診断のときに「卵」「牛乳」「小麦」と言われて、調べてみたら「3大アレルゲン」という言葉が出てきた。うちの子のアレルギーは、重いほうなの?と不安になりますよね。
3大アレルゲンとは、卵・牛乳・小麦のことです。赤ちゃんや小さな子で、原因になることが多い3つの食べ物をまとめた呼び方です。
そして、この3つのアレルギーは、多くの子が大きくなるにつれて食べられるようになります。
結論:3大アレルゲンは、赤ちゃんや小さな子に多い、卵・牛乳・小麦のこと。患者さんが多い食べ物という意味で、大きくなると食べられるようになる子も多いです。
(食べられるようになったかは、病院で実際に食べて確かめる検査(食物経口負荷試験)で、主治医と一緒に決めます。自宅で試すのはやめましょう)
3大アレルゲンとは?卵・牛乳・小麦のこと
うちの子の食べ物は、3大アレルゲンなの?と、まず気になりますよね。
3大アレルゲンはどの食べ物?乳幼児に多い3つ
3大アレルゲンは、卵・牛乳・小麦の3つです。乳幼児期(赤ちゃんから小さな子の時期)のアレルギーでは、1位が卵、2位が牛乳、3位が小麦とされています。
食べてすぐに症状が出るアレルギー(即時型)で見ると、7歳未満の乳幼児が7割以上を占めています。
- 岐阜県の「食品の安全・安心シンポジウム」(2018年)で、国立病院機構長良医療センターの医師が使った発表資料に、「食物アレルギー(乳幼児期)3大アレルゲン 1位 卵 2位 牛乳 3位 小麦」と書かれています。
- 徳島県立保健製薬環境センターのニュース(2015年)にも、鶏卵・牛乳・小麦を「3大アレルギー原因食品」と書いた部分があります。
- 「乳幼児(7歳未満)が7割以上」は、食品安全委員会の資料に書かれた数字です(消費者庁の令和5年度の全国実態調査が元になっています)。
食物アレルギーの原因食物ランキング|令和6年度の全国調査
全国の最新の調査を、子どもだけでなくすべての年齢で見ると、順位は少し違います。
| 順位 | 原因食物 | 症例数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 1 | 鶏卵 | 1,609 | 26.7% |
| 2 | くるみ | 916 | 15.2% |
| 3 | 牛乳 | 807 | 13.4% |
| 4 | 小麦 | 489 | 8.1% |
| 5 | 落花生 | 421 | 7.0% |
卵・牛乳・小麦の3つを足すと、約48%です。食べ物が原因のアレルギーの、5割弱を占めています。
- 消費者庁の令和6年度の全国実態調査(即時型の食物アレルギー、解析対象6,033件)の結果です。子どもだけでなく、すべての年齢の症例が含まれています。
- 「約48%」は、資料の鶏卵26.7%・牛乳13.4%・小麦8.1%を足した数字です(資料に「3つで48%」とは書かれていません)。
- この資料には、年齢ごとの順位は載っていません。
卵・牛乳・小麦アレルギーは治る?食べられるようになる子の割合
うちの子は、この先もずっと食べられないの?と心配になりますよね。
卵・牛乳・小麦のアレルギーは、多くの子が、大きくなるにつれて食べられるようになります。
何歳ごろまでに食べられるようになる?
食べられるようになった子の割合の目安は、次のとおりです。
| 年齢 | 食べられるようになった子の割合 |
|---|---|
| 3歳まで | 約50% |
| 5〜6歳まで | 約60〜70% |
- 「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」に、「小児の鶏卵・牛乳・小麦アレルギーは3歳までに約50%、5-6歳までに約60-70%が治る」と書かれています。数字は、卵・牛乳・小麦をまとめたものです。
- 手引きには、この数字の調査名は書かれていません。全員が食べられるようになるわけではなく、子どもによって違います。
- 食品安全委員会の資料には、小麦は、赤ちゃんのときに始まった場合は食べられるようになることが多く、大人になってから始まった場合はほとんど続くと考えられている、と書かれています。
食べられるようになったか調べる|食物経口負荷試験
食べられるようになったかどうかは、見た目や年齢ではわかりません。確かめるのは、病院で、医師のそばで、原因の食べ物を少しずつ食べてみる検査です。この検査を食物経口負荷試験といいます。
医師の指示なく、自宅で試し食べをするのは、とても危険です。「もう大きくなったから大丈夫かも」と思っても、まず主治医に相談しましょう。詳しくは「③食物アレルギーの治療|症状が出ない量を食べて治すという考え方」もあわせてご覧ください。
- 「医師の指示なく自宅で試し食べをするのは危険」という内容は、アレルギーポータルに書かれています。
卵・牛乳・小麦の栄養と代わりの食べ物
卵や牛乳をやめている間、栄養は足りるの?と気になりますよね。代わりの食べ物で、おぎなうことができます。
食べない間に不足しやすい栄養と、代わりの食べ物
| 食べ物 | 気をつけたい栄養 | 代わりの食べ物 |
|---|---|---|
| 卵 | たんぱく質(Mサイズ1個で約6g) | 肉・魚・大豆製品など |
| 牛乳 | カルシウム(普通牛乳100mLで110mg) | 牛乳以外のカルシウム源(調整豆乳、アレルギー用ミルクなど) |
| 小麦 | 主食を米などにすれば、不足しにくい | ごはん・米麺・米粉パン |
- 食物アレルギー研究会の「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」に書かれている内容です。
- 栄養が心配なときは、自己流で工夫を重ねず、医師や管理栄養士に相談しましょう。
栄養不足と代わりの食材のくわしい記事
アレルギー表示|卵・牛乳・小麦は表示が義務
買い物のとき、パッケージのどこを見ればいいの?と迷いますよね。卵・乳・小麦は、食品の裏のアレルギー表示で、表示が義務になっている食べ物です。
表示が義務の食べ物(特定原材料)は、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生・カシューナッツの9品目です。表示の言葉は、「牛乳」ではなく「乳」です。
- 東京都の「たべもの安心ねット」第107号(令和8年6月更新)に、9品目が書かれています。カシューナッツは、令和8年4月1日の改正で、特定原材料に加わりました。
- 令和10年3月31日までは、移行期間のため、カシューナッツが表示されていない食品がある場合があります。
義務の品目と、表示が勧められている品目の違いは、「④アレルギー表示、義務9品目と推奨20品目」でくわしく紹介しています。
3大アレルゲンのまとめ
3大アレルゲンは、赤ちゃんに多い卵・牛乳・小麦。大きくなると食べられるようになる子も多いので、あわてず、主治医と一緒に進めましょう。
- 3大アレルゲンは、患者さんが多い食べ物のこと
- 3歳までに約50%、5〜6歳までに約60〜70%の子が食べられるようになる
- 食べられるようになったかは、食物経口負荷試験で確かめる。自己判断はしない
- 卵・乳・小麦は、食品表示が義務の食べ物
今日からできること
- 食品を買うとき、裏のアレルギー表示で、「卵」「乳」「小麦」の文字を確かめる。
- 「もう食べられるかも」と思ったら、自分で試さず、次の受診で、食物経口負荷試験ができるか主治医に聞いてみる。
>前の記事では
①アレルギーっ子の食事|まずは除去食・食事管理を知ろう
<次の記事では
③こんなにある3大アレルギー以外の食物アレルギー
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