頭皮のかゆみやフケ、実は見落とされがちなんです
顔や体のケアには気を配っていても、頭皮までは手が回っていない、ということはありませんか。
顔や体は毎日見ていても、頭皮までは見落としがちという方は多いのではないでしょうか。頭皮は髪の毛に隠れて見えにくく、本人も「かゆい」とうまく伝えられないことが多いので、気づいたときには症状が進んでいた、ということも起こりやすい部位なんですね。
頭皮のアトピー性皮膚炎は、赤ちゃんから大人まで幅広い年代で起こりうる症状です。今日は、症状の見分け方から、シャンプーの選び方、日々の洗い方のコツまで、年代を問わず使える頭皮ケアの基本を整理していきます。あわせて、小さいお子さんに多い「乳児脂漏性湿疹」との見分け方も紹介しますね。
そもそも、なぜ「頭皮のアトピーかも」と思うの?
頭皮の異変に気づくきっかけは、人によってさまざまです。
- 頭をよくかいている、かゆがる様子がある
- 枕やブラシに白っぽい粉(フケ)がよく付くようになった
- 髪をかき分けたときに赤みやかさぶたが見える
- 特定の場所だけ何度も掻いていて、その部分の毛が薄くなってきた気がする
こうしたサインに気づいたとき、「これって普通のフケなの?それともアトピー?」と迷うことが多いと思います。実は頭皮のトラブルには似た名前の症状がいくつもあり、見分けが難しいんです。次の章で整理していきますね。
頭皮トラブル、名前が似ていて紛らわしいんです
頭皮の症状には、大きく分けて「乾燥によるフケ症」「脂漏性皮膚炎」「アトピー性皮膚炎」の3つがあり、それぞれ原因も見た目も少し違います。ざっくりとした見分けの目安を整理しました。
| フケ症(乾燥タイプ) | 脂漏性皮膚炎 | アトピー性皮膚炎 | |
|---|---|---|---|
| フケの見た目 | 白くパラパラした乾いたフケ | 黄色みがかった、ベタつくフケ | 乾燥した細かいフケ〜かさぶた状 |
| 赤み | ほとんどない | ありやすい | ありやすい(かゆみを伴う) |
| かゆみ | 弱いことが多い | 中〜強いことがある | 強いことが多い |
| 主な原因 | 皮脂・水分不足による乾燥 | 皮脂の増加とマラセチア菌(常在菌)の増殖 | アレルギー体質・皮膚バリア機能の低下 |
| 他の部位との関係 | 頭皮に限られることが多い | 顔(眉・小鼻・耳の後ろ)などにも出やすい | 首・ひじ・ひざの裏など全身に左右対称に出やすい |
これはあくまで大まかな目安で、実際には複数が同時に起きていることや、見た目だけでは判断がつかないこともあります。特にお子さんの場合、次で紹介する「乳児脂漏性湿疹」との見分けも必要になるので、心配な症状があれば自己判断せず、皮膚科や小児科で確認してもらうのが確実です。
小さいお子さんの場合:乳児脂漏性湿疹との見分け方
ここまでは年代を問わない一般的な内容でしたが、赤ちゃんの場合はもう一つ知っておきたいことがあります。
赤ちゃんの頭皮に黄色っぽいかさぶた(乳痂)がこびりついているのを見て、驚いた経験がある方もいるかもしれません。これは「乳児脂漏性湿疹」と呼ばれるもので、アトピー性皮膚炎とは別のものです。
乳児脂漏性湿疹は、生後1〜3ヶ月ごろの赤ちゃんに多く見られ、一時的に皮脂の分泌が多くなることが主な原因とされています。頭皮や眉のまわりに黄色いかさぶたができやすく、かゆみは比較的少なめで、生後3ヶ月程度で自然に落ち着いていくことが多いといわれています。
一方でアトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が2ヶ月以上続く、体の他の部位(ひざの裏や首、ひじの裏など)にも左右対称に症状が出る、といった点が特徴です。見た目だけでの判断は難しく、乳児脂漏性湿疹がそのままアトピー性皮膚炎に移行することもあるといわれているので、症状が長引く場合や心配な場合は、自己判断せず小児科や皮膚科に相談してみてくださいね。
かさぶた(乳痂)のケア方法
乳痂は、お風呂でそのまま洗ってもなかなか落ちません。入浴の30分ほど前に、ベビーオイルやオリーブ油などをコットンに含ませてかさぶたに染み込ませ、ふやけて柔らかくなってから、いつものベビーシャンプーで優しく洗い流すという方法がよく紹介されています。
無理にこすり落とそうとすると皮膚を傷つけてしまうことがあるので、焦らず何日かに分けてケアしていくくらいの気持ちで取り組むとよいと思います。
紫外線・汗・帽子とのつきあい方
頭皮は体の中でも特に日光が当たりやすい部位です。「紫外線に長く当たり続けるのは避けたほうがよい」とされていますが、これは紫外線そのものよりも、日光による皮膚温度の上昇や発汗が、かゆみを強める原因になりやすいためといわれています。強い日差しの下で長時間過ごすのは避け、必要に応じて日陰を選んだり、子ども用の低刺激な日焼け止めを使ったりするとよいでしょう。特に外用薬を塗った部位は、日光に長時間さらさないよう気をつけてください。
帽子は、直射日光を防ぐという意味では役立ちますが、蒸れて汗をかいたままの状態が続くと、それ自体が頭皮への刺激になってしまうことがあります。通気性のよい素材を選び、汗をかいたらこまめに拭き取る、可能であれば帽子も定期的に洗濯するといった工夫をすると、日光対策と汗対策を両立しやすくなります。
夏場は特に汗をかきやすく、症状が悪化しやすい時期でもあります。外から帰ったら早めにシャワーで汗を流す、汗をかいたらタオルでこまめに拭き取るといった習慣を意識してみてください。
頭皮のシャンプー、どう選べばいい?

頭皮のバリア機能が低下していると、洗浄力の強すぎるシャンプーが刺激になり、かゆみや炎症を悪化させてしまうことがあります。選ぶときの目安をまとめました。
| 選ぶときの目安になる成分 | 避けたほうがよい成分 |
|---|---|
| アミノ酸系の洗浄成分 | 硫酸系の洗浄成分(ラウリル硫酸ナトリウムなど) |
| 弱酸性・低刺激と表示されているもの | 合成香料・着色料 |
| セラミド・ヒアルロン酸などの保湿成分配合 | アルコール(エタノール) |
| 無香料・無着色のもの | 石けん系の洗浄成分(洗浄力が強すぎることがある) |
「天然由来だから安心」「無添加だから安心」とは限らないので、パッケージの成分表示を確認する習慣をつけておくと安心です。かゆみやフケが強い場合は、グリチルリチン酸ジカリウムなどの有効成分が入った薬用シャンプーが選択肢になることもありますが、症状が続く場合は自己判断で市販品を使い続けず、医師に相談することをおすすめします。
正しい洗い方のポイント
- お湯の温度はぬるめ(38〜40℃程度)を意識する
- シャンプーは手のひらでしっかり泡立ててから頭皮にのせる
- 爪を立てず、指の腹でやさしく円を描くように洗う
- すすぎは時間をかけて、シャンプーが頭皮に残らないようにしっかり行う
- 洗った後はタオルで軽く押さえるように水分を取り、こすらない
基本的には1日1回のシャンプーが目安とされています。汗や皮脂、ホコリなどの汚れをそのままにしておくと、それ自体が頭皮への刺激になったり、皮脂をエサにする菌が増えやすくなったりすることがあるためです。反対に、洗いすぎて必要な皮脂まで落としてしまうと、今度はバリア機能が低下してしまうので、「毎日1回、優しくしっかり」というバランスを意識してみてください。
洗ったあとの保湿も忘れずに
頭皮も体の他の部位と同じく、保湿が必要な皮膚の一部です。洗い流すタイプのシャンプーだけでなく、頭皮用に作られた保湿ローションなどを使うことで、乾燥によるかゆみを防ぎやすくなります。
塗り薬が処方されている場合は、医師の指示された部位・量・タイミングで使用し、自己判断で保湿ケアだけに切り替えないようにしましょう。塗り薬と保湿剤の役割の違いについては、「アトピーの薬」でも詳しく紹介しています。
まとめ
頭皮は髪に隠れて見えにくいぶん、ケアが後回しになりやすい部位です。フケ症・脂漏性皮膚炎・アトピー性皮膚炎は症状が似ているため見分けが難しく、心配な場合は自己判断せず医療機関に相談してください。日々のケアとしては、低刺激なシャンプー選びと、爪を立てずやさしく洗う習慣、紫外線や汗との上手な付き合い方、そして洗った後の保湿を意識してみてくださいね。
なお本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や商品を推奨するものではありません。詳しくは免責事項をご確認ください。この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、実体験と公開情報をもとにまとめています。
参考にした情報源
- こばとも皮膚科「アトピー性頭皮のフケ・かゆみ・かさぶた」
- アイシークリニック大宮院「アトピーに合うシャンプーの選び方と正しい洗髪方法」
- 服部皮膚科アレルギー科「頭のフケかゆみ(脂漏性皮膚炎)」
- アレルギーポータル(アレルギーi)「日光はアトピー性皮膚炎に良いという話も、悪いという話も」
- ベネッセ教育情報サイト「乳児脂漏性湿疹 かさぶた」
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