人間の体は、食べたものでできています
人間の体は、食事でできているといっても過言ではありません。そしてアレルギーのある子は、肌や粘膜など、体へのダメージが他の子より大きくなりやすい分、栄養がとても大切な要素になってきます。「除去食で栄養が偏らないか」という心配も出てくると思いますが、除去食そのものの考え方や進め方は除去食・食事管理に譲るとして、この記事では、除去食かどうかに関わらず日々の食生活で意識しておくと良さそうな「食事の方向性」についてお伝えします。
野菜中心・植物性たんぱく質を意識した食事
「抗炎症食」という考え方
海外の研究では、野菜・果物・魚介類・豆類・オリーブオイルなどを中心にした食事が、体の慢性的な炎症を抑えやすいと言われていて、これは「抗炎症食」と呼ばれているそうです。地中海食に近い考え方で、逆に加工食品や高脂肪の肉、砂糖の多いお菓子は控えめにする、というものです。
アレルギーや皮膚の炎症と食事の関係については、まだ研究が進んでいる段階の部分もありますが、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が抗炎症物質に変わることや、野菜・豆類中心の食生活が炎症を抑える方向に働く可能性があることは、いくつかの研究で報告されているようです。
意識してとり入れたい食品
- 野菜・果物:ブロッコリーやほうれん草などの葉物野菜、ブルーベリーやオレンジなどの果物
- 青魚:鮭、サバ、イワシなど(オメガ3脂肪酸が豊富です)
- 豆類・大豆製品:豆腐、納豆、厚揚げなど。植物性のたんぱく質を手軽にとれます
- 良質な油:オリーブオイル、えごま油、亜麻仁油など
逆に、加工食品・揚げ物・砂糖の多いお菓子や飲み物を摂りすぎないようにするのも、あわせて意識したいポイントのようです。
偏りすぎには注意
ただし、これも「野菜だけ」「特定の食品だけ」に偏ってしまうと、逆に栄養バランスを崩してしまいます。主食・主菜・副菜をそろえながら、野菜や魚、豆類を積極的にとり入れる、というくらいのバランス感覚がちょうどよさそうです。
除去していても不足しやすい栄養素はこう補う
乳製品を除去している場合はカルシウム(小魚、豆腐、豆乳など)、卵・乳を除去している場合はたんぱく質(肉・魚・大豆製品)を、他の食品でしっかり補うことができます。具体的な代替食材の選び方は除去食・食事管理でも紹介しているので、あわせてご覧ください。
お菓子の食べすぎには要注意

おやつは「第4の食事」のはずが…
子供のおやつは「第4の食事」とも呼ばれていて、本来は3度の食事だけでは足りない栄養やエネルギーを補う役割を持っています。ただ、市販のスナック菓子や甘いお菓子は、カロリーは高いのに栄養はあまり含まれていない「エンプティカロリー」になりがちです。せっかく栄養が必要な体なのに、お菓子でお腹をふくらませてしまうのは、少しもったいない話ですよね。
お菓子で満腹になると、本来の食事が減ってしまう
特に幼児期は胃が小さいので、食事の前に甘いお菓子やジュースでお腹がふくれてしまうと、肝心の食事が食べられなくなり、成長に必要なたんぱく質・ビタミン・ミネラルが不足しやすくなると言われています。アレルギーで除去している食品がある子は、ただでさえ代替食材で栄養を補う必要があるので、お菓子で食事が減ってしまうのは、なおさら避けたいところです。
上手な付き合い方
- おやつの時間を決める:食事の2〜3時間前までに済ませておくと、食事にひびきにくいようです
- 量を決めてお皿に出す:袋のまま渡すと際限なく食べてしまいがちなので、食べる分だけ先に盛り付けておくと管理しやすくなります
- 目安は1日200kcal程度:「食事バランスガイド」でも、お菓子・嗜好飲料の目安量として示されています
- 果物や乳製品(除去がなければ)と組み合わせる:エネルギーだけでなく、ビタミンやミネラルも一緒にとれます
ポテトチップスなど、油と塩分が多いお菓子はどう?
ポテトチップスや揚げ物系のスナック菓子には、オメガ6脂肪酸を多く含む油(サラダ油、大豆油、コーン油など)が使われていることが多く、また時間が経つと油が酸化しやすいという特徴もあります。オメガ6脂肪酸自体は必要な栄養素なのですが、揚げ物や加工食品、スナック菓子から日常的に摂りすぎる一方で、青魚などに含まれるオメガ3脂肪酸が不足しがちになると、体の中で炎症が起きやすい方向にバランスが傾いてしまう、と言われています。
塩分についても、スナック菓子は少量でも塩分量が多くなりがちなので、食べすぎには注意したいところです。「絶対に食べてはいけない」というわけではありませんが、日常的にたくさん食べる習慣になっている場合は、量や頻度を見直してみる価値はありそうです。青魚やオリーブオイル、えごま油などオメガ3を含む食品を意識してとり入れることで、バランスを取り戻しやすくなるようです。
家族みんなで楽しく食べるための工夫
除去食の子だけ違うメニュー、というのが続くと、本人も家族も少し寂しい気持ちになることがあります。カレーのルウをアレルギー対応のものに替えるなど、可能な範囲で家族全員が同じメニューを食べられるよう工夫すると、食卓の一体感が生まれやすいようです。市販のアレルギー対応食品や代替調味料も上手に活用しながら、無理のない範囲で続けることが、結果的に長続きするコツのようです。
まとめ
野菜・青魚・豆類を中心にした食生活は、除去食があってもなくても、体にとって良い方向に働きやすいようです。完璧を目指しすぎず、市販の対応食品も味方につけながら、家族みんなで食卓を囲む時間を大切にできるといいですね。栄養面で心配なことがあれば、自己判断せず、医師や管理栄養士に相談してください。
免責事項
この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、自身の経験と厚生労働省・専門機関等の公開情報をもとにまとめています。治療方針については、必ず主治医の指示を優先してください。詳しくは免責事項をご覧ください。
参考情報源
・株式会社明治「知って!食物アレルギー」食物アレルギーの栄養対策
・細野クリニック「アトピー性皮膚炎(アトピー)と食事療法」
・Table for All「除去食と代替食」
・e-ヘルスネット(厚生労働省)「お菓子や間食の取り入れ方」
・横浜弘明寺呼吸器内科クリニック「オメガ3系の油でアレルギーを改善」
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