「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「自宅で指先をちょっと刺して、血液を郵送するだけでアレルギー検査ができる」
最近は、そんな検査キットがあります。
病院で受けるアレルギー検査と比べると、どうしても気になるのが**「郵送して大丈夫なの?」**というところ。
血液を自分で採って、ポストに入れて送る。
なんとなく、途中で血液が変わったり、検査結果が不正確になったりしそうな気もしますよね。
じゃあ実際のところ、「郵送する」という方法そのものが、アレルギー検査の正確さを下げるのでしょうか?
郵送型のアレルギー検査は実際にある
まず、これは本当にあります。
現在販売されている郵送型のアレルギー検査では、自宅で指先から少量の血液を採り、それを検査機関へ送って、血液中の特異的IgE抗体を調べるものがあります。
特異的IgEというのは、特定のアレルゲンに対するIgE抗体のこと。花粉やダニ、食べ物など、それぞれのアレルゲンに対する反応を血液から調べる検査です。
実際に郵送型のサービスを見ると、指先から約0.1mLの血液を採取して検査機関へ送り、到着後に検査する仕組みになっています。
つまり、
「血液を郵送するから、そもそも検査として成立しない」
というわけではありません。
では、郵送している間に血液は大丈夫なのでしょうか。
「郵送=検査結果が不正確」ではない
ここが今回いちばん気になったところです。
実は、指先から採ったごく少量の血液を使ってIgEを測定する方法については、研究もあります。
ある研究では、指先から採取した血液と通常の静脈採血による検体を比較し、アレルゲン特異的IgEの結果について、調べた項目ではアレルゲンクラスが一致しました。
また、紙に染み込ませた微量の血液を使ったIgE検査についても、血清を使った検査とほぼ同じ結果が得られたという研究があります。
なので、少なくとも**「少量の血液だからダメ」「指先から採った血液だからダメ」**とは言えません。
郵送型の検査でも、適切に採取された検体を、適切な方法で検査すれば、特異的IgEを測定すること自体は可能です。
ただし、ここで一つ注意したいことがあります。
「郵送できる」ことと、「どんな郵送検査でも正確」ということは別です。
実は「郵送」より大事なところがある
検査結果に影響するのは、郵送という言葉だけではありません。
そもそも血液検査では、検体の状態が悪かったり、採取量が足りなかったりすると、検査を受け付けられない場合があります。実際の検査機関でも、溶血、凝固、採取量の過不足などを検体の受け入れ基準として確認しています。
自宅で採血するタイプなら、
ちゃんと必要量を採れたか
決められた方法で処理できたか
指定された方法で返送できたか
といったところが重要になってきます。
だから「郵送だから精度が低い」というより、自宅で採取するところから検査機関に届くまでの仕組みがきちんと設計されているかを見るほうが大切なんですね。
ここが大事
郵送そのものがアレルギー検査を不正確にするわけではありません。
見るべきなのは、
- 何を検査しているのか
- どんな方法で採血するのか
- 必要な検体量は確保できるのか
- どこで検査しているのか
- 検査方法が明らかになっているか
といった部分です。
「特異的IgEを測る検査」なら病院と同じなの?
ここは少しややこしいところ。
郵送型の検査にも、特異的IgEを測定するものがあります。
一方、病院でも特異的IgEの血液検査が行われています。日本アレルギー学会が運営するアレルギーポータルでも、特異的IgE抗体検査は血液中のIgE抗体を調べる代表的なアレルギー検査として紹介されています。
なので、
「郵送検査だから、病院とはまったく違う検査をしている」
とは限りません。
実際、郵送型サービスの中にも、特異的IgEを測定し、登録衛生検査所などで検査するものがあります。
ただし、だからといって、
「郵送検査=病院で受けるアレルギー診療と完全に同じ」
と考えるのも違います。
病院では、検査結果だけを見るのではなく、症状や症状が出たときの状況なども含めて判断します。
そもそも「特異的IgEが陽性=アレルギー」ではない
ここは郵送検査を考えるうえで、かなり大事なポイントです。
例えば、検査で卵に対する特異的IgEが陽性だったとします。
それだけで、「この人は卵アレルギーです」と決められるわけではありません。
特異的IgEが検出されても、実際には症状がない人もいます。アレルギーポータルでも、IgE抗体が検出されたからといって、症状がなければ必ずしもアレルギーとはいえないと説明されています。
食物アレルギーでは特にこの点が重要で、特異的IgE陽性は「その食品に感作されている」ことを示すもので、実際に食べたときの症状と必ず一致するわけではありません。
つまり、郵送検査の問題というより、血液検査そのものに「分かること」と「分からないこと」があるということです。
じゃあ、郵送検査は信用できないの?
ここまで調べてみると、ちょっと意外な答えになりました。
「郵送だから正確ではない」とは言えません。
指先から採った微量の血液でも、特異的IgEを測定することはできます。実際に、指先採血と静脈採血を比較した研究でも、アレルゲン特異的IgEの測定について一致が確認されています。
ただし、郵送型検査で分かるのは、あくまでその検査が測定している項目についての結果です。
そして、その結果だけでアレルギーの原因を確定できるわけではありません。
特に食物アレルギーでは、症状の経過や食べた量、食べてから症状が出るまでの時間などを含めて判断し、必要であれば食物経口負荷試験などを行います。
「郵送するだけ」が気になっていたけど
最初は、
「血液を郵送するだけって、本当に大丈夫なん?」
という疑問でした。
でも調べてみると、問題は「郵送」という部分だけではありませんでした。
自宅で採った微量の血液から特異的IgEを測る方法そのものには研究があり、郵送型のサービスでも実際に特異的IgEを測定しています。
一方で、採血や検体の扱いが適切でなければ検査に影響する可能性がありますし、そもそも特異的IgEの結果だけではアレルギーの診断までできません。
なので、
「郵送だから信用できない」ではなく、「何を、どうやって採って、どこで、何の検査をしているのかを見る」
というのが、一番しっくりくる答えでした。
郵送という方法だけを理由に、検査結果を信用できないと決めつける必要はなさそうです。
ただ、検査結果が陽性だったからといって、自己判断で食べ物を除去したり、逆に陰性だから大丈夫と判断したりするのは別の話。そこは検査結果だけで決めず、症状がある場合は医療機関で相談することが大切です。
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