「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「家のカビをなくしたら、アレルギーが良くなった」
そんな話を聞いたことはありませんか?
梅雨の時期や、結露しやすい窓のまわり。気づいたら黒いカビが出ていて、「これ、アレルギーにも関係あるんちゃう?」と気になることがありますよね。
特に、喘息やアレルギー性鼻炎がある人なら、家のカビを見つけたときに「もしかして、このカビが症状を悪くしてる?」と思うのも自然なことです。
実際、カビや湿気の多い建物と、呼吸器症状や喘息、アレルギーとの関係は以前から研究されています。WHOも、湿気やカビのある建物では、呼吸器症状や喘息などが増えることを報告しています。
では、カビを取り除けば、症状も良くなるのでしょうか?
カビがあることより「湿気」が重要?
家のカビを見つけると、つい「この黒いカビが悪い」と考えてしまいます。
でも、実際にはカビだけを見るより、なぜそこにカビが生えているのかを見ることが大切です。
カビは湿気のある場所で増えます。水漏れ、結露、換気不足などが続いていれば、カビを拭き取ってもまた生えてくることがあります。
WHOも、健康への悪影響を避けるためには、カビそのものだけでなく、持続的な湿気や微生物の増殖を防ぐことが重要としています。
ここが大事
カビ対策は「カビを拭く」だけではなく、
カビが増える原因になっている湿気や水漏れを減らすことまでがセット。
カビがある家では、鼻炎も増える?
室内の湿気やカビと鼻炎の関係を調べた研究では、目に見えるカビ、カビ臭、湿気の存在と鼻炎との関連が報告されています。
ただし、これは「カビがある家に住めば必ずアレルギーになる」という意味ではありません。
人によって体質も違いますし、どの程度カビにさらされているかも違います。
なので、ここで言えるのは、
カビや湿気の多い住環境は、鼻炎などの症状と関係する可能性がある
というところです。
実際にカビを除去したら、症状は変わった?
ここが今回いちばん気になるところです。
実際に、カビや湿気によって問題が起きている建物を修繕して、その後の症状を調べた研究があります。
Cochraneレビューでは8つの研究、合計6,538人を対象に、カビや湿気による建物の修繕が呼吸器症状や喘息に与える影響を検討しています。
その結果、成人では住宅を修繕することで、喘息関連の症状や呼吸器感染症が減少したという中程度の質のエビデンスが得られました。
具体的には、喘鳴や鼻炎などの症状の減少が報告されています。一方、学校のような環境では結果がはっきりしない研究もあり、すべての状況で同じ効果が確認されたわけではありません。
ここは結構面白いところです。
「カビって健康に悪そうだよね」
という話だけではなく、実際に建物の湿気やカビの問題を修繕したあと、症状が減ったという研究がある。
つまり、カビや湿気の問題がある人にとっては、住環境を変えること自体に意味がある可能性があるわけです。
でも「アレルギー体質が治る」とは違う
ここは少しややこしいところ。
カビを除去したあとに鼻炎や喘息の症状が楽になったとしても、それは必ずしも「アレルギー体質が治った」という意味ではありません。
たとえば、カビや湿気が症状を悪化させていた人なら、その環境を改善することで症状を悪化させる要因が減ったと考えることができます。
花粉症の人が花粉の少ない場所に行ったら楽になるのと、少し似ています。
カビを除去する
→ カビ・湿気への曝露を減らす
→ 症状の悪化要因が減る
→ 症状が楽になる可能性がある≠ アレルギー体質そのものがなくなる
この違いは押さえておきたいところです。
カビアレルギーじゃなくても関係ある?
「カビアレルギーがないなら、カビは関係ないんじゃない?」
と思うかもしれません。
ところが、喘息についてはそう単純ではありません。
CDCは、カビを吸い込むことで、カビにアレルギーがない人でも喘息発作が引き起こされることがあるとしています。
つまり、「カビアレルギーがある人だけが注意すればいい」という話ではないんですね。
特に喘息などの呼吸器疾患がある人にとっては、家の中のカビや湿気を減らすことが、症状を悪化させないための環境対策になります。
家のカビ、どうしたらいい?
では、実際に家にカビがある場合はどうするか。
大事なのは、カビを取ることと、湿気の原因をなくすことです。
| チェックしたいところ | 対策 |
|---|---|
| 水漏れ | 原因を修理する |
| 結露 | 放置せず、換気や除湿をする |
| 浴室 | 換気をする |
| 室内の湿度 | できるだけ低く保つ |
| 濡れたもの | 早めに乾かす |
| カビが発生した場所 | 適切に清掃する |
CDCは、室内の湿度を50%以下に保つことや、水漏れを修理すること、濡れたものを24~48時間以内に乾かすことなどを勧めています。
カビを見つけたら、種類を特定することよりも、安全に除去して、再び増えない環境にすることが大切とされています。
カビ取りは誰でもやっていい?
ここはちょっと注意。
カビを掃除すると、カビの胞子などを吸い込む可能性があります。
CDCは、アレルギーがある人や喘息などの慢性的な呼吸器疾患がある人は、カビの清掃作業に参加しないように案内しています。
特に広範囲にカビが広がっている場合や、水漏れなどで建物自体に問題がある場合は、無理に自分で処理しないほうがいいでしょう。
「カビを取らなきゃ」と頑張って、掃除そのもので症状を悪化させてしまったら元も子もありません。
カビを除去すればアレルギーは改善する?
ここまで調べてみると、答えは意外とシンプルでした。
カビを除去すれば、アレルギー体質そのものが改善する。
そこまでは言えません。
でも、カビや湿気の多い環境が喘息や鼻炎などの症状を悪化させている場合は、その環境を改善することで症状が軽くなる可能性があります。
実際に、カビや湿気でダメージを受けた住宅を修繕した研究では、成人の喘息関連症状や鼻炎などの呼吸器症状が減少しています。
なので、「カビを取ればアレルギーが治る」
ではなく、「カビや湿気が症状を悪化させているなら、住環境を改善する意味はある」
というのが、今のところ一番しっくりくる答えだと思います。
薬や治療だけでなく、毎日過ごしている家の環境にも目を向けてみる。
「最近、家にいると鼻や咳の調子が悪いな」と感じるなら、カビや湿気を一度チェックしてみるのもよさそうです。
ただし、環境を改善したからといって、自己判断で薬をやめたり治療を変更したりするのは別の話。必要な治療は続けながら、住環境も一緒に整えていくのがよさそうです。
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