「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「アレルギー検査をしたいけど、採血が苦手」
「子どもに何本も採血するのはかわいそう」
「指先から少し血を採るだけで、たくさんのアレルギーが分かるって本当?」
最近は、
指先からごく少量の血液を採取するだけでアレルギー検査ができる
という検査を見かけるようになりました。
一見すると、
「そんな少ない血液で本当に分かるの?」
と思うかもしれません。
結論からいうと、
はい。検査方法によっては、指先から採取したごく少量の血液で、複数のアレルゲンに対するIgE抗体を調べることができます。
実際に日本の医療機関でも、指先から約20〜100μL程度の血液を採取し、数十項目のアレルゲンを調べる検査が行われています。
ただし、ここで注意したいのは、
「少量の血液で検査できる」=「何でも正確に診断できる」ではない
ということです。
今回は、指先からの少量採血で行うアレルギー検査について整理してみます。
本当に「1滴の血」でアレルギー検査できる
現在では、専用の検査機器を使い、
指先から採取した少量の血液
でアレルギー検査を行う方法があります。
例えば、ドロップスクリーンと呼ばれる検査では、指先から採取した約20μL程度の血液で、複数のアレルゲンに対する検査を行う医療機関があります。花粉、ダニ、ハウスダスト、動物、カビ、食物などを一度に調べられる検査として導入されています。
ほかにも、指先から約40μL程度の血液で、多数のアレルゲンと総IgEを調べる検査もあります。
つまり、
「アレルギー検査には必ず腕から大量の血を採らなければならない」
というわけではありません。
技術によっては、ごく少量の血液でも検査できるようになっています。
何を調べているの?
血液を使ったアレルギー検査では、主に、
IgE抗体
を調べます。
IgE抗体とは、アレルギー反応に関係する抗体の一つです。
例えば、
- スギ花粉
- ダニ
- ネコ
- 卵
- 牛乳
- 小麦
など、それぞれのアレルゲンに対するIgE抗体を調べることがあります。
これを、
特異的IgE検査
と呼びます。
アレルギー血液検査には、血液中のIgE全体を見る「総IgE」と、特定のアレルゲンに対するIgEを見る「特異的IgE」があります。
指先からの少量採血検査でも、このようなIgEを調べることで、
どのアレルゲンに対するIgE抗体を持っているか
を確認します。
少量の血液で、なぜ何十項目も調べられる?
「血液が1滴しかないのに、40種類も調べられるの?」
と思うかもしれません。
ここが検査技術の進歩した部分です。
以前のように、
1項目ずつ大量の血液を使って調べる
という方法だけではなく、現在では少量の検体を使って複数のアレルゲンを同時に測定する技術があります。
そのため、
少量の血液
↓
専用の検査機器
↓
複数のアレルゲンに対する反応を同時に確認
ということが可能になっています。
実際に指先からの採血で、
- 41項目
- 45項目
- 総IgEを含めた検査
などを行っている医療機関があります。
指先からの検査で、食物アレルギーも分かる?
検査の種類によっては、
食物に対する特異的IgE
も調べることができます。
例えば、
- 卵
- 牛乳
- 小麦
- エビ
- カニ
- 大豆
- ピーナッツ
- そば
などが検査項目に含まれているものがあります。
ただし、ここは非常に重要です。
血液検査でIgEが陽性だった=その食品を食べると必ずアレルギー症状が出る
とは限りません。
特異的IgE検査で分かるのは、
そのアレルゲンに対するIgE抗体が検出されるかどうか
です。
実際に食べたときに症状が出るかどうかは、
- 実際の症状
- 食べた量
- 過去の反応
- IgEの数値
- 必要に応じて行われる追加の検査
などを合わせて判断します。
アレルギー血液検査の結果は、症状などと合わせて医師が総合的に判断する必要があります。
「陽性=食べられない」ではない
ここは、少量採血か通常の採血かに関係なく、アレルギー検査全体でよくある誤解です。
例えば、
卵のIgEが陽性だった
とします。
だからといって、
「卵アレルギー確定」
とは限りません。
IgE抗体が検出されても、実際には食べても症状が出ない場合があります。
逆に、検査結果だけを見て、
「陽性だったから一生食べてはいけない」
と自己判断することも問題になる場合があります。
特に子どもの食物アレルギーでは、必要以上の除去につながる可能性もあるため、検査結果だけではなく、実際の症状や経過を含めて判断することが重要です。
つまり、
検査は「答え」そのものというより、原因を考えるための材料の一つ
と考えるほうが近いかもしれません。
普通の腕からの採血と何が違う?
一番大きな違いは、
採取する血液の量と方法
です。
通常の血液検査では、腕の静脈から採血することが一般的です。
一方、指先からの少量採血では、
指先に小さな針を使って
↓
ごく少量の血液を採取する
という方法が使われます。
そのため、
- 腕からの採血が苦手
- 注射器が怖い
- 小さな子ども
- 採血量をできるだけ減らしたい
といった場合に受けやすい検査方法の一つです。
ただし、すべてのアレルギー検査が指先採血に対応しているわけではありません。
検査できる項目や方法は、医療機関や使用している検査機器によって異なります。
少量採血だから精度が低い?
「血液が少ないと、普通の採血より精度が低そう」
と思うかもしれません。
しかし、
血液の量が少ないことだけで、検査の価値が低いとは一概に言えません。
指先から採取した毛細血管血を使ってIgE検査ができるかを調べた研究もあります。
2004年の研究では、指先から採取した毛細血管血を用いたIgE検査について検討されており、腕から採血する方法より侵襲の少ない方法として、小児のアレルギー検査への利用可能性が研究されています。
また、指先から採取した血液をろ紙に染み込ませた検体で総IgEを測定する研究でも、一定の精度と再現性が報告されています。
ただし、
検査方法によって測定できる項目や性能は違います。
そのため、
「指先採血なら全部同じ」
ではありません。
どの検査機器を使っているのか、何を測定する検査なのかによって違いがあります。
「何十項目も一度に調べられる」ことには注意点もある
指先から少量の血液で、
40項目以上を一度に検査
できるのは便利です。
しかし、項目が多いほど、
「思いがけない陽性」
が見つかることもあります。
例えば、これまで何の症状もなかった食品に陽性反応が出ることがあります。
すると、
「陽性だから食べないほうがいいのかな?」
と不安になるかもしれません。
しかし前述したように、
IgE陽性=必ず症状が出る
ではありません。
だからこそ、
検査結果だけを見て自己判断する
のではなく、
実際に何を食べたとき、どんな症状が出たのか
という情報と合わせて考える必要があります。
自宅で指先から血を採る検査もあるけど?
現在では、自宅で指先から採血し、郵送するタイプのアレルギー検査もあります。
実際に、少量の血液を採取して郵送し、食物や花粉、ハウスダストなど複数の項目を調べるサービスもあります。
自宅でできることは便利ですが、
検査結果をどう解釈するか
は別の問題です。
特に、
- 食物アレルギーが疑われる
- アナフィラキシーを起こしたことがある
- 子どもの食物除去を考えている
といった場合には、検査結果だけを見て自己判断することは避けたほうがよいでしょう。
アレルギー検査は、
「陽性を探すゲーム」
ではありません。
実際の症状と照らし合わせて、
その人にとって本当に問題になるアレルゲンは何か
を考えることが大切です。
まとめ|指先から少量の血でもアレルギー検査はできる
「指先から少量の血を採るだけでアレルギー検査できる?」という疑問については、
本当です。検査方法によっては、ごく少量の血液で複数のアレルゲンに対するIgE抗体を調べることができます。
現在では、指先から約20〜100μL程度の血液を採取し、花粉やダニ、動物、食物など数十項目をまとめて調べる検査が医療機関で行われています。
特に、
腕からの採血が苦手な人や、小さな子ども
にとっては、検査の負担を減らせる選択肢の一つです。
ただし、
少量の血液でたくさん調べられる=アレルギーの原因を完全に確定できる
というわけではありません。
特異的IgE検査で陽性になっても、実際に症状が出るとは限りません。
だからこそ、
検査結果
だけではなく、
実際に出た症状
何を食べたか
いつ症状が出たか
などを合わせて判断することが大切です。
「指先から1滴で何十種類も分かる」というのは、たしかに本当。
ただし、
1滴の血液だけで、すべてのアレルギーを確定診断できるわけではない。
この違いを知っておくことが、検査結果を正しく見るために重要なのかもしれません。
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