子供が「ピアスを開けたい」と言い出した。アレルギーの子だから金属アレルギーが心配だけど、これも食物アレルギーと同じ仕組みなの?
この記事では、金属アレルギーやかぶれが起こる4型(Ⅳ型)アレルギーについて、食物アレルギーとの違いを中心に見ていきます。
金属アレルギーや化粧品のかぶれは、食物アレルギーとは仕組みが違います。症状が出るまでに、時間がかかるのが特徴です。ここでは、金属アレルギーを中心に、4型(Ⅳ型)アレルギーの仕組みを見ていきます。
結論:金属アレルギーやかぶれは「4型アレルギー」で、抗体ではなくT細胞が中心的な役割を果たします。食物アレルギーのようにすぐではなく、1日以上かけて、じわじわと症状が出ます。
金属アレルギーは、10〜20歳代で発症することが多いとされています(厚生労働科学研究の報告書による)。
ゆっくり症状が出る「遅延型」

1〜3型は、いずれも抗体が関わる仕組みでした。ところが4型アレルギーは、抗体や補体は関与せず、「T細胞」というリンパ球の一種が中心的な役割を果たします(日本救急医学会の資料による)。
そして最大の特徴が、症状が出るまでの時間の長さです。食物アレルギー(多くは1型)は、1時間未満で症状が出る「即時型」です(MSDマニュアル)。これに対して4型は、抗原が提示されてから反応が成立するまでに24〜48時間を必要とする「遅延型」と呼ばれています(日本救急医学会)。アレルギー性接触皮膚炎では、触れてから気づくまでに通常1日以上、悪化するまでにさらに2〜3日かかるとされています(MSDマニュアル)。1型については「1型(Ⅰ型)アレルギー|食物と花粉症は実は同じIgEの仕組み」で紹介しています。
「昨日つけたアクセサリーが、今日になって赤くなってきた」というような経過は、まさにこの4型らしい反応です。
金属アレルギーが起こる仕組み

金属アレルギーを例に、4型アレルギーが起こる流れを見てみましょう。
- 製品に含まれる金属が、皮膚や口の中の粘膜の表面でイオン化する
- 金属イオンが体の中のタンパク質と結びついて、新しいタンパク質に変わり、体がそれを「異物」とみなす
- T細胞が感作される(この段階では、まだ症状は出ません)
- 再び同じ金属に触れると、T細胞が反応する
- 皮膚で炎症が起こり、かぶれ・強いかゆみなどが出る
金属アレルギーは、感作されやすい金属が決まっています。ニッケル、クロム、コバルト、金による感作が多いとされ、特にニッケルは、日本では規制がなく、日常生活で触れるさまざまな製品に含まれています(厚生労働省 アレルギー疾患対策推進協議会の資料による)。ピアスやネックレスなどの装飾品、歯科金属が原因で起こる皮膚炎が知られています(藤田保健衛生大学・東北大学の発表による)。
厚生労働科学研究の報告書では、約7万人のスクリーニング調査(2022年度)で、日常生活に支障をもたらす過敏反応を経験した人が3.0%いました。患者の約80%は女性で、10〜20歳代での発症が多く見られました。ただし、医療機関を受診した人は24%にとどまっています。
代表的な病気・症状

- 金属アレルギー(ピアス、ネックレスなど)
- 歯科金属アレルギー(銀歯などの歯科材料が原因になることも)
- アレルギー性接触皮膚炎(化粧品やゴム手袋など)
- 皮膚に触れた物質への非特異的な炎症反応である「刺激性」のかぶれは、アレルギーとは別のものです。刺激性は痛みが強く、アレルギー性はかゆみが強いという違いがあります(MSDマニュアル)。
- ツベルクリン反応(検査)や、移植免疫反応も、4型の仕組みで説明されます(日本救急医学会)。
- アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下が大きく関わります。くわしくは「アトピーだと食物アレルギーになりやすい?|保湿でリスクは下がる?」で紹介しています。
子供と4型アレルギーの関わり方
4型アレルギーでは、次のような場面が、お子さんに関わってきます。
- ピアスなどの装飾品(金属アレルギーは10〜20歳代での発症が多いとされています)
- 化粧品・日焼け止め・絆創膏・ゴム製品などで起こるかぶれ(アレルギー性の接触皮膚炎)(MSDマニュアルによる)
4型は症状が出るまでに時間がかかるため、「使った翌日や翌々日に赤くなった」ときも、原因として疑えます。原因を調べる検査には「パッチテスト」があり、金属アレルギーを含むアレルギー性接触皮膚炎の唯一の検査法とされています(厚生労働省 アレルギー疾患対策推進協議会の資料による)。
1型と4型では仕組みが違う

1型(即時型)と4型(遅延型)の違いを、表で比べてみましょう。
| 1型(即時型) | 4型(遅延型) | |
|---|---|---|
| 主役 | IgE抗体 | T細胞 |
| 症状が出るまで | 1時間未満 | 24〜48時間ほど |
| 代表例 | 食物アレルギー、花粉症 | 金属アレルギー、接触皮膚炎 |
同じ「アレルギー」という言葉でも、仕組みも時間経過もまったく異なることが分かります。
まとめ
4型アレルギーは、抗体ではなくT細胞が関わる「遅延型」のアレルギーです。
- 金属アレルギーやアレルギー性の接触皮膚炎が代表例
- 症状が出るまで24〜48時間ほどかかり、じわじわ現れる
- 金属アレルギーは10〜20歳代での発症が多い
- 原因を調べる検査は「パッチテスト」
1型〜4型は、それぞれ仕組みが違います。振り返りたい方は、「1型(Ⅰ型)アレルギー|食物と花粉症は実は同じIgEの仕組み」「2型(Ⅱ型)アレルギー|血液型不適合輸血はうちの子は関係ある?」「3型(Ⅲ型)アレルギー|血清病って怖い病気?うちの子関係ある?」もご覧ください。「アレルギー」とひとことで言っても、中身は多様であることが分かると思います。
「へっちゃら」まっさんより
4型アレルギーについては、我が家ではあまりかかわりはありませんが、まっさんの知人に金属アレルギーの人がおりまして、なかなか辛そうです。
金属に触れすぎると、だんだん皮膚が赤く腫れあがってくるのを見せてもらったことがあります。
また、お化粧をすると肌が荒れるという知人もいたのですが、今こうやって知識をつけてみると、「あれもアレルギーだったんだな」と振り返ることができます。
けっこうアレルギーって多いんですよね。はい、我が家は全員アレルギー持ちです。。。
>前の記事では
3型(Ⅲ型)アレルギー|血清病って怖い病気?うちの子関係ある?
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