「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「この食べ物、アレルギーあるか調べられますよ」
そう言われて、ペンデュラムや棒を使ってアレルゲンを探す方法を知ったことがある人もいるかもしれません。
アレルギーの原因になっているものが、血液を採ったり皮膚に検査をしたりせずに分かるなら、かなり手軽ですよね。
でも、本当にダウジングでアレルゲンを見つけることはできるのでしょうか?
今回は「ダウジングでアレルギーが分かる」という話を、実際の研究まで追ってみました。
そもそもダウジングって何?
ダウジングというと、地下水を探すために棒を持って歩くイメージが強いかもしれません。
一方で、健康や代替療法の分野では、ペンデュラム(振り子)などを使って、食べ物や物質が「自分に合うか」「合わないか」を判定する方法として使われることがあります。
例えば、
- 卵を持つと振り子が右に回る
- 小麦を持つと左に回る
- この食品は自分に合わないと判断する
といった方法です。
ここで気になるのは、振り子の動きが本当に体の中のアレルギー反応を反映しているのかというところです。
ダウジングを実際に検証した研究がある
実は、ダウジングについては「そんなもの科学的に調べられるの?」と思うような実験も行われています。
2002年に発表された研究では、ホメオパシーの実践者6人が、2本の瓶のうちどちらに特定の物質が入っているかをダウジングだけで判別できるか、ランダム化・二重盲検で調べました。
156組の判定で正しく当てられた割合は48.1%。
2つから選ぶので、偶然なら約50%です。
研究では、ダウジングによって客観的な情報を得られるとは判断できない結果になりました。
「当たったことがある」という体験と、
「検査として正確に判定できる」ということは別です。
ここは、アレルギーを考えるうえでも大切なポイントです。
「アレルギーを調べるダウジング」はどうなの?
では、実際にアレルギーの判定に使った場合はどうでしょう。
ダウジングそのものではありませんが、健康分野には「体の反応から、その人に合わない食品などを判定できる」とする方法がいくつかあります。
その一つが**アプライド・キネシオロジー(AK)**です。
これは、食品などを持った状態で筋力の変化を調べ、「この食品は体に合う・合わない」と判定するような方法です。
食物アレルギーとの関係を調べた小規模な研究では、AKによる判定と血液検査の結果が一致したという報告もありました。
こういう研究だけを見ると、
「やっぱり体は何かを感じ取っているのでは?」
と思うのも自然です。
ところが、もっと厳密な条件で検証すると話が変わってきます。
二重盲検で検証するとどうなった?
2014年には、アプライド・キネシオロジーの診断能力を二重盲検・無作為化試験で検証した研究があります。
51人を対象に、通常の生理食塩水と毒性物質を含む液体を見分けられるか、筋力を使った判定で調べました。
151回の試験で正しく判定できたのは80回。
正解率は**53%**で、偶然に期待される50%と統計的に明確な差はありませんでした。
研究者らは、健康上の判断に使える信頼性のある診断方法として、アプライド・キネシオロジーの有用性は示されていないと結論づけています。
| 方法 | 検証されたこと | 結果 |
|---|---|---|
| ダウジング | 物質を正しく識別できるか | 偶然と区別できない結果 |
| アプライド・キネシオロジー | 筋力変化で物質を識別できるか | 偶然に近い結果 |
| 医療のアレルギー検査 | IgEなどの免疫反応を調べる | 診断の補助として確立 |
もちろん、これは「ダウジングをしている人が必ず何も感じていない」という話ではありません。
問題なのは、その感覚をアレルギー診断として再現性のある検査にできるかということです。
なぜ「当たった」と感じることがあるの?
ここはちょっと面白いところです。
例えば10種類の食品を調べて、ダウジングで「これは合わない」と言われたものを避けたところ、症状が良くなったとします。
「やっぱり当たっていたんだ」と思いますよね。
でも、食物アレルギーの症状は、食べた量、体調、運動、感染症、皮膚の状態など、いろいろな条件によって変化します。
また、たくさんの食品を一度に調べれば、偶然症状と一致するものが出てくる可能性もあります。
さらに、「これはアレルギーかもしれない」と思って食べる量が減れば、それだけ症状が出にくくなることもあります。
そのため、「避けたら良くなった」という体験だけでは、その食品がアレルゲンだったとは確定できません。
医療ではどうやってアレルゲンを調べる?
食物アレルギーの場合、まず重要になるのが症状が出た状況を詳しく確認することです。
何を食べたのか。
どのくらい食べたのか。
食後どのくらいで症状が出たのか。
どんな症状だったのか。
そのうえで、必要に応じて皮膚プリックテストや血液による特異的IgE検査などを組み合わせます。
ただし、ここも意外なところがあります。
血液検査で陽性になったから、それだけで食物アレルギーと決まるわけではありません。
特異的IgEは、その食品に対して感作されている可能性を示す検査で、実際に食べたときに症状が出るかどうかとは区別して考える必要があります。
必要な場合には、医師の管理下で実際に食品を食べて反応を見る食物経口負荷試験が行われます。これはアレルギー診断における重要な確認方法です。
| 調べ方 | 何を見ている? | アレルギー診断での位置づけ |
|---|---|---|
| 問診 | 食べた物・症状・時間など | とても重要 |
| 皮膚プリックテスト | 皮膚のIgE反応 | 診断の補助 |
| 特異的IgE血液検査 | 血液中のIgE | 診断の補助 |
| 食物経口負荷試験 | 実際に食べたときの反応 | 医師管理下で診断を確認 |
ダウジングで「大丈夫」と言われたら?
ここは、アレルギーのある子どもの家庭では特に注意したいところです。
例えば病院で卵アレルギーを指摘されている子がいるとします。
そこでダウジングをして、「卵は大丈夫です」と言われたとしても、それを理由に自己判断で卵を食べさせるのは危険です。
反対に、「小麦は危険です」と言われたからといって、医学的な確認なしに小麦を完全除去するのも、子どもにとっては負担になります。
特に成長期は、必要のない食品除去によって食事の選択肢を狭めてしまうことがあります。
アレルギーでは、
「何を避けるか」だけでなく、
「本当に避ける必要があるのか」も大切です。
ダウジングは「体の声」を聞く方法なの?
ここまで見てくると、ダウジングが完全に意味のない行為なのか、という疑問も残ります。
自分の体調や食生活を振り返るきっかけとして使うことと、医学的なアレルギー検査として使うことは分けて考える必要があります。
「この食品を食べると調子が悪い気がする」という本人の感覚は、診察でも大切な情報になります。
ただ、その感覚を「アレルギーがある」という診断に変えるには、別の確認が必要です。
アレルギー診断で使われている検査も、実は万能ではありません。皮膚検査や血液検査にも偽陽性などの限界があります。
だからこそ、症状の経過と検査結果を組み合わせて判断します。
ダウジングでアレルゲンは分かる?
今回調べてみると、ダウジングでアレルゲンを調べられることを裏付ける、信頼性の高い検証結果は確認できませんでした。
ダウジングや、それに近い「体の反応を使って合う・合わないを判定する方法」には、肯定的な結果を報告した小規模研究もあります。
一方で、より厳密な二重盲検試験では、偶然以上の判定能力を確認できなかった研究があります。
アレルギーは、単に「自分に合うかどうか」を探すものではありません。
免疫反応や症状との関係を確認しながら、必要なものだけを避けていくことが大切です。
ダウジングで「これは大丈夫」と言われた食品を、医学的な確認なしに食べる。
逆に「これは危険」と言われた食品を、理由が分からないまま子どもから取り上げる。
どちらも、アレルギーの判断としては慎重になったほうがよさそうです。
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