「アレルギーの本当?」は、へっちゃらの管理人「まっさん」が子供のアレルギーを調べる中で、気になった「アレルギーの雑学」「様々な治療法」「噂話」をまとめて編集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「子どものアレルギーは、大人になれば治るよ」
アレルギーのある子どもを育てていると、そんな言葉を聞くことがあるかもしれません。
実際に、
子どもの頃は卵アレルギーだったけれど、今は食べられる
という人もいます。
一方で、
子どもの頃からのアレルギーが、大人になっても続いている
という人もいます。
では、子どものアレルギー体質は、大人になれば変わるのでしょうか。
結論:変わることはある。でも「大人になれば治る」とは言い切れません
結論からいうと、子どものアレルギーの状態は、成長とともに変化することがあります。
ただし、
子どものアレルギー
↓
大人になれば全部治る
というわけではありません。
何のアレルギーなのかによっても、変化の仕方は違います。
例えば食物アレルギーでは、牛乳や卵、小麦などは成長とともに食べられるようになる人がいる一方、ピーナッツや木の実類、魚、甲殻類などは長く続く傾向があります。
つまり、子どものアレルギーは、
変わることがある
けれど、
必ず大人になるまでに治る
とは言えない、ということです。
子どもの食物アレルギーは大人になれば食べられるようになる?
食物アレルギーは、子どもの成長に伴って変化する代表的なものです。
日本の食物アレルギー診療に関する資料では、多くの食物アレルギーは加齢に伴って耐性を獲得するとされ、特に、
- 鶏卵
- 牛乳
- 大豆
などは耐性を獲得しやすい傾向があるとされています。
一方、
- そば
- ピーナッツ
- ナッツ類
- 甲殻類
- 魚類
などは、耐性を獲得しにくい傾向があります。
海外のガイドラインでも、牛乳、卵、小麦、大豆は子どものうちに耐性を獲得することが比較的多い一方、ピーナッツや木の実類は長く続くことが多いとされています。
ただし、ここで注意したいのは、
「卵アレルギーだから、そのうち治る」
と自己判断できるわけではないことです。
同じ食品のアレルギーでも、症状や検査結果、経過は人によって違います。
「食べられるようになった」=アレルギー体質がなくなった?
ここは少し混同されやすいところです。
例えば、
子どもの頃は卵アレルギーだった
↓
大人になって卵を食べられるようになった
場合、
「アレルギー体質が完全になくなった」
と考えたくなるかもしれません。
しかし、ある食品を食べられるようになったことと、すべてのアレルギーがなくなったことは同じではありません。
ある食物への耐性を獲得しても、
- 花粉症がある
- アトピー性皮膚炎がある
- 喘息がある
ということはあります。
逆に、子どもの頃は食物アレルギーがあったものの、その後は食べられるようになり、ほかのアレルギー症状も特にない人もいます。
アレルギーの変化は、ひとつの方向に進むとは限りません。
アトピーは大人になれば治る?
アトピー性皮膚炎も、年齢とともに変化することがあります。
子どもの頃に症状があったものの、成長とともに症状が軽くなる人もいます。
一方で、
子どもの頃から続いている
一度落ち着いたけれど、また症状が出た
大人になっても治療が必要
という人もいます。
出生から成人まで追跡した研究でも、湿疹や食物アレルギー、喘息、鼻炎などのアレルギー疾患は、年齢によって現れ方が変化していました。食物への感作は乳幼児期に多く、年齢が上がるにつれて吸入アレルゲンへの感作が目立つようになる傾向も報告されています。
つまり、
子どものアトピーが治るか
だけではなく、
成長とともに、アレルギーの現れ方そのものが変わる
こともあります。
喘息は大人になればなくなる?
小児喘息も、成長に伴って症状が変化することがあります。
子どもの頃には喘息の症状があったものの、成長するにつれて症状が出なくなる人もいます。
しかし、
症状が出なくなった
=
将来も絶対に再発しない
とは限りません。
子どもの喘息が大人まで続くケースもあります。
また、日本アレルギー学会でも小児喘息と成人喘息は、それぞれ別の診療ガイドラインが整備されています。年齢によって病気の経過や管理の考え方が変わることもあるため、「子どもの喘息は大人になれば必ず治る」と単純には言えません。
成長すると「アレルギーが移動する」ことはある?
アレルギーについて調べていると、
子どもの頃はアトピー
↓
少し大きくなると食物アレルギー
↓
さらに成長すると喘息や花粉症
のように、アレルギーの種類が変わっていく話を見かけることがあります。
こうした年齢によるアレルギー疾患の変化は、アレルギーマーチと呼ばれることがあります。
ただし、すべての子どもが同じ順番でアレルギーを経験するわけではありません。
アレルギー疾患が、
一つ治ったら、次のアレルギーが必ず出る
というものでもありません。
あくまで、
年齢によって、現れやすいアレルギー疾患が変化する人がいる
という考え方です。
出生から成人まで追跡した研究でも、食物への感作は早い時期に多く、その後は吸入アレルゲンへの感作が目立つようになるなど、アレルギー疾患や感作のパターンが年齢とともに変化することが示されています。
「大人になれば治る」と期待してもいい?
これは難しいところです。
希望を持つこと自体は悪いことではありません。
実際に、成長とともに食べられるようになる子どももいますし、症状が軽くなる人もいます。
ただ、
「大人になれば絶対に治る」
と思ってしまうと、今必要な対応を軽く見てしまう可能性があります。
例えば食物アレルギーの場合、
いつか治るかもしれないから、少しずつ食べさせてみよう
という自己判断は危険なことがあります。
食物アレルギーでは、経過を確認しながら必要に応じて医療機関で評価することが重要です。食物経口負荷試験などを含め、食べられるかどうかの確認には医療機関での判断が必要になる場合があります。
大人になってから別のアレルギーが出ることもある
「子どもの頃のアレルギーが治ったから、もうアレルギーとは無縁」
とも限りません。
食物アレルギーについても、
- 子どもの頃から続いているもの
- 大人になってから新しく発症するもの
があります。
つまり、アレルギーは、
子どもの頃に決まる
↓
そのまま一生固定
というより、
人生の中で、症状や現れ方が変化することがある
ものとして考えたほうが近いかもしれません。
子どもの今の状態だけで、大人になった姿は予測できる?
完全には予測できません。
食物アレルギーの場合でも、
- 原因となる食品
- 症状の経過
- 特異的IgEの変化
- 他のアレルギー疾患の有無
などによって、経過は変わります。
例えば、特異的IgEが高い場合には耐性を獲得しにくい傾向が報告されていますが、検査の数字だけで「何歳までに治る」と断定することはできません。
だからこそ、
「この年齢になったから、もう治ったはず」
ではなく、
今の状態を確認しながら考えていく
ことが大切になります。
まとめ
子どものアレルギー体質は、大人になるまでまったく変わらないとは限りません。
成長とともに、
- 食べられなかった食品を食べられるようになる
- アトピーの症状が軽くなる
- 喘息の症状が出なくなる
ということはあります。
一方で、
- アレルギーが大人まで続く
- 一度落ち着いた症状が再び出る
- 成長して別のアレルギー症状が現れる
こともあります。
つまり、
子どものアレルギーは、大人になれば必ず治る
わけでもなければ、
一度アレルギーになったら一生まったく変わらない
わけでもありません。
子どもから大人へ成長する中で、アレルギーの状態は変化することがあります。
だからこそ、「いつか治るはず」と決めつけるのではなく、今の症状や経過を見ながら、その子に合った形で付き合っていくことが大切なのかもしれません。
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