誤食は、偶然の重なりやうっかりから
給食やおやつの誤食事故は、「うっかり」から起きることがほとんどです。ある調査では、誤食の原因として最も多かったのが「誤配膳」、次いで「原材料の見落とし」だったという報告もあります。
事故は、一つの不注意だけでなく、「いつもと違う食材が届いた日に、担任が休みだった」「延長保育で、情報共有が漏れていた」というように、いくつかのイレギュラーが重なったときに起きやすい傾向があります。逆に言えば、重なりやすいポイントさえ意識しておけば、防げる可能性も高くなります。
特別な能力や経験がなくても、確認の手順を決めておくだけで防げることが多いのが、誤食対策の特徴です。今日は、給食・おやつの場面でできる工夫を整理してみます。
配膳のときにできる工夫
- アレルギー対応食用のトレイや食器の色を分ける
- 盛り付けに使うおたま・トングなどの道具も、アレルギー対応食専用のものを分けて使う(他の料理に使った道具で盛り付けると、そこからアレルゲンが混入することがある)
- トレイに名前を書き、クリップや札の名前と一致しているか確認する
- 誰が見ても「誰の給食か」がすぐ分かるようにする
- 全員が席についてから配膳する(慌てて配膳しない)
- 声出し・指差しで、対応食の中身を担任と調理員で確認し合う
配膳のタイミングは、提供時間に追われて慌ただしくなりがちな場面です。落ち着いて配膳できる流れを、あらかじめ決めておくと安心です。
原材料の確認でできる工夫
- 前日までに納品された食材は、当日までに原材料を確認しておく
- 加工食品で原材料が分かりにくいものは、業者に確認する
- いつもと違う食材が届いたときは、特に注意する(納品業者の変更などで原材料確認が漏れやすい)
- 既製品のおやつを使う場合、受け取り時に外装で原材料を確認する
- 手作りおやつでも、使用する食材の原材料を確認する
「いつもと同じはず」という思い込みが、見落としにつながることがあります。特にメニューや納品業者が変わったときは、いつも以上に確認する習慣をつけておくと安心です。
食事中に気をつけたいこと
- 他の子どもの食べ物が飛んでこないよう、席の配置に配慮する
- 自分から他の子の食べ物に手を伸ばしてしまわないよう、距離をとる
- 食事中・食後も、症状が出ていないか様子を見る
- こぼれた食材がテーブルや床に残っていないか確認する
年齢が上がるにつれて、食事中の会話も活発になり、誤食のリスクは形を変えて続きます。「大きくなったから大丈夫」とは考えず、年齢に応じた形で注意を続けることが大切です。
行事・特別な日に気をつけたいこと
誕生日会や季節の行事は、いつもと違う雰囲気の中で職員がイベントの準備に追われ、確認の手順が抜けやすい場面でもあります。
- 誕生日会・クリスマス会などのお菓子・ケーキの原材料を確認する
- 豆まきで使う豆(大豆・ピーナッツ)は、誤食や見守りへの配慮が必要
- 調理体験(おやつ作りなど)で使う食材にアレルゲンが含まれていないか確認する
- 遠足・運動会などの非日常的なイベントでは、いつも以上に声をかけ合う
「今日はいつもと違うから」というときこそ、確認の手順を省略しないことが誤食防止につながります。
誤食が起きてしまったときの対応
誤食が起きたときのために、対応の流れを事前に決めておくことも大切です。
- どの程度の症状が出ているか、まず確認する
- 保護者から聞いていた症状と照らし合わせる
- 口に入れたものを取り除き、肌についたアレルゲンを拭き取る
- 症状に応じて、エピペンの使用や救急要請を判断する
エピペンの取り扱いや、アナフィラキシーの初期対応については、「エピペンとは、アナフィラキシー緩和の自己注射薬」で詳しく紹介しています。
まとめ
給食・おやつの誤食は、特別なスキルよりも、日々の確認の積み重ねで防げることが多いです。配膳・原材料確認・行事のときの一手間を、職員間で共通のルールにしておくことが、安全な給食時間につながります。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、対応は園・学校によって異なります。詳しくは免責事項をご確認ください。この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、実体験と公開情報をもとにまとめています。
参考にした情報源
- 大阪市「給食提供における対応」(保育所におけるアレルギー対応ガイドライン 第3章)
- 横浜市「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」
- 株式会社明治「集団給食の食物アレルギー対応で知っておきたいこと」
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