「自営業だから、育休みたいな制度は関係ない」——そんなふうに感じている方も多いと思います。
会社員や公務員の場合、育児休業中は厚生年金保険料や健康保険料が免除される仕組みがあります。でも自営業やフリーランス、農業を営んでいる方などが加入する国民年金には、これまで出産前後の一定期間(産前産後免除)しか免除の仕組みがありませんでした。子どもが1歳になるまでの間は、収入が減っていても保険料を満額払い続けるしかなかったんですね。
この差を埋めるために、2026年(令和8年)10月から新しく始まるのが「国民年金の育児免除制度」です。ここでは、対象になる人や免除される期間、申請の流れについて整理していきます。
この制度はどんな人が対象?
対象になるのは、国民年金の第1号被保険者(20歳以上60歳未満の自営業者・フリーランス・農業者・学生・無職の方など)で、1歳になるまでの子を養育している実父母・養父母です。
- 子と親子関係が続いていること
- 子と同じ住所に住んでいること
この2つを満たしていれば対象になり、所得による制限はありません。収入があっても、仕事を続けていても関係なく申請できるのがポイントです。
対象にならない人もいます
一方で、次の方は国民年金の育児免除制度の対象外です。
- 第2号被保険者(会社員・公務員など厚生年金加入者):もともと育児休業中の厚生年金・健康保険料の免除制度があるため対象外です
- 第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている配偶者):この制度の対象外です
自営業・フリーランスの方だけが使える制度、という位置づけなんですね。
いつからいつまで免除される?
免除される期間は、実母か、実父・養父母かによって少し違います。
実母の場合
もともとある産前産後免除(出産前後の4カ月間、多胎の場合は6カ月間)に引き続いて、9カ月間が免除されます。産前産後免除とあわせると、最大13カ月間分の保険料が免除される計算です。
(例)子どもの出産予定日が2027年5月1日の場合、2027年8月〜2028年4月の9カ月間が育児免除期間にあたります。
実父・養父母の場合
子を養育することになった月から、1歳の誕生日の前月まで、最大12カ月間が免除されます。
(例)子どもの出産日が2027年5月1日の場合、2027年5月〜2028年4月の12カ月間が対象です。
制度スタート時点ですでに育児中の場合はどうなる?
2026年10月より前から子育てをしていて、制度開始時点でまだ1歳になっていない場合は、2026年10月以降の分だけが免除の対象になります。さかのぼって全期間が免除されるわけではない、という点は覚えておきたいところです。
免除されても将来の年金額は減らない
「保険料を払わなくていいのはうれしいけど、将来もらえる年金が減るんじゃ…」と心配になる方もいると思います。
でもこの制度では、免除された期間も「保険料を納めたもの」として扱われ、将来受け取る老齢基礎年金の金額に反映されます。つまり、保険料を払わなくても、年金額が目減りする心配はないということなんです。
また、夫婦がどちらも第1号被保険者であれば、二人ともこの制度の対象になります。育児免除期間中でも、希望すれば付加保険料(月400円)だけは引き続き納めることもできます。
申請の方法
この制度は自動では適用されず、申請が必要です。申請方法としては、次のような選択肢が案内されています。
- マイナポータルからのオンライン申請(マイナンバーカードがあれば、原則として添付書類は不要とされています)
- 郵送での手続き
- お住まいの市区町村役場の窓口での手続き
郵送や窓口で手続きする場合は、「育児免除該当届」とマイナンバーカードの写しなどの書類が必要になる見込みです。ただし、具体的な必要書類や申請開始のタイミングについては、制度開始が近づいてから日本年金機構より正式な案内が出る予定とされています。実際に申請する際は、日本年金機構の公式サイトやお住まいの自治体窓口で最新情報を確認するのが確実です。
まとめ
2026年10月からスタートする国民年金の育児免除制度は、これまで会社員との間にあった育児期間の保障の差を埋める制度です。所得に関係なく申請でき、免除されても将来の年金額が減らないという点は、自営業やフリーランスで子育てをしている家庭にとって心強いポイントだと思います。
対象になりそうな方は、子どもが生まれたタイミングで「育児免除該当届」の申請を忘れないようにしたいですね。
なお本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の年金相談や手続きについては、日本年金機構または最寄りの年金事務所にご確認ください。
ちなみに、妊娠期から高校入学までの間に使えるさまざまな助成金については、賢く使う助成金まとめでも整理しています。あわせてチェックしてみてください。
この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、自身の経験と厚生労働省・専門機関等の公開情報をもとにまとめています。治療方針については、必ず主治医の指示を優先してください。詳しくは免責事項をご覧ください。
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