「朝食に目玉焼きを食べたら急に蕁麻疹が出てきた。」「毎年春になるとスギの花粉で鼻水が出たり涙が止まらなくなる。」この2つのアレルギー症状は全く違うようで、実は同じ仕組みで起こっています。この記事ではその2つの症状がなぜ同じ仕組みなのか?に迫っていこうと思います。
その仕組みが「1型(Ⅰ型)アレルギー」です。ここでは、1型アレルギーがどんな仕組みで起こるのか、他の型とどう違うのかを、かみ砕いて説明します。
結論:食物アレルギーも花粉症も、どちらも「1型アレルギー」です。体の中で作られた「IgE抗体」が、再び入ってきたアレルゲンをキャッチして、ヒスタミンなどが出ることで症状が出ます。食物アレルギーでは、食べてから通常2時間以内に症状が出ることが多いとされています。
(アレルギーには1型〜4型があり、同じ「アレルギー」でも、仕組みが違います)
アレルギーには種類がある
「アレルギー」とひとことで言っても、医学的には、いくつかの種類(型)に分けられます。「Gell-Coombs(ゲル・クームス)分類」と呼ばれる分類で、1型から4型に分けられています。1型は「即時型」、2型は「細胞融解型(細胞障害型)」、3型は「免疫複合型」、4型は「遅延型」と呼ばれます(秋田大学の資料による)。
その中でも1型アレルギーは、症状が出るまでのスピードが速い「即時型」が最大の特徴です。アレルゲン(原因物質)に触れてから、1時間未満で症状が現れるとされています(MSDマニュアル)。食物アレルギーでは、食べてから通常2時間以内に症状が出ることが多いとされています(食物アレルギーの診療の手引き2023)。日本アレルギー学会の手引きでは、即時型反応は15分以内で起こり得るもの、遅発型反応は数時間以降に生じてくることがあるもの、と説明されています。
1型アレルギーが起こる仕組み

1型アレルギーの主役は、「IgE抗体」という、体を守るためのタンパク質です。仕組みを、順に見てみましょう。
- 卵や花粉といった「アレルゲン」が、初めて体の中に入る
- 免疫がそのアレルゲンを異物と認識し、そのアレルゲン専用の「IgE抗体」を作る(この状態を「感作」と言います)
- IgE抗体は、「肥満細胞(マスト細胞)」という細胞にくっついて待機する
- 再び同じアレルゲンが体に入ってくると、待機していたIgE抗体がそれをキャッチする
- 肥満細胞が刺激され、「ヒスタミン」などの物質を一気に放出する
- ヒスタミンなどが、血管を広げる、かゆみを起こす、筋肉を縮めるといった働きをして、症状が起こる
一度「アレルゲン専用の見張り役(IgE抗体)」ができると、次に同じものに出会ったときに、体が過敏に反応してしまう、というイメージです。
ヒスタミンを出す肥満細胞は、体のあちこちにありますが、特に皮膚・肺・消化管の粘膜に多く集まっています。ヒスタミンには、血管を広げる、血管から水分がしみ出しやすくする、気管支などの筋肉を縮める、かゆみを起こす、といった働きがあります(MSDマニュアルによる)。じんましんなどの皮膚症状、咳やゼーゼーする呼吸などの呼吸器症状、腹痛や下痢などの消化器症状が出やすいのは、このためだと考えられます。
1型アレルギーに含まれるもの

食物アレルギーや花粉症など、身近なアレルギーの多くが、1型アレルギーに分類されます。次のようなものが当てはまります。
- 食物アレルギー
- 花粉症
- 気管支喘息(アレルギー性のもの)
- アレルギー性のじんましん
- アナフィラキシー
- アトピー性皮膚炎(アレルギーだけでなく、皮膚のバリア機能の低下も関わります)
日本アレルギー学会の手引きでも、1型アレルギーが関わる病気として、食物アレルギー、各種の花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などが挙げられています。食物アレルギーのうち、即時型症状・食物依存性運動誘発アナフィラキシー・口腔アレルギー症候群は、IgE抗体が関わる(IgE依存性)タイプに分類されています(食物アレルギーの診療の手引き2023)。
へっちゃらでこれまで紹介してきた、食物アレルギーや喘息の記事の多くは、この1型アレルギーの仕組みを扱っていました。
- 食物アレルギーにも、食べてから数時間〜半日ほどたって症状が出る「遅発型」があります。くわしくは「子供に多いアレルギー4種類|肌荒れ・喘息・鼻炎・結膜炎」で紹介しています。
- じんましんも、すべてがアレルギーによるものではありません。くわしくは「蕁麻疹の原因は食べ物?|そうとは限らない原因と受診目安」で紹介しています。
子供にとって身近な理由
食物アレルギー・喘息・アレルギー性鼻炎など、「アレルギーマーチ」に出てくる病気の多くは、1型アレルギーに分類されます。くわしくは「アレルギーマーチとは|湿疹→食物アレルギー→喘息→鼻炎への流れ」で紹介しています。
ただし、アトピー性皮膚炎は、アレルギーだけでなく、皮膚のバリア機能の低下も大きく関わっています。くわしくは「アトピーだと食物アレルギーになりやすい?|保湿でリスクは下がる?」で紹介しています。
他の型との違い

1型以外にも、2型・3型・4型があります。大まかな違いは、次の通りです。
| 型 | 仕組み | 症状が出るまで | 代表的な病気(MSDマニュアルより) |
|---|---|---|---|
| 1型(即時型) | IgE抗体に抗原が結びつき、ヒスタミンなどが放出される | 1時間未満 | アレルギー性喘息、鼻炎、じんましん、アナフィラキシー |
| 2型(細胞障害型) | 細胞の表面にある抗原に抗体が結びつき、補体などが活性化する | — | 溶血性貧血、グッドパスチャー症候群 |
| 3型(免疫複合型) | 抗体と抗原が結びついた「免疫複合体」が炎症を起こす | 4〜10日後 | 血清病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ |
| 4型(遅延型) | T細胞が関わる。抗体は関与しない | 時間がかかる | 接触皮膚炎など(金属アレルギーも4型) |
特に4型(金属アレルギーなど)は、抗体ではなくT細胞が関わるため、1型とは仕組みが大きく異なります。「アレルギー」と一括りにせず、それぞれのタイプを知っておくと、理解が深まります。それぞれの型は、次の記事で紹介しています。
まとめ
食物アレルギーや花粉症は、「1型アレルギー」という仕組みで起こります。
- IgE抗体が体内で作られ、再びアレルゲンに触れると、ヒスタミンなどが出て症状が現れる
- 症状が出るまでが速い「即時型」で、1型は1時間未満。食物アレルギーでは通常2時間以内に症状が出ることが多い
- 食物アレルギーや花粉症など、身近なアレルギーの多くが1型
- 2〜4型は、仕組みが違う
この1型の仕組みを知っておくと、「なぜアレルギー症状は繰り返し起こるのか」「なぜ初めて食べたときは大丈夫だったのに、次に反応したのか」といった疑問も、理解しやすくなると思います。
「へっちゃら」まっさんより
うちの子の1型アレルギーの症状としては、「食物アレルギー」「花粉症」「気管支喘息」「アトピー」があります。
咳に関しては反応が早く、食べて数分もすれば咳が出始めます。徐々に咳をする間隔が短くなって、しばらくすると止まらなくなります。いったん症状が出始めると一晩中続くこともあるので、注意が必要です。
病院が休みになる前の日や、病院が混む休み明けなどは、なるべく症状が出そうなものや、初めて食べるものは避けるように気をつけています。
参考にした情報源
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