エピペンとは、アナフィラキシー緩和の自己注射薬
食物アレルギーのあるお子さんの保護者から、「エピペンを預かってください」と言われることがあります。エピペンは、アナフィラキシーという急な重いアレルギー症状が出たときに使う、アドレナリンの自己注射薬です。
「注射」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、預かる側として押さえておきたいポイントは、実はそれほど多くありません。今日は、エピペンを預かるときに確認しておきたいことと、アナフィラキシーが起きたときの初期対応について整理してみます。
エピペンを預かる前に確認したいこと
- 保管場所:子どもの手が届かず、かつ先生がすぐに取り出せる場所か
- 保管場所を、全ての教職員が把握しているか
- 管理者(担任・養護教諭・園長等)が不在のときの対応方法を、あらかじめ決めているか
- 使用期限が近づいていないか(保護者と一緒に定期的に確認する)
- 保管温度(15〜30℃が目安とされる。冷所や直射日光の当たる場所は避ける)
エピペンの成分は光や熱の影響を受けやすいとされているため、携帯用のケースに入れたまま保管し、使うときまで取り出さないことが望ましいとされています。
誰が、いつ注射するのか
エピペンは、本来は本人か保護者が自分で注射する目的で作られた薬です。ただし、本人が注射できない状況で、居合わせた教職員が代わりに注射することは、反復継続する意図がないと認められるため、医師法違反にはならないとされています。
とはいえ、「誰が」「どのタイミングで」注射するかを、面談の段階で決めておくことが大切です。
- 症状が軽そうでも、迷ったら使う方針にするか
- 症状の程度によって対応を変えるか
- 誰が注射の判断をするか(担任・養護教諭・園長等)
使用のタイミングは、症状がある程度進行してからではなく、初期のうちに注射する方が効果的とされています。ただし、子どもの重症度や既往によって差があるため、保護者を通じて処方医に確認しておくと安心です。
実際の使い方は、文章だけだとイメージしづらい部分です。エピペン製造元のヴィアトリス製薬が運営する公式サイトでは、教職員・保育士向けに、写真付きで使用手順を確認できるページが用意されています。事前に一度目を通しておくと安心です。
アナフィラキシーの初期対応
アナフィラキシーが疑われるときは、初期対応が重要です。基本的な流れを知っておくと、いざというときに動きやすくなります。
- 誤食・症状に気づいたら、まず子どもの様子を観察する
- 呼吸が苦しそうなときは座らせる、意識がもうろうとしているときは横向きに寝かせる
- エピペンを使用する(処方されている場合、方針に沿って)
- 救急要請(119番)をする
- 保護者に連絡する
エピペンを使用したかどうかに関わらず、症状が出た後は数時間は経過を見る必要があるとされています。一度落ち着いたように見えても、時間を置いて症状がぶり返すことがあるため、自己判断で「もう大丈夫」と済ませず、医療機関を受診することが基本です。
職員間の情報共有も忘れずに
エピペンを預かる子がいることは、担任だけでなく、関わる可能性のある職員全体で共有しておきたい情報です。
- 全職員に共有するか、関係職員のみにとどめるか
- 担任が不在のとき、誰が代わりに対応するか
- 他の子どもが誤ってエピペンに触れないよう、保管場所の安全性をどう確保するか
情報の共有範囲や、担任不在時の対応は、面談の際に保護者と一緒に確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
面談で確認しておきたいポイントについては、「保護者面談時に先生からの確認ポイント」でも詳しく紹介しています。
まとめ
エピペンを預かることは、決して特別に難しいことではありません。保管場所・使うタイミング・職員間の共有方法を、事前に保護者と一緒に確認しておくことが、いざというときの落ち着いた対応につながります。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、対応は園・学校によって異なります。詳しくは免責事項をご確認ください。この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、実体験と公開情報をもとにまとめています。
参考にした情報源
- 山梨大学医学部附属病院 アレルギーセンター「学校でのエピペンの保管方法の具体例を教えてください」
- こども家庭庁「保育所におけるアレルギー対応ガイドラインQ&A」
- 一般社団法人日本アレルギー学会「アレルギーを知ろう/Q&A」
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