したいところです。
現時点では、アーシングによってアレルギー疾患が改善することは十分に確認されていません。
そのため、アレルギーの治療を受けている人が、薬や医師から指示された治療をアーシングだけに置き換えるのは避けたほうがよいでしょう。
特に喘息やアナフィラキシーなど、症状が強くなると危険なアレルギーでは、根拠が十分ではない方法だけに頼るのは危険です。
一方で、健康法として自然の中を歩いたり、裸足で芝生などに触れたりすることまで否定する必要はありません。
「アレルギーを治す方法」としてではなく、生活の中で自然に触れる時間として楽しむなら、意味合いは変わってきます。
アーシングで自然エネルギーを取り込めば、アレルギーは改善できる?結局どうなの?
今回調べてみると、アーシングには興味深い研究がありました。
身体を地面につなぐことで、炎症や免疫反応に関係する変化を調べた研究は実際にあります。
そのため、「アーシングについて科学的な研究はまったくない」というわけではありません。
ただ、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどがアーシングによって改善することを十分に確認した研究は、現時点ではありません。
「自然のエネルギーを取り込むことでアレルギーが改善する」というところまで話を広げるには、まだ研究が足りないようです。
それでも、裸足で芝生や土に触れたり、自然の中を歩いたりすること自体には、運動や気分転換など別のメリットがあります。
アーシング=アレルギー改善と決めつける段階ではない。
でも、身体と地面がつながることで何が起こるのかについては、今後も研究を見ていく価値がありそうです。
コラム・レビューの新着
よく読まれている記事



コメント