「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「エアコンをつけると、くしゃみが出る」
「夏になると子どもの鼻炎や咳がひどくなる」
「エアコンを掃除したら症状が楽になった」
こんな話を聞くと、
エアコンのカビがアレルギーを悪化させているのでは?
と思いますよね。
実際、エアコンの内部はカビが繁殖しやすい環境になることがあります。そして、カビの中にはアレルギー反応や喘息との関係が知られているものもあります。
ただし、ここで少し注意したいことがあります。
「エアコンからカビが見つかった」
ことと、
「そのエアコンのカビが、その人のアレルギー悪化の原因だった」
ことは、必ずしも同じではありません。
今回の「アレルギーの本当?」では、この間にある少しややこしい部分を整理してみましょう。
【今回のポイント】
エアコン内部にカビが繁殖し、室内空気の汚染源になる可能性はあります。
しかし、「エアコンにカビがある=そのカビがアレルギー悪化の原因」と、すべてのケースで言い切れるわけではありません。
エアコンの中は、なぜカビが増えやすいの?
特に冷房を使う時期、エアコンの内部では温度差によって結露が起こります。
そこにホコリや湿気などが加わると、カビが育ちやすい環境になることがあります。
実際、エアコン内部のカビ汚染を調べた研究では、エアコン内部、とくに送風ファンや吹き出し口付近で真菌が多く確認され、室内の空中に漂う真菌との関係も示されています。
つまり、
「エアコンの中にカビが生えることはある」
「そのカビが運転によって室内側へ出てくる可能性がある」
という部分については、単なるイメージではありません。
また、日本で行われた調査では、家庭のエアコンからカビ臭を感じる人も一定数おり、結露のある住宅や使用年数の長いエアコン、夏場に頻繁に使用するエアコンなどで、その割合が高い傾向が報告されています。
では、カビを吸うとアレルギーは悪化する?
ここで話を一段階分けて考える必要があります。
カビの中には、アレルゲンとして知られている種類があります。
例えば、アスペルギルス、クラドスポリウム、アルテルナリアなど、真菌とアレルギー疾患の関係は以前から研究されています。真菌は、喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などとの関係が指摘されてきました。
特に喘息では、真菌が発症や症状の重症化に関係することがあります。カビを吸い込むことでアレルギー反応が起こり、喘息が悪化する可能性も知られています。
ここまでなら、
「じゃあエアコンのカビが喘息を悪化させるんだ!」
となりそうです。
でも、ここで一つ話が飛びます。
【よくある混同】
カビにはアレルゲンになるものがある
↓
エアコン内部にもカビが生えることがある
↓
エアコンをつけて症状が悪化した
↓
エアコンのカビが原因だ
最後の部分は、実際には簡単に証明できません。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)も、真菌を吸入することでアレルギー疾患が悪化する事例は報告されている一方、エアコン内のカビとアレルギー疾患の関係については、まだ明らかになっていない部分があるとしています。
エアコンをつけたときの症状、本当に「カビだけ」が原因?
例えば、
「エアコンをつけたら鼻水が出た」
という場合を考えてみましょう。
もちろんカビが関係している可能性はあります。
でも、それだけではありません。
エアコンの風によって、
- 室内のホコリが舞い上がった
- ハウスダストが動いた
- ダニ由来のアレルゲンが舞った
- 温度が急に変わった
- 冷たい空気が鼻や気道を刺激した
- 空気が乾燥した
- もともと症状が悪化する時期と重なった
といった可能性もあります。
つまり、
「エアコンをつけたら症状が出た」=「カビアレルギー」
とは限らないのです。
ここが、意外と見落とされやすいところです。
【話を整理すると】
エアコンは、カビを含む室内環境のさまざまなものを人と接触させるきっかけになる可能性があります。
しかし、症状が出た原因が「カビだけ」なのか、「ホコリやダニ」なのか、「温度や乾燥などの刺激」なのかは、症状だけでは分けられないことがあります。
「エアコンを掃除したら良くなった」という体験は?
実際に、
「エアコンを掃除したら咳が減った」
「クリーニングをしてから鼻炎が楽になった」
という人もいるでしょう。
その変化を、最初から「気のせい」と決めつける必要はありません。
エアコンの清掃によって、カビやホコリなど、室内環境の中にあった何かが減った可能性はあります。
ただし、ここでも「何が減ったことで症状が変わったのか」を一つに決めるのは難しいところです。
エアコンの内部にはカビだけでなく、ホコリなども蓄積します。
また、掃除をする時期には、部屋全体の換気や清掃も一緒に行われることがあります。
季節が変わったことによって、花粉など屋外のアレルゲンが減っている場合もあります。
【ここが大切】
「エアコンを掃除した後に症状が改善した」
ことと、
「エアコンのカビだけが原因だった」
ことは、必ずしも同じではありません。
ただし、だからといって、室内環境を整える意味がないわけでもありません。
カビが関係するアレルギーは、もっと複雑なこともある
カビの影響は、単純な「鼻水が出る」「くしゃみが出る」だけではありません。
一部の真菌は、アレルギー性喘息や、アレルギー性気管支肺真菌症などとの関係が知られています。
例えば、アスペルギルスなどの真菌に対してアレルギー反応が起こることで、呼吸器の症状が問題になる病気があります。こうした場合は、単純に「部屋を掃除すれば終わり」という話ではなく、検査や治療が必要になることがあります。
だからこそ、
「エアコンが臭うから、とりあえず掃除しよう」
という話と、
「咳や息苦しさが続いている」
という話は、同じようには扱えません。
エアコンのカビでアレルギーが悪化する?本当のところ
今回の話を整理すると、
- エアコン内部はカビが繁殖しやすい環境になることがある
- エアコン内部の真菌が室内空気の汚染源になる可能性が示されている
- カビの中にはアレルギー反応や喘息との関係が知られているものがある
- そのため、エアコンのカビが症状に関係する可能性は考えられる
- しかし、エアコンにカビがあるだけで「それが症状悪化の原因」とは言い切れない
- 実際には、ホコリ、ダニ、温度差、乾燥など、ほかの要因も同時に関係している可能性がある
つまり、
「エアコンのカビでアレルギーが悪化することはあるの?」という質問に対しては、「可能性はある。でも、症状が出た原因をカビだけと決めつけることはできない」
というのが、現時点での本当のところです。
へっちゃらからのお願い
エアコンをつけるたびに症状が出ると、「カビが原因だ」と思ってしまうかもしれません。
でも、エアコンの風と一緒に関係している可能性があるのは、カビだけではありません。
一方で、カビ臭が強い、目に見える汚れがある、使用すると咳や息苦しさが繰り返されるといった場合には、「いつものアレルギーだから」と自己判断で片づけないことも大切です。
「エアコンのカビかもしれない」と決めつけるのではなく、室内環境と症状の両方を分けて考えること。
それが、今回の記事で一番伝えたいことです。
コラム・レビューの新着
よく読まれている記事




コメント