「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
花粉症にはユーカリがいい。鼻づまりにはペパーミント。アロマを使ったら症状が楽になった。
こうした話を見かけることがあります。
アロマといえば、いい香りを楽しんだり、リラックスしたりするイメージがありますが、アレルギーにも関係があるのでしょうか。
結論からいうと、アロマテラピーでアレルギーそのものが治るとは、現時点では言えません。
ただし、アレルギー性鼻炎の症状について、特定の精油やアロマテラピーを使った研究は実際にあります。そして研究の中には、鼻づまりなどの症状や生活の質に変化が見られたものもあります。
一方で、精油そのものが皮膚のアレルギー反応を起こすこともあります。
つまりアロマテラピーは、「アレルギーに効く」「効かない」の二択では、ちょっと説明しにくいもののようです。
今回は、アロマテラピーとアレルギーの関係を整理してみます。
まず、アロマテラピーとは?
アロマテラピーは、植物から取り出した精油(エッセンシャルオイル)を利用する方法です。
使い方はいろいろあります。香りを吸い込むこともあれば、薄めたものを肌に使うこともあります。アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)でも、アロマテラピーは植物由来の精油を吸入したり、希釈して皮膚に使用したりする補完的な健康アプローチとして紹介されています。
ここで大事なのは、アロマ=ただの香りではないということです。
精油には植物由来のさまざまな成分が含まれています。そのため、「好きな香りを楽しむ」という話と、「精油の成分が体にどう影響するか」という話は、分けて考えた方が分かりやすそうです。
アロマでアレルギーは治る?
ここは、はっきり分けておきます。
アロマテラピーでアレルギーそのものが治るとは、現時点では言えません。
例えば花粉症やアレルギー性鼻炎では、アレルゲンに対して免疫が反応し、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどが起こります。
アロマを使って鼻が楽になったとしても、それだけでアレルギーの体質や免疫反応そのものが変わったとは言えません。
ただし、ここで「じゃあアロマは意味がない」となるわけでもありません。
症状が楽になることと、アレルギーが治ることは別の話です。
この違いを見ると、アロマテラピーについて少し整理しやすくなります。
アレルギー性鼻炎で調べた研究はある
あります。
2016年には、通年性アレルギー性鼻炎の成人54人を対象に、サンダルウッド、ゼラニウム、ラベンサラを含むアロマオイルを吸入するグループと、プラセボを比較したランダム化比較試験が行われました。
その結果、アロマオイルを使用したグループでは、鼻症状の改善が見られ、特に鼻づまりで改善が報告されました。また、鼻炎に関する生活の質や疲労感にも改善が見られました。
最近では、マスクに精油を使用するアロマテラピーについて、アレルギー性鼻炎の症状への影響を調べたランダム化比較試験も報告されています。
ここを見ると、
「アロマなんて、ただいい匂いを嗅いでいるだけ」
とも言い切れなさそうです。
少なくとも、アレルギー性鼻炎の症状との関係を実際に調べている研究はあります。
ただ、ここで注意したいのは、研究がある=アレルギー治療として確立されている、ではないということです。
研究の規模や使用する精油、使い方はそれぞれ違います。アロマテラピー全体について「アレルギーに効く」とまとめることはできません。
ユーカリは花粉症にいい?
アロマと鼻づまりの話になると、よく名前が出るのがユーカリです。
実際、2025年には、ユーカリオイルとアレルギー性鼻炎について、過去の臨床試験をまとめたシステマティックレビューが発表されています。
このレビューでは、1,772件の文献から条件に合った3件の臨床試験が分析されました。その結果、症状や生活の質について改善の可能性が示されました。一方で、分析できた研究は3件だけであり、今後さらに研究が必要だとされています。
つまり、ユーカリについても、
花粉症が治ると確認された
という話ではありません。
現時点では、アレルギー性鼻炎の症状を楽にする可能性について研究されている段階と考えるのが近そうです。
ペパーミントで鼻がスーッとするのは?
ペパーミントの香りを嗅ぐと、鼻がスーッとした感じがすることがあります。
ただ、ここは少し注意が必要です。
「スーッと感じる」ことと、「鼻の通り道が実際に広がった」ことは同じとは限りません。
メントールの刺激によって、鼻が通ったように感じることがあります。本人にとって楽に感じること自体は悪いことではありませんが、その感覚だけで「鼻づまりが治った」と判断するのは別の話です。
アロマの話では、このあたりが少し混ざりやすいところです。
症状が治った
と
症状が楽に感じた
は同じではありません。
でも、アレルギーで毎日つらい人にとって、「少し楽に感じる」ことに意味がないわけでもありません。
逆に、アロマがアレルギーの原因になることもある
ここは、アレルギーがある人ほど知っておきたいところです。
精油は植物由来ですが、自然のものだから必ず安全というわけではありません。
NCCIHでも、精油が皮膚に長時間触れた場合などに、アレルギー反応や皮膚刺激が起こることがあるとしています。
実際、アロマテラピー製品がアレルギー性接触皮膚炎の原因になる可能性を示した報告もあります。
ここは注意
「アレルギーに良さそうなアロマ」
と
「アレルギーがある人でも安全なアロマ」
は、同じ意味ではありません。
例えば、花粉症の鼻づまりを楽にしたくてアロマを使っても、その精油が肌に合わず、かゆみや赤みなどを起こす可能性はあります。
特に、精油を肌に直接使う場合は注意が必要です。
じゃあ、アロマテラピーは意味ある?
今回調べてみた範囲では、こんな整理が一番分かりやすいと思います。
| アロマテラピーに期待すること | 現時点での考え方 |
|---|---|
| アレルギーを治す | 確立された治療法ではない |
| 鼻炎症状を楽にする | 一部の研究がある |
| 気分をリラックスさせる | 香りの利用目的の一つ |
| 生活を少し楽にする | 人によっては可能性がある |
| 誰でも安全に使える | そうとは言えない |
今回の記事の答えは、たぶんここです。
香りだけでアレルギーが治るとは言えません。
でも、特定の精油やアロマテラピーについて、アレルギー性鼻炎の症状との関係を調べた研究はあります。
そして、症状が少し楽になることと、アレルギーそのものが治ることは別です。
この二つを一緒にしなければ、アロマテラピーとの付き合い方も少し分かりやすくなりそうです。
まとめ
アロマテラピーは、アレルギーを治すための確立された治療法ではありません。
一方で、アレルギー性鼻炎については、アロマオイルやユーカリなどを使い、鼻づまりや生活の質への影響を調べた研究があります。研究結果には改善を示したものもありますが、まだ「これでアレルギーが治る」と言える段階ではありません。
また、精油そのものが皮膚刺激やアレルギー反応の原因になることもあります。
今回の結論
アロマテラピーでアレルギーそのものが治るとは言えない。
ただし、特定のアロマや精油について、アレルギー性鼻炎の症状を楽にする可能性を調べた研究はある。
使う場合は「自然のものだから安全」と考えず、自分や家族に合っているかも確認したい。
「アロマでアレルギー改善」と聞くと、つい怪しい話か、すごい治療法かのどちらかに分けたくなります。
でも実際は、その間にある話でした。
治療の代わりになるものではない。でも、症状との付き合い方の一つとして研究されている部分はある。
今回調べた限りでは、そんな位置づけが一番近そうです。
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