「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「免疫力を上げると、アレルギーにもいい」
健康食品やサプリ、生活習慣の話などで、こんな言葉を見かけることがあります。
風邪をひきにくくしたい、病気に負けない体をつくりたい。
そう考えると、「免疫力は高いほうがいい」と思いますよね。
でも、アレルギーがある人からすると、少し気になることがあります。
「免疫が強くなったら、アレルギーまで強くならないの?」
そもそもアレルギーは、免疫が弱いから起こるのでしょうか。
ここを調べていくと、「免疫力」という言葉だけでは説明できない、ちょっと違った免疫の姿が見えてきます。
アレルギーは「免疫が弱い病気」ではない
アレルギーというと、「免疫が過敏になっている」という説明を聞くことがあります。
これは大きく外れてはいません。
私たちの免疫は、細菌やウイルスなどから体を守るために働いています。
ところがアレルギーでは、本来なら大きな害のない花粉や食べ物などに対して、免疫が強く反応してしまいます。
たとえば、IgEという抗体が関係するアレルギーでは、アレルゲンに反応したIgEが肥満細胞などに結びつき、ヒスタミンなどの物質が放出されます。
その結果、鼻水やくしゃみ、じんましんなどの症状が起こります。アレルギー性疾患では、IL-4、IL-5、IL-13などを含む「2型免疫」と呼ばれる反応も重要な役割を持っています。
アレルギーで起きていること
「免疫が弱い」
↓
アレルギーになるという単純な話ではありません。
本来は必要のない場面で、特定の免疫反応が強く起こることが問題になります。
そう考えると、「免疫力を上げればアレルギーも改善する」という話に、少し疑問が出てきます。
「免疫力を上げる」の中身は、実はあいまい
ここで一度、「免疫力」という言葉を考えてみます。
風邪をひきにくくすること、感染症への防御力を高めること、免疫細胞を活性化することなど、いろいろな意味で使われています。
でも、免疫は一つのスイッチではありません。
免疫には、異物を攻撃する働きだけでなく、必要以上の反応を抑える働きもあります。
アレルギーの研究でも、炎症を起こす細胞やサイトカインだけでなく、免疫反応を抑える「制御性T細胞(Treg)」などが重要だと分かっています。
| 「免疫」の働き | 役割 |
|---|---|
| 異物を排除する | 細菌やウイルスなどに対抗する |
| 抗体をつくる | 異物を認識して反応する |
| 炎症を起こす | 体を守るための反応を起こす |
| 反応を抑える | 必要以上の免疫反応を止める |
つまり、免疫は強ければ強いほどいい、というものではありません。
大切なのは、必要なときに働き、必要がなくなれば落ち着くこと。
アレルギーでは、このバランスが崩れていることが問題になります。
では、免疫を刺激するとアレルギーは悪化する?
ここが今回の疑問です。
実際のところ、「免疫力を高めるとアレルギーが悪化する」と一括りにできる証拠はありません。
免疫を刺激する作用があるものを摂れば、必ずアレルギー症状が悪化する、というわけではありません。
むしろ、アレルギーの治療そのものに「免疫の働きを変える」という考え方があります。
その代表がアレルゲン免疫療法です。
花粉症などでは、原因となるアレルゲンを少量から段階的に体へ与え、アレルゲンに対して過剰に反応しにくい状態を目指します。
研究では、治療によって制御性T細胞が増えたり、IgEによる反応や肥満細胞・好塩基球などの働きが抑えられたりするなど、免疫反応そのものに変化が起こることが分かっています。
ここが大事
アレルギーの免疫療法は、免疫を単純に「強くする」ものではありません。
アレルゲンに対する免疫の反応を、過剰に起こさない方向へ変えていく治療です。
「免疫力を上げる」という言葉だけでは、アレルギーとの関係は判断できないことが分かります。
免疫を「強くする」より、免疫のバランス
アレルギーでは、特定の免疫反応が強くなっていることがあります。
たとえば2型免疫では、IL-4、IL-5、IL-13などのサイトカインがアレルギー性の炎症に関係しています。IgEの産生や好酸球、肥満細胞などもこの反応に関わっています。
だから、
免疫をもっと活発にすればいい
という単純な話にはなりません。
むしろ必要なのは、免疫が働くべきところでは働き、過剰な反応は抑えられる状態です。
これは「免疫力」という一つの数字では表せません。
「免疫力アップ」の商品には注意したほうがいい?
ここまで分かると、健康食品やサプリなどで、
「免疫力を高める」
「免疫を活性化する」
と書かれているものを見たときにも、少し見方が変わります。
その言葉だけで、
「アレルギーにも良さそう」
とは判断できません。
何を使って、どの免疫反応に作用し、実際にどんな人でどんな結果が出ているのか。
そこまで見ないと、アレルギーとの関係は分からないからです。
逆に、免疫に働きかけるものだからといって、必ずアレルギーを悪化させるわけでもありません。
研究では、免疫を調整することでアレルギー症状を抑える治療も行われています。
免疫力を上げると、アレルギーが悪化する?
ここまで見てくると、答えは少し意外です。
「免疫力を上げるとアレルギーが悪化する」とは言えません。
ただし、
「免疫力は高ければ高いほど、アレルギーにも良い」
という考え方も正しくありません。
アレルギーでは、免疫の強さだけではなく、どの免疫反応が起こっているのか、そしてその反応を適切に抑えられているのかが重要だからです。
| 疑問 | 現在分かっていること |
|---|---|
| 免疫が強いとアレルギーになる? | そう単純ではない |
| 免疫を刺激すると必ず悪化する? | そのような一般化はできない |
| 免疫を調整してアレルギーを治療できる? | アレルゲン免疫療法などで研究・実践されている |
| 「免疫力アップ」ならアレルギーにも良い? | 何にどう作用するかを見ないと判断できない |
「免疫力を上げる」という言葉は、健康の話ではとても分かりやすい言葉です。
でもアレルギーについて考えるときは、少し大ざっぱ。
免疫は「強ければいい」のではなく、必要なときに働き、必要のない反応は抑えられることも大切。
これが、アレルギーと免疫を考えるときのポイントになりそうです。
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