「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
酢は、私たちの食卓ではかなり身近な調味料です。
酢の物、ドレッシング、南蛮漬けなど、毎日の料理にも取り入れやすいですよね。
そんな酢について、
「酢には抗アレルギー作用がある」
という話を見かけることがあります。
健康に良いイメージのある酢ですが、アレルギーにも何か良い作用があるのでしょうか?
調べてみると、酢そのものを人が摂取してアレルギー症状が改善したという研究は多くありません。
ただ、酢に関係する酢酸菌や酢酸、食品のアレルゲン性については、ちょっと気になる研究が見つかりました。
酢にはどんな成分が入っている?
酢の主成分として知られているのが酢酸です。
酢酸は、酢独特の酸味や香りに関係する成分で、酢の種類によって濃度なども異なります。
また、酢の製造には酢酸菌が関わっています。
酢には酢酸だけでなく、原料や製造方法によってさまざまな成分が含まれています。
| 酢に関係するもの | 特徴 |
|---|---|
| 酢酸 | 酢の酸味の中心となる成分 |
| 酢酸菌 | 酢の製造に関わる微生物 |
| アミノ酸など | 原料や製造方法によって含まれる |
| その他の成分 | 米酢、黒酢、果実酢など種類によって異なる |
では、この中にアレルギーに関係するものはあるのでしょうか?
酢酸菌に「抗アレルギー作用」が研究されていた
まず面白いのが、酢酸菌です。
酢の製造に使われる酢酸菌の一種を、花粉症のマウスに与えた研究があります。
スギ花粉を使ったアレルギー反応を起こしたマウスに酢酸菌を経口投与したところ、鼻をかく行動が有意に減少しました。
血液中のIgEやIL-10など、免疫に関係する指標も調べられています。
別の研究でも、酢酸菌由来の成分を与えた花粉症モデルのマウスで、アレルギー症状が抑えられる結果が報告されています。
「酢に関係する微生物に、アレルギー反応を抑える可能性がある」という研究は実際にあります。
これはちょっと期待したくなる結果です。
ただし、ここで大きな注意点があります。
マウスで確認されたことと、人が酢を食べて同じ効果が得られることは別です。
黒酢にもアレルギー研究がある
さらに、酢そのものに近い研究もあります。
日本の黒酢を使った研究では、黒酢がIgEによるアレルギー反応に与える影響が調べられています。
細胞を使った実験では、黒酢がアレルギー反応に関係する細胞の脱顆粒を抑えました。
さらに、スギ花粉を使ったアレルギーモデルのマウスに黒酢を与えたところ、アレルギー症状が抑えられています。
研究者は、黒酢に含まれる酢酸以外の成分も、この作用に関係している可能性を調べています。
| 研究 | 結果 |
|---|---|
| 酢酸菌+花粉症モデル | 鼻をかく行動が減少 |
| 酢酸菌由来成分+花粉症モデル | アレルギー反応を抑制 |
| 黒酢+細胞実験 | アレルギー反応に関係する脱顆粒を抑制 |
| 黒酢+花粉症モデル | アレルギー症状を抑制 |
こうして見ると、「酢とアレルギー」という組み合わせには、まったく根拠がないわけではありません。
ただし、ほとんどが細胞や動物を使った研究です。
酢を使うと食品のアレルゲン性が変わる?
もう一つ、かなり興味深い研究があります。
卵、鶏肉、レンズ豆などの食品に酢を加え、アレルギー反応がどう変わるのかを調べた研究です。
研究では、アナフィラキシーの既往がある7人から得られた血清などを使って、酢を加えた食品抽出物と、酢を加えていないものを比較しました。
すると、酢を加えた抽出物では皮膚テストの反応が小さくなり、IgEが結合する反応も低下しました。
「酢を使うと食品のアレルゲン性が変化する可能性がある」という、かなり興味深い結果です。
ただし、この研究は「酢を食べるとアレルギー体質が改善する」というものではありません。
食品そのものに酢を加えたとき、その食品のアレルゲン性がどう変化するかを調べた研究です。
ここは大きな違いです。
ピーナッツでも酢酸の研究がある
ピーナッツについても、酢や酢酸によってアレルゲンがどう変化するのかを調べた研究があります。
ピーナッツを酢や異なるpHの酢酸溶液で処理したところ、一部の主要アレルゲンについてIgEとの結合が低下しました。
ただし、すべてのアレルゲンが同じように変化したわけではありません。
また、これはあくまで食品を酢酸で処理した実験です。
「ピーナッツアレルギーの人が酢を飲めば、ピーナッツが食べられるようになる」という意味ではありません。
酢によって食品中のアレルゲンの性質が変わる研究と、酢を摂取してアレルギー体質が改善する研究は別です。
ここは混同しないほうがよさそうです。
では、人が酢を食べるとアレルギーは改善する?
ここが一番知りたいところですよね。
残念ながら、現時点では、
「酢を毎日食べたり飲んだりすれば、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が改善する」
と人で確認した十分な研究はありません。
酢酸菌や黒酢について興味深い研究はあります。
食品のアレルゲン性が変化する研究もあります。
でも、それをそのまま、
「酢を摂ればアレルギーが改善する」
という話にすることはできません。
| 研究で分かっていること | 現時点での見方 |
|---|---|
| 酢酸菌の研究 | マウスで抗アレルギー作用を示した研究あり |
| 黒酢の研究 | 細胞・マウスでアレルギー反応を抑えた研究あり |
| 酢による食品処理 | 一部の食品でアレルゲン性が低下した研究あり |
| 人が酢を摂取 | アレルギー改善を確認した十分な研究は不足 |
こうして並べると、研究の「面白いところ」と「まだ分からないところ」が見えてきます。
「抗アレルギー作用がある」と「アレルギーが改善する」は違う?
今回のテーマでは、ここがかなり重要です。
研究室でアレルギー反応を抑えた。
動物モデルで症状が減った。
食品のアレルゲン性が変化した。
これらは、どれも興味深い結果です。
でも、
人が酢を食べる
↓
アレルギー症状が改善する
というところまで確認するには、人を対象にした臨床研究が必要です。
たとえば花粉症の人に一定期間酢を摂取してもらい、症状や薬の使用量、免疫反応などを酢を摂らないグループと比較する。
こうした研究が十分に行われて、初めて「酢を摂るとアレルギー症状が改善する可能性がある」と考えられるようになります。
現時点では、そこまでの証拠は揃っていません。
酢を皮膚に使えばアトピーにもいい?
酢について調べると、「飲む」以外に「肌に使う」という話も出てきます。
特にリンゴ酢を薄めて入浴する方法などが紹介されることがあります。
実際にアトピー性皮膚炎の人を対象に、薄めたリンゴ酢を腕に使った小規模な研究があります。
しかし、14日間の使用で皮膚のバリア機能に明確な改善は確認されませんでした。
さらに、参加者の多くに軽い刺激症状がみられています。
そのため、「酢には抗アレルギー作用があるから、肌に塗ればアトピーにもいい」と考えるのは早そうです。
酢は酸性の液体なので、濃度や使い方によっては皮膚を刺激することもあります。
食べる酢の研究と、皮膚に酢を塗る研究も別物です。
酢を毎日摂るならどう考える?
酢は料理に使いやすい食品なので、普段の食事に取り入れること自体は難しくありません。
ただ、「アレルギー改善のために毎日たくさん摂る」という考え方になると話は変わります。
現時点では、アレルギー改善を目的として酢を積極的に摂取するための十分な根拠はありません。
また、酢は酸性が強いため、原液を大量に飲むような摂り方は避けたほうがよいでしょう。
あくまで通常の食事の中で、調味料として使うくらいの位置づけで考えるのが自然です。
酢に抗アレルギー作用は期待できる?結局どうなの?
今回調べてみると、酢とアレルギーの関係には、思っていた以上に面白い研究がありました。
酢酸菌を使った花粉症モデルでは症状を抑える結果が出ています。
黒酢についても、細胞やマウスを使った研究でアレルギー反応を抑える作用が確認されています。
さらに、酢を使って食品を処理することで、一部の食品のアレルゲン性が低下した研究もありました。
ただし、これらは、
「酢を食べれば人のアレルギーが改善する」
ことを証明したものではありません。
現時点では、
「酢には抗アレルギー作用を示唆する研究がある。でも、人が酢を摂ることでアレルギーが改善するとはまだ言えない」
というところが、一番近い答えになりそうです。
身近な調味料である酢に、こんな研究があるというのはちょっと意外ですよね。
今後、人を対象にした研究が増えてくれば、「酢を食べること」とアレルギーとの関係が、もう少しはっきり見えてくるかもしれません。
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