「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「オリーブオイルは体にいい」と聞くことは多いですよね。
特にエクストラバージンオリーブオイルには、オレイン酸やポリフェノールなどが含まれていて、抗酸化作用や抗炎症作用があると言われています。
そこで気になるのが、
「オリーブオイルに抗炎症作用があるなら、アレルギーにも良いんじゃないの?」
ということ。
アレルギーでは、免疫反応によって炎症が起こることがあります。そう考えると、炎症を抑える働きのあるものなら、アレルギーにも何か良い影響がありそうに思えます。
実際のところはどうなのでしょうか。
今回は、オリーブオイルの「抗炎症作用」と「アレルギー」の関係について調べてみました。
この記事のポイント
・オリーブオイルには炎症に関係する作用が研究されている
・アレルギー反応に関係する細胞を使った研究もある
・動物実験では食物アレルギーとの関係も調べられている
・人のアレルギー症状への効果については、まだ分かっていない
・「抗炎症作用」と「アレルギー改善」は同じではない
そもそもオリーブオイルには抗炎症作用があるの?
まずは、「オリーブオイルには抗炎症作用がある」という話から調べてみました。
研究で特に注目されているのが、**エクストラバージンオリーブオイル(EVOO)**です。
オリーブオイルにはオレイン酸のほか、フェノール化合物などが含まれていて、こうした成分と炎症や酸化ストレスとの関係が研究されています。
2026年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、エクストラバージンオリーブオイルを摂取した23件のランダム化比較試験、計1,138人を対象に、炎症や酸化ストレスに関係する指標が調べられました。
その結果、CRPなど一部の炎症関連指標について、エクストラバージンオリーブオイルの摂取による変化が確認されています。
ただし、研究によって結果にはばらつきがあり、エビデンスの確実性も中等度から非常に低いとされています。
つまり?
「オリーブオイルには抗炎症作用がある」という話は、単なるイメージだけではありません。
実際に人を対象とした研究でも、炎症に関係する指標との関係が調べられています。
ただ、研究結果がすべて一致しているわけではなく、まだ研究の余地もあります。
「抗炎症作用」と「アレルギー改善」は同じではない
ここで少しややこしいのが、「炎症」と「アレルギー」の関係です。
アレルギー反応には、IgE抗体や肥満細胞、ヒスタミンなど、さまざまな免疫の仕組みが関係しています。その結果として、赤みや腫れ、かゆみなどの炎症反応が起こることがあります。
そのため、
抗炎症作用がある
= アレルギーを改善する
とは限りません。
ただ逆に、
「炎症に関係する作用があるなら、アレルギー反応の一部にも何か関係しているのでは?」
と考えることはできます。
そして実際に、オリーブオイルとアレルギー反応の関係を調べた研究があります。
オリーブオイルに「抗アレルギー作用」があるという研究もある
2007年に発表された研究では、チュニジア産のバージンオリーブオイルについて、Ⅰ型アレルギー反応に関係する細胞を使った実験が行われました。
その研究では、IgEによって刺激された細胞から放出される化学伝達物質などを調べたところ、調べたオリーブオイルの一部で、アレルギー反応に関係する細胞の反応を抑える作用が確認されています。
研究者は、オリーブオイルに抗アレルギー作用がある可能性について検討しています。
「それなら、やっぱりアレルギーに良いんじゃない?」
と思いますよね。
ただ、この研究は人がオリーブオイルを食べて、アレルギー症状が改善したことを確認した研究ではありません。
細胞を使った基礎研究です。
なので、この結果だけで「オリーブオイルを食べればアレルギー反応が軽くなる」とまでは言えません。
でも、ここでちょっと面白いのが、オリーブオイルとアレルギー反応との関係そのものが、実際に研究されているということです。
ここが今回ちょっと気になるところ
「オリーブオイルはアレルギーに効く」と証明されたわけではありません。
でも、「アレルギーとはまったく関係がない」という話でもありません。
少なくとも、アレルギー反応に関係する細胞にオリーブオイルがどう作用するのかを調べた研究はあります。
マウスでは食物アレルギーとの関係も
さらに調べてみると、オリーブオイルと食物アレルギーの関係を調べた動物実験もありました。
2022年の研究では、卵白アルブミンを使って食物アレルギーを誘導したマウスに、オリーブオイルを含む食餌を与えています。
すると、オリーブオイルを与えたマウスでは、アレルギー症状が軽減されました。
腸の状態や免疫反応、腸内細菌の変化なども調べられており、オリーブオイルが腸内環境や免疫系に影響する可能性が検討されています。
もちろん、マウスで確認されたことが、そのまま人間でも起こるとは限りません。
でも、
「オリーブオイルと食物アレルギーには何か関係があるのでは?」
という研究が実際に行われていることは、なかなか興味深いところです。
地中海食とアレルギーにも関係がある?
オリーブオイルについて調べていると、もう一つ出てくるのが地中海食です。
地中海食は、野菜や果物、豆類、全粒穀物、魚、ナッツなどを取り入れ、主要な油脂としてオリーブオイルを使う食事パターンです。
この地中海食とアレルギー疾患との関係も研究されています。
2026年のメタ解析では、23研究、11万人以上を対象に、地中海食とアレルギー疾患との関係が調べられました。
その結果、地中海食を取り入れている人では、喘息、喘鳴、鼻炎のリスクが低い傾向が確認されています。一方で、湿疹については有意な関連が確認されず、食物アレルギーについてはデータが十分ではありませんでした。
ただし、ここで大事なのは、地中海食にはオリーブオイル以外にもたくさんの食品が含まれていることです。
そのため、「地中海食とアレルギーに関係があるかもしれない」からといって、「オリーブオイルがその理由」と決めることはできません。
それでも、オリーブオイルが地中海食の中心的な油として使われていることを考えると、気になる関係ではあります。
じゃあ、オリーブオイルを食べる意味はないの?
ここまで見ると、
「アレルギーに効くとは証明されていないなら、食べても意味がないの?」
と思うかもしれません。
でも、今回調べているのは、オリーブオイルが「アレルギーに良いのか」という話です。
オリーブオイルそのものについては、炎症や酸化ストレスとの関係が研究されています。
さらに、アレルギー反応に関係する細胞への作用や、動物の食物アレルギーへの影響を調べた研究もあります。
つまり、「アレルギーとはまったく関係のない食品」として片づけるのも、少し違うようです。
ただし、アレルギーを改善する目的でオリーブオイルを特別に摂ればいい、というところまで分かっているわけではありません。
今後、人を対象とした研究が進めば、また違ったことが分かってくる可能性もあります。
「抗炎症作用があるなら、肌に塗ってもいい?」は別の話
ここは、アレルギーやアトピーが気になっている人には注意したいところです。
「抗炎症作用があるなら、オリーブオイルを肌に塗っても良さそう」と考えてしまうかもしれません。
しかし、食べるオリーブオイルの研究と、肌に塗るオリーブオイルの研究は別です。
オリーブオイルを皮膚に塗ることについては、皮膚バリアへの影響を調べた研究があります。
成人19人を対象にした研究では、オリーブオイルを皮膚に4~5週間塗ったところ、角層のバリア機能が低下し、軽い赤みもみられました。研究者は、オリーブオイルの外用が皮膚バリアを損なう可能性を指摘しています。
また、オリーブオイルによる接触アレルギーの症例も報告されています。
食べるのと塗るのは、分けて考えたほうがよさそう
オリーブオイルを食事に取り入れることと、オリーブオイルを肌に塗ることでは、体への作用も研究結果も違います。
「食べて良いものだから、肌に塗っても良い」とは限りません。
結局、オリーブオイルの抗炎症作用はアレルギーにも良いの?
今回調べてみると、オリーブオイルには確かに興味深い研究があります。
エクストラバージンオリーブオイルについては、人を対象とした研究で炎症関連の指標への影響が調べられています。さらに、細胞を使った研究ではIgEに関係するアレルギー反応への作用が、マウスでは食物アレルギー症状への影響が確認されています。
研究を並べてみると、こんな感じです。
| 調べられていること | 現在分かっていること |
|---|---|
| オリーブオイルと炎症 | 人を対象に研究され、炎症関連の指標への影響が報告されている |
| オリーブオイルとアレルギー反応 | 細胞実験で、アレルギー反応に関係する細胞への作用が報告されている |
| オリーブオイルと食物アレルギー | マウスで症状への影響を調べた研究がある |
| 地中海食とアレルギー | 一部のアレルギー疾患との関連が研究されている |
| 人が食べてアレルギー症状が改善するか | まだはっきり分かっていない |
こうして見ると、「オリーブオイルはアレルギーに良い」という話を、完全に根拠のない噂として片づけるのも少し違うようです。
もちろん、今の研究だけで「オリーブオイルを食べればアレルギーが改善する」とは言えません。
でも、オリーブオイルには炎症に関係する作用が研究されていて、アレルギー反応に関係する細胞や、食物アレルギーの動物モデルについても研究があります。
オリーブオイルでアレルギー反応を軽減することはできないが、アレルギー反応が出た後の炎症を回復させる効果はあるのかもしれません。
もちろん、これは今の段階では「かもしれない」という話です。
でも、こうした可能性が今後の研究で明らかになっていくとしたら、ちょっと面白いですよね。
オリーブオイルの抗炎症作用が、アレルギーという免疫反応とどこまで関係しているのか。
今後の研究で解明されていくでしょう。
「オリーブオイルはアレルギーに良い」という話を聞いたとき、今のところは「効く」「効かない」の二択で決めつけるより、どこまで分かっていて、どこから先がまだ分からないのかを見ていく。
それくらいの距離感で、この話を見ておくのがよさそうです。
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