「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「血液一滴で41項目のアレルギーが分かります」
こんな言葉を見ると、少し疑ってしまうかもしれません。
本当に、指先からほんの少し血を取るだけで、
- 花粉
- ダニ
- ハウスダスト
- 犬や猫
- カビ
- 食物
など、何十種類ものアレルギーを一度に調べられるのでしょうか。
結論からいうと、
血液一滴ほどの少量で、41項目の特異的IgEを同時に調べる検査は実際にあります。
例えば、医療機関向けに使用されている「ドロップスクリーンA-1」では、約20μLの血液で41項目の特異的IgEを測定できます。20μLは0.02mLなので、まさに「一滴」と表現されるほどの少量です。
ただし、ここで一つ注意したいことがあります。
41種類のアレルギーが確定する
わけではありません。
この検査で調べているのは、主に41種類のアレルゲンに対する特異的IgEです。
「血液一滴でアレルギーが全部分かる」と聞くと夢のような検査に感じますが、実際には、検査結果の見方まで知っておかないと少し誤解しやすい検査でもあります。
本当に「一滴」で41項目も調べられる
一般的なアレルギーの血液検査というと、腕から採血するイメージがあるかもしれません。
ところが現在は、指先から採取した少量の血液を使って、複数のアレルゲンに対する特異的IgEをまとめて測定する方法があります。
ドロップスクリーンA-1では、
検体量20μLで41項目を測定
することができます。指先からの採血にも対応しており、測定時間は約30分です。
つまり、
「血液一滴で何十種類ものアレルギーを調べられる」
という話自体は、本当です。
ただし、ここでいう「一滴」は、
血液を一滴ずつ41回採る
という意味ではありません。
一度採取した少量の血液から、複数のアレルゲンに対する反応を同時に測定する技術が使われています。
何が分かる検査なの?
ここが一番重要なポイントです。
この検査で調べているのは、
「この人は○○アレルギーですか?」
という答えそのものではありません。
主に調べているのは、
特定のアレルゲンに反応する特異的IgE抗体があるか
ということです。
例えば、
- スギ
- ヒノキ
- ダニ
- ハウスダスト
- 犬
- 猫
- カビ
- 卵
- 牛乳
- 小麦
などに対する特異的IgEを、一度に調べることができます。
特異的IgEは、特定のアレルゲンに反応して体内で作られる抗体です。血液検査では、この抗体の有無や量を調べることで、どのアレルゲンに感作されている可能性があるのかを確認します。
でも「陽性=アレルギー」ではない
ここが、検査結果を見るうえで最も大切なところです。
例えば、
卵の特異的IgEが陽性だった
とします。
それだけを見ると、
「卵アレルギーなんだ」
と思うかもしれません。
しかし、実際にはそうとは限りません。
特異的IgEが陽性ということは、
そのアレルゲンに感作されていることを示す
一方で、
実際にその食品を食べたときに症状が出るかどうか
とは必ずしも一致しません。
食物アレルギーの確定診断では、
- その食物を摂取して症状が起きること
- その食物に感作されていること
の両方を確認する必要があります。
検査だけ陽性でも、それだけで食物アレルギーと確定するわけではありません。
「41項目も陽性だったら怖い」は、また別の話
一度にたくさん調べる検査には、便利な反面、戸惑いやすい部分もあります。
今まで特に問題なく食べていた食品まで陽性になることがあるからです。
例えば、
牛乳 陽性
小麦 陽性
卵 陽性
エビ 陽性
という結果が出ると、
「全部食べたらダメなの?」
と心配になるかもしれません。
しかし、検査結果だけを見て、自己判断で食品を除去するのは注意が必要です。
特に食物アレルギーでは、
特異的IgEが陽性=その食品を食べると必ず症状が出る
とは限りません。
検査結果が多いからといって、
アレルギー体質が重い
という意味でもありません。
なぜ41項目も一度に調べる必要があるの?
これは「原因の手がかりを広く探す」という意味では便利です。
例えば、
毎年春になると鼻がムズムズする
場合。
スギ花粉なのか、ヒノキなのか、それ以外の花粉なのかは、症状だけでは分からないことがあります。
また、
家にいると鼻炎がひどい
という場合も、
- ダニ
- ハウスダスト
- カビ
- ペット
など、複数の原因が考えられます。
こうしたときに、多項目をまとめて調べることで、
「もしかすると、このあたりが関係しているかもしれない」
という手がかりを得ることができます。
実際、特異的IgE検査には、症状などから必要な項目を個別に選ぶ方法だけでなく、多くの項目を一度に調べる方法もあります。
少量採血は子どもにもメリットがある?
「アレルギー検査をしたいけど、採血が苦手」
という人にとって、指先からの少量採血は魅力的に感じるかもしれません。
指先から採取する検査は、
腕からの静脈採血が難しい人
や、
小さな子ども
でも検討しやすい方法の一つです。
もちろん、子どもなら必ずこの検査が適しているというわけではありません。
年齢や症状、何を調べる必要があるのかによって、医師が検査方法を判断します。
ただ、
「アレルギー検査=腕からたくさん血を採るしかない」
というわけではなくなっているのは確かです。
41項目調べられれば、アレルギーは全部分かる?
残念ながら、そうではありません。
41項目というのは多く感じますが、世の中に存在するアレルゲンすべてを網羅しているわけではありません。
また、血液検査で調べられる項目は、検査方法によって異なります。
一般的な特異的IgE検査では、症状や生活環境、食事内容などから疑わしい項目を選んで検査する方法もあります。
つまり、
41項目検査で陰性だった=アレルギーではない
とも言い切れません。
その検査に含まれていない原因がある可能性もあるからです。
「たくさん調べられる検査」は便利ですが、
一度受ければすべてのアレルギーが判明する万能検査
ではありません。
検査結果より先に「症状」が大切
アレルギー検査というと、
数字
陽性
陰性
に目が行きがちです。
でも実際の診断では、
- いつ症状が出たのか
- 何を食べたのか
- どこにいたのか
- どんな症状だったのか
- 同じ状況で繰り返し症状が出るのか
といった情報も重要になります。
食物アレルギーの場合、日本小児アレルギー学会のガイドラインでも、詳細な問診によって食物摂取と症状誘発の関係を明らかにすることが診断につながるとされています。
つまり、
血液検査は答えを自動的に出してくれる機械
というより、
原因を探すための重要なヒント
と考えるほうが近いかもしれません。
「血液一滴で分かる」は本当。でも少し言い方に注意が必要
ここまでを整理すると、
血液一滴で41項目を調べられる
これは本当です。
実際に約20μLの血液で、41項目の特異的IgEを同時に測定する検査があります。
しかし、
血液一滴で41種類のアレルギーが確定する
となると、少し違います。
正確には、
41種類のアレルゲンに対する特異的IgEを調べ、感作の有無を確認する
検査です。
そして、
特異的IgEが陽性
=
実際にそのアレルゲンで症状が出る
とは必ずしも一致しません。
この違いを知っているかどうかで、検査結果の受け止め方はかなり変わります。
まとめ|血液一滴で何十項目も調べられるのは本当。ただし「診断」とは別
「血液一滴で何十種類ものアレルギーが分かる?」という疑問については、
血液一滴ほどの少量で、何十項目もの特異的IgEを調べる検査は実際にあります。
約20μLの血液で41項目を同時に測定できる検査もあります。
ただし、
検査結果だけでアレルギーが確定するわけではありません。
特異的IgEが陽性でも、実際には症状が出ないことがあります。
特に食物アレルギーでは、
食べたときに症状が出ること
と、
その食品に感作されていること
の両方を確認して診断します。
血液一滴で何十項目も調べられる技術は、確かにすごいものです。
でも、
「何に反応している可能性があるか」
と、
「何が実際に症状を起こしているのか」
は同じではありません。
便利な検査だからこそ、結果だけで「食べてはいけない」「これが原因だ」と決めるのではなく、症状や生活状況と合わせて判断することが大切になりそうです。
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