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温泉療法はアトピーに効く?アレルギーへの効果はある?

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「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。

温泉に行くと「肌の調子がいい」「かゆみが楽になった」と感じる人がいます。

特にアトピー性皮膚炎では、昔から温泉地に滞在して療養する「湯治」が行われてきました。

でも、これって単なる昔からの言い伝えなのでしょうか。

「温泉がアトピーにいい」という話を調べてみると、実はかなり具体的な研究結果が出てきます。

しかも日本だけではありません。

まず驚いたのが、草津温泉でアトピー性皮膚炎の症状が改善した人が70%いたという研究です。

草津温泉でアトピーの症状が70%改善

1990年から1995年までの5年間、アトピー性皮膚炎の患者46人を対象に、草津温泉を使った温泉療法が行われました。

温泉の温度は40~42℃。1回10分、1日1~2回の入浴を3~28週間続けています。

結果は、かなりはっきりしています。

調べたこと結果
アトピー性皮膚炎の患者46人
皮膚症状が改善32人(70%)
そのうち、かゆみも改善18人
黄色ブドウ球菌が多かった改善例15人
黄色ブドウ球菌が消失13人
黄色ブドウ球菌が減少2人

皮膚症状の改善は、血液中のLDHという数値の低下でも確認されました。

さらに、皮膚症状が改善した人の中で、温泉療法を始める前に皮膚表面から黄色ブドウ球菌が多く検出されていた15人を調べると、13人で菌が消失、2人で減少しています。

この研究では、草津温泉の酸性の温泉水が黄色ブドウ球菌に作用したことが、症状改善の一因ではないかと考えられています。

つまり、

「温泉に入ったらなんとなく気持ちよかった」

という話だけではありません。

皮膚症状の改善に加えて、皮膚表面の細菌にも変化が見られていたんです。

草津温泉はどんな温泉だった?

ここも面白いところです。

草津温泉の研究で使われた温泉は、普通のお湯とはかなり違います。

項目草津温泉の研究
泉質酸性-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉
pH2.0
温度40~42℃
1回の入浴10分
回数1日1~2回
期間3~28週間
対象アトピー性皮膚炎46人

特に注目したいのが酸性というところ。

研究では、この酸性温泉水が黄色ブドウ球菌に作用した可能性が考えられています。実際、アトピー性皮膚炎の患者から分離した黄色ブドウ球菌に対して、酸性温泉水の抗菌作用を調べた研究もあります。

だから「温泉なら何でも同じ」という話ではありません。

温泉の泉質そのものが研究対象になっているんですね。

海外でもアトピーの改善が報告されている

「草津温泉だから良かったのでは?」と思って、海外の研究も見てみました。

すると、イタリアのコマーノ温泉でも、子どものアトピー性皮膚炎を対象にした研究があります。

この研究では、軽症から中等症のアトピー性皮膚炎を持つ1~14歳の子ども104人を対象に、2週間の温泉療法を行いました。

結果をまとめると、こんな感じです。

温泉療法外用ステロイド治療
人数54人50人
治療期間2週間2週間
アトピー重症度改善より大きく改善
生活の質など改善改善
4か月後の再燃少なかった―

2週間後には、温泉療法を受けた子どもたちでもアトピーの重症度や生活の質などに改善が見られました。

さらに興味深いのが、その後です。

4か月後に調べると、温泉療法を受けたグループでは、アトピーが再燃する回数と再燃している期間が少なくなっていました。

この研究では、アトピーの重症度そのものについては外用ステロイドのほうが大きく改善しています。

それでも、温泉療法を受けた子どもたちに症状や生活の質の改善、さらにその後の再燃に関する変化が見られたというのは興味深い結果です。

研究をまとめても「改善」は出ている

さらに2024年には、温泉水を使った入浴療法と皮膚疾患について、それまでの臨床研究をまとめた系統的レビューも発表されています。

このレビューで対象になった研究は8件。

対象研究数
乾癬7研究
アトピー性皮膚炎1研究
合計8研究

対象となった研究では、温泉水を使った入浴後に、乾癬や湿疹性疾患の症状や皮膚所見が改善するという結果が共通して報告されています。

レビューでは、こうした作用には温泉水の物理的・化学的な性質が関係している可能性があるとしています。

つまり、

「温泉がアトピーに良い」という話は、昔からの湯治だけを根拠にしているわけではありません。

実際の患者を対象にした研究があり、改善を示した結果も出ています。

じゃあ、アレルギー性鼻炎はどうなの?

ここからは、アトピーとは少し違う「アレルギー」の話です。

温泉療法について調べると、アレルギー性鼻炎にも温泉水を使った研究があります。

2025年のレビューでは、温泉水の吸入療法について、アレルギー性鼻炎などを対象にした6研究、合計548人のデータが取り上げられています。

こちらも結果を見ると面白いです。

研究で見られた変化結果
鼻の症状改善した研究あり
鼻の粘液を運ぶ機能改善
鼻の粘液を運ぶ時間2~8分短縮した研究あり
総合症状スコア50%以上低下した研究もあり
上気道感染症頻度・期間が減少した研究あり

レビューでは、温泉水の吸入によって鼻の粘液を外へ運ぶ働きが改善したり、症状が軽くなったりする結果が報告されています。

さらに2025年に発表された別の系統的レビューでは、呼吸器疾患に対する温泉水の吸入療法について27研究が検討され、鼻づまり、鼻水、粘液を運ぶ機能などの改善が報告されています。

ここまでくると、温泉療法とアレルギーの関係は、アトピーだけの話ではないことが分かります。

「温泉に入る」と「温泉水を使った治療」は少し違う

ただし、ここは分けて考えたほうがいいところです。

アトピーの研究では、実際に温泉に入浴する方法が使われています。

一方、アレルギー性鼻炎の研究では、温泉水を鼻に使ったり、吸入したりする方法が中心です。

アトピーアレルギー性鼻炎
主な方法温泉入浴温泉水の吸入・鼻への処置
研究対象皮膚症状・かゆみなど鼻水・鼻づまりなど
改善報告ありあり
温泉の利用方法浸かる温泉水を治療に利用

なので、

「温泉旅行に行ってお風呂に入れば花粉症が改善する」

というところまで研究結果を広げることはできません。

でも、温泉水を利用したアレルギー性鼻炎の研究そのものは、ちゃんと存在しています。

温泉の「何」が関係しているの?

ここまで見てくると、単純に「温かいお湯だから」という話ではなさそうです。

温泉療法では、温泉水に含まれる成分やpH、温度など、さまざまな要素が関係しています。

特に今回の研究から見えてきたのが、

「泉質によって働きが違う」

ということ。

例えば草津温泉では、酸性の温泉水と黄色ブドウ球菌との関係が研究されています。

一方、海外の温泉療法では別の泉質の温泉が使われています。

だから「アトピーにはこの温泉」と単純に決めるより、どんな泉質の温泉を、どんな方法で利用した研究なのかを見るほうが面白いんです。

温泉療法と湯治は同じなの?

ここで出てくるのが「湯治」です。

湯治は、温泉地にある程度の期間滞在して、温泉に入りながら療養する昔ながらの方法です。

一方、今回見てきた研究では、温泉水の泉質や入浴時間、回数などを決めて行っています。

つまり、イメージとしては、

「昔からの湯治」と「研究として行われている温泉療法」

が完全に同じというわけではありません。

ただ、「温泉を療養に利用する」という考え方自体は共通しています。

今回調べて分かったこと

最初は「温泉ってアトピーにいいっていうけど、本当なのかな?」という話でした。

ところが実際に研究を追ってみると、かなり具体的な結果が見つかりました。

疑問今回分かったこと
温泉療法はアトピーに効く?改善を示した研究がある
日本にも研究はある?ある。草津温泉で46人中32人が改善
海外にもある?ある。子どものアトピーを対象にした研究もある
かゆみも改善する?草津温泉の研究では改善例あり
皮膚の細菌にも変化がある?黄色ブドウ球菌の消失・減少が確認された研究がある
アレルギー性鼻炎にも関係する?温泉水の吸入などで改善を報告した研究がある
どの温泉でも同じ?泉質や利用方法によって違う

こうして並べてみると、今回の答えはかなりはっきりしています。

温泉療法は、アトピー性皮膚炎の改善を示した研究があります。

しかも、日本の草津温泉では70%の改善が報告され、海外でも子どものアトピーを対象にした研究で症状や生活の質の改善が見られています。

さらにアレルギー性鼻炎についても、温泉水を吸入するなどの方法で、鼻症状や鼻の働きの改善を報告した研究があります。

もちろん、すべての温泉が同じように作用するわけではありません。

でも、少なくとも今回調べた研究を見る限り、

「温泉がアトピーやアレルギーにいい」という話を、昔からの湯治だからという理由だけで片づけるのはもったいない。

実際に患者を対象にした研究があり、症状の改善を示した結果も出ています。

温泉療法って、思っていたよりちゃんと研究されているんですね。

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