入園・入学を控えて、「エピペンって、園や学校が預かってくれるものなの?」と不安に思ったことはありませんか。結論から言うと、これは全国どこでも同じ対応、というものではなく、園や学校ごとの体制によってかなり差があるのが実情です。
今回は、エピペンの預かりに関する現実的な話と、入園・入学前に確認しておきたいポイントについてお伝えしていきます。
「預かるかどうか」は一律ルールではなく個別協議
エピペンを園や学校で預かるかどうか、誰が使用するかといった対応は、法律で一律に決まっているわけではなく、それぞれの施設の状況に応じて個別に検討されるべきものとされています。
たとえば、近くに救急対応できる医療機関がある場合は、必ずしも園・学校でエピペンを使用する必要がないと判断されることもあります。逆に、近くに医療機関がない場合は、緊急時に備えて職員全体がエピペンの扱い方を把握しておく必要性が高まります。
こうした事情から、入園・入学時には、主治医・保護者・園や学校の関係者の3者で面談を行い、緊急時の具体的な対応をあらかじめ話し合っておくことが基本とされています。「うちの子は預かってもらえるだろう」と思い込まず、早めに面談の機会を設けてもらうことをおすすめします。
「先生が打ってくれるの?」に対する法的な答え
保護者の方が気になるポイントの一つが、「先生がエピペンを打ってくれるのか」という点だと思います。
結論として、その場に居合わせた教職員が、本人に代わってエピペンを注射することは、医師法違反にはならないことが国によって明確にされています。反復継続する意図のない、緊急時のやむを得ない行為とみなされるためです。
実際、平成20〜25年の文部科学省の調査では、学校でのエピペン使用は合計408件ありました。内訳は次の通りです。
| 使用した人 | 件数 |
|---|---|
| 本人 | 122件 |
| 保護者 | 114件 |
| 学校職員 | 106件 |
| 救急救命士 | 66件 |
教職員による使用も、決して珍しいケースではないことが分かります。
一方で、この調査からは、教職員がエピペンの使用をためらう様子もうかがえます。保護者が駆けつけて打った例が114件と多いことから、「本当は先生が打つべき場面でも、判断に迷ってしまう」という現実があることも、知っておいていただきたいポイントです。
保育園児など、自分で打てない年齢の場合
小学生以上であれば、本人がある程度エピペンを扱えるケースもありますが、保育園児のような低年齢のお子さんは、自分でエピペンを管理・接種することはできません。
そのため保育所では、アナフィラキシーが起きた場合に、保育者自身がエピペンを使用することも想定した体制づくりが求められています。お子さんが低年齢であるほど、「園の職員が代わりに打てる体制になっているか」を、入園前にしっかり確認しておく必要があります。
学童保育の場合は対応が分かれやすい
保育園・幼稚園では手厚い対応を受けていたのに、小学校入学後の学童保育で対応が手薄になり、戸惑う保護者の方も少なくありません。
学童保育のエピペン対応は、施設によって次のように分かれる傾向があります。
| 対応パターン | 内容 |
|---|---|
| 預かり可能(研修済み) | 指導員がエピペン使用研修を受けており、保管場所も明確に決まっている |
| 預かり可能(未研修) | 預かり自体はするが、実際の使用は保護者が駆けつけるまで待つ方針 |
| 預かり不可 | エピペン自体を園・施設側で管理しない方針 |
このように対応の幅が大きいため、「学童だから当然対応してもらえる」と思い込まず、事前の確認が欠かせません。
入園・入学前に確認しておきたいこと
園・学校・学童など、施設の種類を問わず、次の点は事前に確認しておくことをおすすめします。
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 保管場所 | お子さんの手が届かず、かつ職員がすぐに取り出せる場所に保管されているか |
| 使用期限の管理 | 施設側でも使用期限を定期的に確認してくれる体制があるか |
| 研修の実施状況 | 職員全体がエピペンの使用方法について研修を受けているか |
エピペンの具体的な保管・使用方法については、別記事(エピペンの保管方法・使用方法)で詳しくご紹介していますので、あわせてご確認ください。
まとめ
エピペンを園や学校が預かってくれるかどうかは、法律で一律に決まっているものではなく、それぞれの施設の状況に応じた個別協議が基本です。教職員が代わりに打つこと自体は法律上問題ないとされていますが、実際にはためらいが生じることもある、というのが現実です。
「預かってもらえるはず」と思い込まず、入園・入学前の面談で、保管場所・研修体制・緊急時の役割分担までしっかり確認しておくことが、お子さんの安全を守る一番の備えになります。
この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、自身の経験と厚生労働省・専門機関等の公開情報をもとにまとめています。治療方針については、必ず主治医の指示を優先してください。詳しくは免責事項をご覧ください。
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