アレルギーっ子家族の応援サイト|へっちゃら

先生が知っておくべきアレルギーとアトピーの基礎知識

先生と生徒がおしゃべりしている様子 保育士・先生方へ

「アレルギー」と一言で言っても、色々あります

「クラスにアレルギーの子がいる」と聞いたとき、具体的にどんな状態なのか、イメージが湧きにくいこともあるのではないでしょうか。

食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支ぜん息、アレルギー性鼻炎……アレルギー疾患にはいくつも種類があり、それぞれ症状も対応も異なります。ここでは、学校生活でよく出会う「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」を中心に、最低限知っておきたい基礎知識をQ&A形式で整理します。

Q. 食物アレルギーって、そもそもどんな仕組み?

体にとって本来無害なはずの食べ物に、本来自分を守るべきはずの免疫システムが誤って「異物」として認識し、過剰に反応してしまう、れっきとした病気です。子ども本人の性格や好き嫌い、気持ちやその時の気分は関係ありません。原因となる食べ物や症状の出方は人によって違い、皮膚・呼吸器・消化器など複数の場所に症状が出ることもあります。

症状の程度もさまざまです。皮膚のかゆみや蕁麻疹程度で済むこともあれば、咳・呼吸困難、嘔吐・腹痛、そして命に関わるアナフィラキシーまで、幅があります。本人にとっては「ちょっとかゆい」程度ではなく、強い苦しさや恐怖を伴う場合があることも、知っておいてもらえたらと思います。

対応の基本は、原因となる食物を必要最小限の範囲で除去することです。ただし、重症度によっては少量なら食べられる子もいれば、加熱調理をすることで食べられる範囲が広がる食品もあります。「除去の範囲は一人ひとり違う」ということが重要なポイントです。先生の中には「生徒はみんな平等に」という考えを大切にしている方も多いと思いますが、食物アレルギーに関しては、この考え方をそのまま当てはめるのは適切ではありません。除去食や個別対応は、甘やかしでも特別扱いでもなく、安全に学校生活を送るために必要な配慮です。

Q. アトピー性皮膚炎って、食物アレルギーが原因なの?

これは、実は誤解されやすいポイントです。

アトピー性皮膚炎の原因は、食物アレルギーではありません。皮膚のバリア機能の低下と、アレルギーを起こしやすい体質(アレルギー体質)が組み合わさって起こる、皮膚そのものの病気です。皮膚の表面がうまく働かず、外からの刺激やアレルゲンが侵入しやすくなっている状態、とイメージすると分かりやすいかもしれません。

以前は逆に、「アトピー性皮膚炎は食物アレルギーが原因ではないか」と考えられていた時期がありました。しかし現在では、その考え方は否定されています。むしろ関係は逆で、「経皮感作(けいひかんさ)」といって、バリア機能が低下した皮膚から食物アレルゲンが入り込むことが、食物アレルギーを引き起こす原因になりうる、という考え方が主流になっています。つまり、「アトピー性皮膚炎(皮膚の状態)→ 食物アレルギーの発症」という向きの関係はあり得ても、「特定の食べ物 → アトピー性皮膚炎」という向きの関係は、基本的には考えにくいということです。

つまり、「アトピー性皮膚炎があるから、食物アレルギーがあるはず」「かゆみがあるのは、あの食べ物のせいだ」と単純に結びつけるのは誤りです。特に離乳食が始まる時期の子どもについて、保護者がこの点を誤解しやすいとも言われています。皮膚症状が見られても、自己判断で食事制限をするのではなく、専門の医師に相談することが基本です。

Q. アトピー性皮膚炎って、どんな病気?

強いかゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性的な皮膚の病気です。乳児から大人まで幅広い年代にみられます。皮膚のバリア機能の低下や、アレルギー体質など、複数の要因が関わっているとされています。

完全に根治するのが難しい病気ですが、正しい治療を継続することで、症状がない、またはあっても軽い状態を維持することは可能とされています。学校生活では、プールの後の保湿ケアや、汗をかいた後の対応など、日々のスキンケアに関わる場面も出てきます。

Q. どのくらいの子どもに、アレルギー疾患があるの?

アレルギーの子どもは、今どんどん増えています。文部科学省委託事業として日本学校保健会が行った調査によると、学校での食物アレルギーの有病率は平成16年度に2.6%だったのに対し、令和4年度には6.3%まで上昇しています。約20年で2.4倍に増加した計算です。今後、アレルギーのある子どもと関わる場面は、先生・保育士のキャリアの中でますます増えていくはずです。

ある調査では、小・中学生の約35%、つまり3人に1人が、アトピー性皮膚炎・ぜん息・アレルギー性鼻結膜炎のいずれかを持っているというデータもあります。複数のアレルギー疾患を合併している子どもも5〜10%程度いるとされています。

「アレルギーのある子は特別な少数派」というより、「どのクラスにいてもおかしくない、身近なもの」と捉えておく方が実情に近いと言えそうです。今後保育士・先生として長く現場に立つ中で、アレルギーのある子どもたちと一緒に成長していってもらえたらと思います。

Q. 「前に担任した子と同じ対応でいい?」

これは避けたい考え方です。同じ「卵アレルギー」でも、除去の範囲や重症度は子どもによって大きく異なります。

アレルギーの症状は本当にさまざまです。症状が出るタイミング、持っているアレルギーの数、重症度……こうした要素を掛け合わせて考えると、千人いれば千通りの症状があると言っても大げさではありません。過去の経験は参考にはなっても、そのまま当てはめるのは危険です。

さらに、その日・その時の体調によっても、症状の出方はころころと変わります。「前の子が大丈夫だったから、この子も大丈夫だろう」という考え方は、本当に危険です。同じ子であっても、「前回は平気だったから今回も平気」とは限らないことも、覚えておいてください。

対応の詳細は、その子の生活管理指導表や保護者との面談で確認してください。書類の読み方は「生活管理指導表の読み方・解釈の仕方」、面談で確認すべきことは「保護者との面談時に先生側から確認するべきポイント」にまとめています。

Q. 指導表に記載のない食べ物で、アレルギーのような症状が出ることがあるって本当?

実はあります。「生活管理指導表に書かれている食品を食べていないのに、皮膚が赤くなったり、蕁麻疹が出たりした」というケースの中には、食物アレルギーではなく「ヒスタミン食中毒」が原因のこともあります。

これは、マグロ・カツオ・サバ・イワシ・ブリなどの赤身魚やその加工品が、鮮度の低下や常温放置によって「ヒスタミン」という物質を多く含んでしまい、それを食べることで、食物アレルギーとよく似た症状(顔の赤み、蕁麻疹、頭痛など)が出るという食中毒です。免疫の反応ではないため、アレルギー体質かどうかに関係なく、誰にでも起こり得ます。一度生成されたヒスタミンは加熱しても分解されないため、「よく加熱したから大丈夫」とは言えない点にも注意が必要です。

給食施設で発生した事例も報告されているので、「アレルゲンを除去しているのに症状が出た」というときは、食物アレルギーの見落としだけでなく、ヒスタミン食中毒の可能性も視野に入れて、養護教諭や管理職に相談してください。

まとめ

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎は、混同されやすいですが別の病気であり、原因も対応も異なります。また、アレルギー疾患を持つ子どもは決して珍しくなく、多くのクラスに在籍していておかしくないものです。基礎知識を押さえたうえで、個別の対応はその子ごとの情報にもとづいて進めていくことが大切です。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療に関する判断は主治医が行うものです。詳しくは免責事項をご確認ください。この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、実体験と公開情報をもとにまとめています。

参考にした情報源

運営者まっさんの似顔絵

へっちゃらはこんな人が書いています

へっちゃらは実際にアレルギーっ子を育てる父親まっさんが運営しています。1人の子供を育てるだけでも大変なのに、アレっ子はさらに大変だなぁ~と感じながら日々格闘しています。詳しい運営者情報はこちらから

※本記事は、公開されている情報をもとに、できるだけわかりやすくまとめたものです。個別の状況によって適切な対応は異なりますので、ご不安な点がある場合は自己判断せず、専門機関・専門家にご確認ください。詳しくは免責事項をご覧ください。 緊急性の高い症状が見られる場合は、自己判断せず、直ちに救急要請または医療機関を受診してください。

この記事、教えてあげたい人はいませんか?

アレルギーのあるお子さんの周りにいる、ママ友・パパ友や先生にも役立つ情報です

LINEで教えてあげる

コラム・レビューの新着

よく読まれている記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました