「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「この血液型はアレルギーになりやすい」
そんな話を聞いたことはありませんか?
血液型といえば、性格の話ではよく登場します。
でも、アレルギーについても「O型はなりやすい」「A型はなりにくい」といった話があります。
性格の話なら軽く聞き流せても、アレルギーとなると少し気になりますよね。
もし血液型によってアレルギーになりやすさが違うなら、自分や子どもの血液型から、ある程度の体質が分かるのでしょうか。
調べてみると、血液型とアレルギーの関係を調べた研究は、実際にありました。
しかも、O型だけの話ではありません。
血液型とアレルギーを調べた研究がある
ABO式血液型は、赤血球の表面にあるA抗原やB抗原などの違いによって決まります。
輸血のときに使われる分類として知られていますが、ABO血液型に関係する仕組みは赤血球だけに存在するものではありません。
血管や粘膜などにも関係していて、感染症や炎症との関連も研究されています。
アレルギーについても、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎などを対象に研究が行われています。
2020年のスコーピングレビューでは、ABO血液型とアレルギー疾患の関係を調べた研究がまとめられました。
14件の研究が対象となり、その多くで何らかの関連が報告されています。
ただし、どの血液型がどのアレルギーになりやすいのかについて、研究結果がきれいに一致しているわけではありません。
血液型とアレルギーを結びつける研究は実際にあります。ただ、研究結果はまだ一つにまとまっていません。
O型はアレルギー性鼻炎になりやすい?
血液型とアレルギーの話で、よく名前が出てくるのがO型です。
2011年に発表された研究では、アレルギー性鼻炎の患者168人と健康な168人を比較しました。
全体では血液型の分布に大きな違いはありませんでした。
ところが、O型について調べると、アレルギー性鼻炎との関連が確認されました。
しかも、この関連は男性では見られたものの、女性では確認されませんでした。
2019年の別の研究でも、アレルギー性鼻炎の患者100人と健康な100人を比較したところ、O型の割合が高く、O型との関連が報告されています。
「やっぱりO型はアレルギー性鼻炎になりやすいのでは?」
と思いたくなります。
ところが、研究を並べてみると、そんなに単純ではありません。
血液型とアレルギーについて報告されている研究
| アレルギー疾患 | 報告されている血液型との関連 | 研究の状況 |
|---|---|---|
| アレルギー性鼻炎 | O型との関連を報告した研究あり | 結果は一貫していない |
| 喘息 | O型・B型などとの関連を報告した研究あり | 結果は一貫していない |
| アトピー性皮膚炎 | 特定の血液型との関連を報告した研究あり | 研究数が限られる |
| アレルギー疾患全体 | ABO血液型との関連を調べた研究あり | さらに研究が必要 |
血液型とアレルギーの関係をまとめたレビューでも、疾患によって報告される血液型が違っています。
この時点で、「O型=アレルギー体質」とするのは難しそうです。
A型・B型・O型・AB型で違いはある?
研究では、O型だけが調べられているわけではありません。
A型、B型、AB型についても、アレルギー疾患との関係が調べられています。
ただ、ここでも結果はばらばらです。
| 血液型 | 研究で見られること | 現時点で言えること |
|---|---|---|
| A型 | 一部のアレルギー疾患との関連を報告 | アレルギー体質とは判断できない |
| B型 | 喘息などとの関連を報告した研究がある | アレルギー体質とは判断できない |
| O型 | アレルギー性鼻炎との関連を報告した研究がある | O型だけで発症しやすさは判断できない |
| AB型 | 一部の疾患との関連を調べた研究がある | 明確な傾向は確立していない |
血液型によって何らかの違いが見つかる研究はあります。
でも、「この血液型ならこのアレルギー」というほどはっきりした関係にはなっていません。
どうして血液型がアレルギーと関係するの?
ここはちょっと興味深いところです。
「血液型なんて、輸血のときの違いじゃないの?」
と思ってしまいますよね。
ABO血液型を決めている遺伝子は、細胞表面にある糖鎖の構造に関係しています。
こうした構造は、細胞と周囲の物質との関わりや、微生物との相互作用にも関係しています。
そのため、血液型と免疫や炎症との関係が研究されています。
2025年の系統的レビューでも、ABO血液型とアレルギー疾患との関係について、IgEやサイトカインなどの免疫反応とのつながりが検討されています。
アレルギーではIgEが重要な役割を持っています。
血液型と免疫反応に何らかの関係があるなら、アレルギーにも影響する可能性はないのか。
そんなところから研究が続いているわけです。
「血液型とアレルギー」という話には、免疫や炎症との関係を調べる研究上の理由があります。単なる血液型占いの延長ではありません。
血液型でアレルギー体質が分かる?
研究があるなら、血液型を調べればアレルギー体質も分かりそうです。
でも、現在のところ、そこまでのことはできません。
| 血液型から分かる? | 現時点での答え |
|---|---|
| アレルギー体質かどうか | ✕ 判断できない |
| 食物アレルギーになりやすいか | ✕ 判断できない |
| アレルギー性鼻炎になりやすいか | ✕ 血液型だけでは判断できない |
| 喘息になりやすいか | ✕ 血液型だけでは判断できない |
| 研究上、何らかの関連があるか | ○ 関連を報告した研究はある |
研究の中で血液型の割合に違いが見つかることと、その情報を使って一人ひとりの発症リスクを予測できることは別です。
たとえばO型とアレルギー性鼻炎の関連を報告した研究があったとしても、「O型の子どもは将来アレルギー性鼻炎になる」と予測できるわけではありません。
アレルギーには、遺伝的な要素、皮膚の状態、免疫の働き、生活環境など、さまざまな要因が関係しています。
血液型だけで、その一部を説明できるほど単純ではありません。
アレルギーの検査で血液型を見ることはある?
普段のアレルギー診療では、血液型を使ってアレルギー体質を判断することはありません。
症状やこれまでの経過を確認し、必要に応じて血液検査で特異的IgEを調べたり、皮膚テストを行ったりします。
ここで調べるのは「A型かO型か」ではなく、どのアレルゲンに対してIgE抗体が作られている可能性があるかです。
血液型検査とアレルギー検査は、目的がまったく違います。
血液型はアレルギーを診断するための検査ではありません。
「O型だからアレルギー体質」は本当?
今回調べてみると、ちょっと意外な結果でした。
血液型とアレルギーの関係を調べた研究は、ちゃんとあります。
O型とアレルギー性鼻炎の関連を報告した研究もあります。
喘息やアトピー性皮膚炎についても、血液型との関連を調べた研究があります。
一方で、関連が見つからなかった研究や、別の血液型との関係を報告した研究もあります。
研究結果がそろっていない以上、「O型はアレルギー体質」と決めつけることはできません。
2020年のレビューでも、ABO血液型とアレルギー疾患との関連について予備的な証拠はあるものの、関係をはっきりさせるにはさらなる研究が必要とされています。
2025年の系統的レビューでも、血液型とアレルギー疾患との関係について研究が続いています。
血液型と免疫の関係が、今後さらに詳しく分かってくる可能性はあります。
ただ、今のところ、
「血液型とアレルギーには何らかの関係がある可能性は研究されている。でも、血液型だけでアレルギー体質を判断することはできない」
というところです。
「うちの子O型だから、アレルギーになりやすいのかな?」
と心配する必要はありません。
アレルギーが気になるときは、血液型よりも、実際にどんな症状が出ているのか、いつ起こるのか、何を食べたあと・何に触れたあとに起こるのか。
そちらのほうが、ずっと具体的な手がかりになります。
血液型とアレルギー。
調べてみると、完全な迷信とも言い切れない。でも、血液型占いのように簡単に体質を判断できるものでもない。
今は、そんな少し不思議な位置にある話でした。
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